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弁護士選びも慎重に。

唐突な話だが、世の中には誠実で人情味のある弁護士もいれば依頼者を金づるとしか思っていない悪徳弁護士だっている。

法律事務所に勤務していた頃、
何人かの同業者からそういった話を聞いたことがある。

あくまでも私の知る範囲の話ではあるが、弁護士選びをするにあたって、これでもかっていうほどめちゃくちゃ慎重に選んだほうがいいと思う。

世間では、弁護士であればみんな正義感が強く誠実で丁寧な対応をする人ばかりだと思われがちだが、実際はその真逆の弁護士も存在するし、様々なタイプの弁護士がいるということを知っていただきたい。


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最近はインターネットで簡単に弁護士を検索でき、気軽に法律相談のアポインメントをとることができる。
一昔前と比べて、一般市民から見て弁護士との敷居は低くなったように思う。

司法試験の制度が改編され、弁護士人口も大幅に増えたため、弁護士同士の競争も激しくなってきていることが大いに影響しているだろう。

競争の激しさが増せば増すほど、何としてでも顧客の目をひこうと、派手な宣伝文句を並べる広告が出てくるようになる。

インターネットの情報を鵜呑みにして法律相談にくる依頼者のなかには、
弁護士の見た目がかっこいいとか、サイト内容に強気で派手な宣伝文句をならべている弁護士を選んでしまう方がいらっしゃるそうだ。

もちろん全員が悪徳弁護士とは言い切れない。
本当に優秀な方だっていらっしゃるだろうが、
そもそも誠実かつ優れたリーガルサービスを提供してくれる弁護士や事務所なら、そういう広告を打ち出さなくても相談や委任契約は後をたたないだろう。

そんな広告を前面にうちだす弁護士や事務所は、リーガルサービスの質は分からないが、お金目当てのビジネスをしている可能性が高いかもしれない。

実際に外面ががカッコよく見える弁護士に法律相談に行ってみると、若くて清潔感あって、いかにも頼もしくて良い人な雰囲気で依頼者に接してきて、まずは第一印象で信頼感を与えるそうだ。

その後に「この手続きを踏んだら〇〇なって…」と一方的に裁判手続きを行うことをすすめられ、たたみかけるように委任契約を結ばせようとする。

まず、依頼者の事情に寄り添ってくれているかは怪しいだろう。

とても今すぐには現金で支払えない金額を提示してきて委任契約を結ばせようとし、
依頼者もそんな金額は支払えないと何度も断るが、弁護士側は手続を踏んだ際のメリットを強調し、弁護士費用を見直すといって負けじと値段交渉を何度も繰り返す。

弁護士の圧力に負けたのか契約を結んでしまった依頼者がいたが、着手金、日当、報酬いずれも相場より何十万円も明らかに高かったそうだ。

まるで悪徳商法のような際どい手口で相談者を囲い込んで契約を結ばせるんだなあと、
初めて話を聞いたときは「怒り」よりも「恐怖」を抱いた。

委任契約を結んだ後、裁判期日に出頭すれば毎回数万円の日当を請求したり、
相場より明らかに多めの費用を依頼者から搾り取るように請求する。

依頼者は積んだお金の分だけ弁護士からサービスを受けるらしいが、
依頼者が弁護士に日当や報酬などの金銭を支払能力がなくなれば「金の切れ目が縁の切れ目」と言わんばかりに平気で代理人を辞任する。

ちなみに、初回の法律相談は30分から1時間ぐらいで済む場合が多いが、こんな弁護士に相談に行くと委任契約を結ぶ結ばないで2時間近く時間が拘束され、2時間分の法律相談料を支払わされたケースもあるらしい。
また、法律相談がひと通り終わり、途中から法律相談とは関係ない雑談をしていたにも関わらず、雑談していた時間分の相談料も支払わされた依頼者も過去にいたらしい。

だいたい弁護士へ法律相談に行くと、相談時間は30分ごとに5000円+税かかる。
2時間で22000円だから、納得できない内容であれば、なかなかダメージの大きい出費である。

弁護士も弁護士で顧客の取り合いで必死だろうが、依頼者なくしては弁護士稼業も続けられない。

いずれにせよ依頼者を大切にできない弁護士には、いつかは因果応報で懲戒処分を食らうハメになったり、何かしらのしっぺ返しが来るのではないかと思っている。

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居酒屋、レストラン、コスメ、美容院、会社などの口コミサイトはあるのに、医者や弁護士の口コミサイトはあまり聞いたことがない。

一生のうちで、できればお世話になりたくない医者や弁護士。
相続、離婚、金銭トラブルなど、一生を左右しかねない問題ばかり扱うものだから、レストランなどのように気軽な感覚で選ぶことは憚れる。

依頼者にとって何が最適なことなのか。
弁護士が親身に依頼者の話に耳を傾けてくれることがいいのか。

依頼者の要望どおりに裁判に勝てたらいいのか。
事例によっても交渉や裁判の進め方は色々と変わってくるし、各弁護士の考え方や力量によって、どういった切り口で問題を解決していくか大きな差が出てくるであろう。

そもそも依頼者が一番満足できるサービス自体が分かりづらい。
時には、依頼者側が妥協しないといけない場面もあるだらうから難しい。

だからこそ、弁護士選びは慎重にされることをすすめる。

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事務員として勤務してきたなかで思ったのは、
弁護士費用の相場を事前に調べたうえで、自分の問題に対してこの弁護士なら誠実に対応してくれるか早い段階で見極めることだ。

内面から滲み出てくる誠実さよりも、
外面のよさ目立っていたり、若さとカッコよさを前面に売り込んでいたりどこかしら内容に胡散臭さを感じたら、その弁護士や法律事務所を選ぶのはやめたほうがいいと思う。

もし早い段階で見極めることができれば、
相談料などたとえ不要な出費が生じても最低限ですむ。

それと、できればインターネットの検索で弁護士を簡単に選ぶのはやめた方がいいと思う。

もちろん優秀な弁護士を見つけることもできる可能性はあるけど、ネットの中は情報量が少なく、良い方向にいくか悪い方向に行くか賭けに近いところがあるから。

自分の信頼する人(家族、友人、知人など)に相談して知り合いの弁護士を紹介してもらうとか、
知り合いの弁護士がいなければ、弁護士会に出向いて相談しにいくほうが、気持ち的にはまだ安心できるかもしれない。

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【悪徳弁護士に騙されないポイント】

●弁護士費用の相場を調べてから弁護士へ相談に行くべき。
●「必ず勝ちます」「無料」などと強調する誇大広告には要注意。


いかなる病気が必ず治ることが断言できないのと同じように、いかなる事例であっても裁判に必ず勝てるなんていう保証はない。


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