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詩と絵本と毎日と

この前の夕方。
部屋にいたら、雨の音がした。
私が欲しいのは内省的なひとりの時間なんだ、とふいに思ったりする。
子供たちは大きくなって、四六時中見ていなきゃいけない時期は過ぎたけど、それでも時間は騒がしく過ぎていく。

たまにひとりになれて、雨音を聴いたりできると嬉しい。
(ここぞとばかりに本を読んだりする)

谷川俊太郎さんと木下龍也さんの本をそれぞれ借りていて、詩の言葉に目を走らせていくと、ああ素敵だな、とじんわりする。
それこそ、雨が体に落ちて沁み入っていくような気持ち。

最近は日が昇るのが遅くなって、早番の日は朝日を見られることが多くなった。
(日の出を見ながら出勤してる感じ)

そんなとき、ふと谷川俊太郎さんの詩を思いだしたのだ。
確か「朝のリレー」という詩。

それをまた読みたくて借りてみた。
『あさ/朝』というタイトルの本と『ゆう/夕』というタイトルの本、ふたつあって両方とも。
(朝のリレーも見つける。とても素敵な詩)

空の写真が一緒にのっていて、何度もゆっくり眺めたくなる。
とくに束の間、ひとりでいられたときに。


あと借りているのは『HOME』という絵本。



雑誌『コドモエ』の12月号で紹介されていて、気になって借りてみた。
コラージュの絵が素敵。
一日が始まって、仕事に行って、また家に帰ってくる。
それだけの話なのだけど、街の風景とか、交差する道路とか、家々の様子とか…
身のまわりにある一瞬が切り取られていて、家に帰れる有り難さや、何気ない幸せに気づかされる。


出勤や帰宅途中に車を走らせていると、すごく急いでる車に出くわす。
そういうときに思いだすのは『流水先を争わず』という言葉。
これから年末が近づくにつれて気が急いていくけれど、そういうときこそ落ちついていたい。


みんな一日を終えて大切な場所に帰っていく。

大学生のときは、夕方から夜にかけてが特別な時間だった。
一日を終えてお酒を飲んでもいいし(そのときは今よりずっとお酒を飲んでいた)
夜の街をどこまでも散歩してもいい。

でも、今は朝の方が好き。
(いろんなことで忙しい時間でもあるけれど)

大人になってすっかり朝方になってしまった。


インクの匂う新聞の見出しに
変らぬ人間のむごさを読みとるとしても
朝はいま一行の詩

『朝』谷川俊太郎


この言葉もとても好き。
谷川俊太郎さんの朝に関する詩は『朝のリレー』しか知らなかったから、こんなにあるなんて驚きだった。


『あさ/朝』という詩とともに、『ゆう/夕』の方もゆっくり読みたい。

いろんな角度から朝(そして夕)を味わえそうな一冊だ。





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