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「頑張らなくちゃ」という言葉の呪い

私は「頑張る」という言葉が苦手だ。

世界で1番、自分自身言い聞かせている言葉だからだろう。

「頑張らなくちゃ」
「頑張ろう」
「頑張ったら…」

小さな頃から、なにかと励ます時に使われている言葉ナンバーワンだとと思う。親から、友達から、運動会などの学校の行事で、職場の同僚や上司、お客さまから…。

さらに、ひとりっ子というオプションも付いているからだろう。自分で自分を鼓舞することに慣れている。

・・・

そんな「頑張る」という言葉は時として、魔法にもなり、呪いにもなることがあるのだ。

「まだまだやれるぞ!」と気持ちが高ぶっている時は、さらにひと踏ん張りするための背中を押してくれる魔法になる。あのエナジードリンクの言葉を借りるようだが、翼を授かった気分だ。

しかし、「もう限界。無理だ。」と不安な気持ちが顔を出している時、その言葉はプレッシャーとなって重くのしかかり、目に見えない鎖で繋がれてしまったのではないかと呪いのように感じるのだ。

・・・

反対に、相手から言われる「頑張ってね」「頑張れ」の言葉には嬉しくなる。その人の心や気持ちがこもっているのはもちろん、応援してくれているというのを感じるからだろう。

それでも、元気が少ない時。心はとても正直だ。

「これ以上頑張れというの?」
「今までの頑張りは見てないの?」
「頑張れない。助けて。」

と叫んでいる。

10代の頃は頭も心も柔軟だったのだろう、「言葉の持つ力」に気づいていなかった。けれども、大人になった今、言葉のひとつひとつに敏感になっている。

相手の気持ちが痛い。それを痛いと思う私はなんて心が狭いのだろう。でも嫌じゃなくて嬉しいんだけれど。そんな複雑な感情を含んだまま頑張るなんて、いつか心の方が折れてしまう。

あぁ、なんと残酷な言葉なのだろう。

そう思った日から、私はなるべく誰に対しても「頑張ってね」という言葉を使わないようにしている。

「ファイト!」と軽い感じで伝えたり、
「無理せずにね」と労ったり、
「乗り切っていこうね」と励ましたり。

感じ方なんて十人十色なんて言われたらそれまでだし、もしかすると、この言葉たちが重く感じる人もいるかもしれない。

それでも、自分が苦手な言葉を相手に使いたくはないなと思った。

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