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aoneko
誰かのために作ることが、幸せだとあの時の私は知らなかった。
彼と一緒に住んでから、ご飯を作ることが多くなった。ひとりの時は、外食とか、インスタントラーメンとかコンビニ飯がとても多かった。
同棲を始めた頃も、なんやかんや彼が作っているのに甘えていた。だって、料理が上手いんだもの。そして、何もしなくても料理が出てくる様子が小さい頃を思い出して、なんだかワクワクした。
初めて彼に料理を作った時は、とても緊張した。
その日のメニューは、ジャーマンポテトと白菜のスープ。
初めて作るジャーマンポテトを、レシピを検索して、なんとなく頭に叩き込みこむ。
時間をゆっくりとかけて、「美味しくなぁれ」と魔法をかけた。
ひと口食べた彼の最初の言葉にドキドキしながら見つめる。
「美味しい。初めて作ったとは思えないね」
そんな褒め言葉をもらった。
単純だけど、これから料理をしようと思ったのもこの言葉がキッカケで、美味しそうに食べる彼を見て、私も嬉しくなった。
それから、同棲して私がBARがお休みの日はなるべくごはんを作っている。
出来立てを提供したいから、きちんと帰る時間を聞いて。
大体全部出来上がってることはないんだけど、玄関を開けて、「ただいま〜」と「うちからいい香りがしてたよー」の言葉が聞ける喜びを感じている。
いろんな料理に挑戦するし、今のところ失敗らしい失敗は、豆腐を流し台に落としたことくらいで、上達してきた気がする。
好きな人のために振る舞う料理ってこんなに幸せなんだと、思う日々だ。
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お仕事中のドリンク代にさせていただきます。ちょっといい紅茶を買いたいです。