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嵐の文化祭、前夜!



文化祭というお題なんですが、皆さん「嵐の文化祭前夜」と聞くと何を思い出しますか?

コアなアニメファンなら、おそらく「押井守監督の十八番」と答えられると思います。



現在はすっかり世界的なアニメ監督の巨匠として、若きハリウッドのクリエイター達に強大な影響を与えている押井監督ですが、彼が一躍世に名前を知らしめたのは昭和に放送されていた「うる星やつら」テレビシリーズと、「ビューティフルドリーマー」を筆頭とする劇場版。

そして、後にロボット工学にも多大な未来像を見せてくれた「軌道警察パトレイバー」になります。

押井監督は、壮年になってからはすっかり元気がなくなってしまって。何かというとキリスト教聖書の文献を持ち出す、重くて暗いストーリーだらけになってしまい、現在はすっかり隠居状態に。



でも、そんな彼も三十代から四十代にかけては、「嵐の前の文化祭」作品において、偉大なストーリーテラーとして大ハッスルしていました。


押井守監督のこの「嵐の文化祭」独特の作風としては、まず学校や警察組織で何かしらトラブルが発生する。しかもそれが文化祭の数日前だったり、大規模な街の再開発完全オート化を直前に。

大人には頼れない下らない恋愛のもつれや、文化祭ネタ出しに機材が足らなくなったり。また、普段庶民が生活の中で使っているロボットに、特殊なウイルスが感染。風速40メートル以上の風力が達すると、自動的に何千台もの工事サポートロボットが、暴乱を起こしてしまう。

そして、まあ案の定台風はやってくるんですよ! なんでか!! 文化祭やイベントの直前に!!(笑)


緊急事態に備えてコンビニで食料を買い漁る、パトレイバー整備部! しかも数万円単位の買い物を全部レジで小銭払い……! 嫌がらせかよ!!
……大人になってからわかったんだけど、アレはタバコ代や競馬のアタリ金だったから、あんな千円札やら五百円百円玉しか、みんな持ってなかったんだろうな〜。

嵐が過ぎれば、メンバーは全員ボロボロになりつつも事件は解決。広い晴天が眩しく広がり、ハッピーエンド! それが「押井守監督、嵐の文化祭前夜」定番ストーリー!

「機動戦士ガンダム」他、昭和の手描きアニメを飾った傑作なので、「機動警察パトレイバー」、是非OVA版と映画版は観てください。特に脚本を組み立て、メカアクションやバトルカットにおいて、これ以上にない素晴らしい教科書です!!


脚本は伊藤秀典さん、ベースキャラクターデザインは「クリーミーマミ」の高田明美さん。二人はご夫婦です。そして映画版では、後に「攻殻機動隊」シリーズにおいてメインキャラデザイナー、かつ作画監督を担当する黄瀬和也さん!


私は、最初は「パトレイバーも、うる星やつらに続いてドタバタはっちゃけアクションの楽しいアニメ」と思って観てました。テレビシリーズとOVAは大学の頃かな。

主役の女の子、苫小牧から東京に婦警として社会人になった泉野明(いずみのあ)は、警察特殊レイバーに乗るのが夢だったことから、「警察官の捨て場所」と呼ばれる埋立地の特集二課に配属される。

持って生まれた独特のフィーリングと動体視力に三半規管、冴え渡る操縦技術に加え、果てしないメカへの深い愛情。コンビを組む篠原遊馬と阿吽の呼吸で、家族である他メンバー達と、日々街の平和のために戦うように。

しかし、年月を経るうちに犯罪やテロは深刻な規模にまで拡大し、野明の前には屈強な定義哲学を持ったテロリストや、今の日本を憂えるかつての自衛官達が敵として立ちはだかるように。

パトレイバーを好きだから乗ってるだけじゃダメで、庶民の生活を守る一人の警察官として、彼女がどんどん現実的になって成長していく。


「遊馬、私はただレイバーを好きな女の子だけで終わりたくない。それだけじゃダメって、わかったの」

OVA版「226、雪の戦闘」で、このセリフを聞いた時には、野明の成長を突きつけられたと同時に、とても寂しかったです。誰もが、リアルな生活と戦ううちに夢を手放して大人になっていくんだなあって。





あと、話題はちょっと逸れるけど、私は「黒子のバスケ」に10年ほど前大ハマりをした時に、主役学校バスケ部よりも、好敵手である海常高校バスケ部に沼りまして。仙台アニメイトが「支店の独自応援にて、笠松幸男キャプテンのフェアを開催します!」という告知に導かれて、行きましたよ、誕生日に仙台へ!!

笠松主将の声が、大人気武将バトルゲーム「戦国BASARA」で真田幸村を演じた保志総一朗さんというのも、自分の中で非常に大きかったし、また「戦国BASARA」の国内聖地巡礼において、仙台とその友好都市である信州上田には何度も通っていました。

笠松センパイの人気は凄かったんです! メインメンバーの「キセキの世代」のすぐ下、人気投票ベスト7には必ず入っていました。主役校のキャラクターを差し置いて!!

キセキの力を持たずに、ひたすらの努力とキャプテンシーだけで、「黒バス」の歴史に名前を残した人です。



まあ、そんだけ海常高校バスケ部は私にとって特別だったんですが、名前をお聞きの方もいるでしょう。この「海常高校」のモデルになったのは、「都内進学名門校御三家」の一つである、新大久保にある私立海城中学、高校なのです。

海城学園は元々、海軍のエリートを養成する士官学校であり、明治時代に日露戦争バルチック艦隊戦にて大活躍した名軍将、秋山真之の母校!!

開成学園と並んで、東大や京大、早稲田慶應、明治大学などストレート入学する生徒が多い、歴史の長い男子校です。

そして私は思い切って、2011年の9月11日に開催された海城学園の文化祭に一般参加して来ました!!

女子校育ちなので、本当に新鮮でしたよ〜。当然ながら男子トイレばかりで、女子トイレが少なく、特別に文化祭期間は「だれでもトイレ」が使用可能。最新型TOTOのウォシュレット完備で、「このトイレ、持ち帰りたい」と思いました。

当然、他共学や女子校との出会いイベントや、グラウンドではサンプラザ中野で定期応援会をするほど腕の立つブラスバンド部が、見事な演奏を聴かせてくれます。クレープカーはプロのお店の人がきていて、食中毒対策だったんじゃないかな。凄い行列で食べられなかったけど。

SF研究会が配布していた、分厚い部誌を三冊もいただいてしまったり。帰宅してからゆっくり読んだけど、「もしかしたら、この書き手の中から将来の政治家や評論家が生まれるのかもな〜」と、感慨深かったです。

本当に色々歩き回って、綺麗なオープンテラスのある校内に感動しちゃって。そろそろ閉園の時間に疲れて、バイオリンと生演奏喫茶に入りました。

私は従姉妹がバイオリニストなので、生の音楽は聴きな聴き慣れているんですけど、学校の教室で普通に、一杯¥150のオレンジジュースを飲みながら聴く「愛のあいさつ」やサラサーテもとても美しくて、新鮮でした。

あれから毎年「また海城高校の文化祭に行きたいな」と思うんだけど、残暑が苦しかったり、慌ただしかったりで……。なかなかままならない。

海城学園の生徒は海軍式の挨拶をするので、帰り道にはそれぞれ生徒が道案内に立ってくれていて、背筋を綺麗に伸ばし、腰を少し折って後ろ手に左手を回した独特のお辞儀をします。

「おいで頂き、ありがとうございました!」という凛とした姿には、思わず惚れ惚れ。今年は両親と叔父の母校である早稲田大学の文化祭にも、久しぶりに行きたいな。あそこは紅葉も桜も本当に綺麗で、テラスカフェもオススメです。




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マダム、ムッシュ、貧しい哀れなガンダムオタクにお恵みを……。