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「陰陽師ゼロ」、大ヒットは困難か。 


花吹雪の散り際はすっかり終わってしまった、新緑眩しい日本橋の午前中ほぼ朝イチにて、観て来ました「陰陽師ゼロ」公開初日。

う〜ん、普通に面白いし、ムビチケ一枚¥1600なら相応しい値段かな。¥1800だったら観なかった。

私は一応、二枚ムビチケ購入をしていて。もしマイヒットにツボったらこの土曜日の14:45回舞台挨拶ビューイングを、どこかしらの映画館にて観るつもりでした。



ライビュなら舞台挨拶はもう良いか〜……


この一行で察して頂ければと思うんですけど、正直そんなにガツガツ連日シートオーダーをして、土日の混雑する都内で観ようとは思わなかったです。




去年の三月末の私は「刀剣乱舞黎明」と「わたしの幸せな結婚」にて映画館をハシゴし特典やパンフレット、グッズを買い漁り、「刀剣乱舞コラボカフェin渋谷TSUTAYA」に連日入り浸っていたんですね。両作品ともにBlu-rayの予約は速攻ポチッたし、「刀剣乱舞」に至っては福岡に聖地巡礼の為に飛行機で飛びました。


「陰陽師ゼロ」は、多分この世界観や俳優メンバーに興味が無い人なら、サービスデーの鑑賞で充分足りると思いますね。私も実際は染谷将太くんのピッタリな源博雅と、「こ、この配役でなくとも良かったかな……」と微妙な山崎賢人くんの安倍晴明コンビブロマンス観たさだけに、待機していた作品だったので。




オープニングナレが、また津田健次郎!


私のnoteをずっと読んで下さっている方にはバレバレなんですが、私は「テニスの王子様」や「遊戯王」でブレイクしたての頃からの津田健次郎氏の大ファンです。幕張のジャンプフェスタやアニメイトの「Kコラボカフェwith津田健次郎」に参加して、何度となくご本人を間近に眺めて粋なトークを聞いて来ました。


津田健次郎さんは特に最近は声優業だけでなく、俳優業も多忙で一気にテレビでの顔出しも激増。先日はついに「徹子の部屋」出演を実現。その彼がちょうど一年前に、出演とナレーション参加した映画が「わたしの幸せな結婚」です。




明治&大正時代の帝都を想定したファンタジーロマンの、これまた超能力者達の戦いとラブロマンスのストーリー。平安をテーマにした「陰陽師ゼロ」とは少し時代背景がズレていますが、他の設定はかなり被っています。

「わた婚」と同じく、映画の冒頭はそれらの解説からスタート。

「またまた、ナレーションがツダケンだったら笑うな〜」

と思っていたら。

オープニングナレーション、津田健次郎……


あれっ!? なにこれなんかのネタ!? それとも「呪術廻戦」のナナミンファンを呼び寄せようとしているの!!??

公開前から、「陰陽師ゼロ」は告知映像に津田健次郎と榎木純也、緒方恵美という「呪術廻戦声優」を看板に起用していまして……。これがかなり無理あり過ぎなんですよ……。むしろ何故、今盛り上がっている「光る君へ」に寄せていかなかったんだろう〜。

Xでも「最強の呪術師って、五条悟でしょ?」とか若い人達に書かれちゃってるし(笑)そうだよね、多くのお若い世代は当然その認識ですよね〜。


Netflix「陰陽師、とこしえの夢」と比較して


そしてこれも私がnoteにて不安視してばかりいた状況なんですけど、二年前にNetflixにて中国が製作した「夢枕獏原作、陰陽師とこしえの夢」と比較しまして、VFXも3CGもキャラクター設定もストーリーも衣装も、ほぼほぼ明らかに迫力負けしております。

台詞ほぼ完コピするくらい見返してるんですが、クリエイティブなお仕事や夢を目指している人には、是非お勧め。物凄い勉強になります!




原作の安倍晴明と源博雅コンビにはゼロの方が近いんだけど、ヒロイン伊勢の巫女姫と博雅の中途半端な恋愛場面があるせいで、晴明と博雅のせっかくのバディ的見せ場が減ってしまってるんですよね。

「バディ物に、恋愛介入は絶対御法度」

という反面教師を再認識させられてしまった……。

例えば、「令和最高のアニメバディ作品」として社会現象を起こした「ゲゲゲの謎」でも、目玉の親父さんと水木の間には、奥さんと沙那お嬢さんは絶対に入り込めないんですよ。徹底した友情があるから、だからこそ二人は異人種なのに命を預けられる。

「ゲ謎」を観終わった時に「何か、何か言葉では端的に表現できないけど、壮絶な物語で、心臓を掴み出された」という衝撃があって。それが一晩、二晩でネットや口コミを介して拡散されていき、一週間後には革命的な入場者数を突破。

あの時の熱い興奮や感動や、悲しみや切なさみたいなものが、「陰陽師ゼロ」にはなかった。



衣装もNetflix版の足元にも及ばなかったし、そもそも最初からこのベテラン俳優陣の並びを見れば、大体「北村一輝と、小林薫、安藤政信、村上虹郎は悪役だろうな」ってわかるじゃないですか!?(笑)

ちなみに、「仮面ライダーW」の桐山漣くんも、チョイ意地悪な役で出てました……。帝役は板垣李仁人くんだし、特撮勢多いですね。


この映画は、ダブル主役の安倍晴明と源博雅の「シャーロック&ジョン・ワトソンの冒険(byBBC英国放送版)」なので、ここからいくらでも続編やスピンオフができるはずなんですけど、このストーリーを映画化するんなら、むしろ違う原作話のいずれかで違う二人を見たかったな〜。

「楽神の祝福を受けて生まれた天皇孫、源博雅」がその笛の音でのみで悪人を改心させたり鬼と共演したり、二人のもっと面白いエピソードが原作には山盛りであるんですよ〜。


原作を全巻大人買いして帰宅!



今日も読むのが楽しみ!!


映画がイマイチで「明日は舞台挨拶ライビュを観に行くより、家で原作を読み漁る方が、絶対に楽しいな!!」と思ったので。久しぶりに商業誌で¥15000の買い物をしてしまいました。

日本橋三越銀座線改札のすぐ近くに大きな本屋があって、そこでたまに本を買っていたんですけど、ビジュアルブックと文庫本を大量にカウンターへ持って行ったら、一瞬売り子さんの顔が引き攣ってました(笑)カバーは断りました。わざわざ、紙袋を二重にしてくれてありがとう。



¥2200なので迷ったけど、衣装の資料が欲しくて……


タイミングが悪過ぎる公開時期。


とにかくこの映画は「コナン」の最新作と公開時期が被るは、せっかく19日の24時にタグで盛り上がろうとしたのに、「トランスフォーマーONE」の製作発表でトレンドが塗りたくられちゃうわ。



おまけに公開日当日は、「ユーリオンアイス」の映画公開中止と、塚原あゆ子監督&野木亜紀子脚本のゴールデンコンビが描き出す期待の新作「ラストマイル」に、「MIU404」チームも参加するという、夢のような情報がトレンドを圧巻しました。

「MIU404」のプロレベルに上手い絵師さんのカラーイラストや漫画で、エンタメジャンルのタイムラインはほぼ塗りつぶされていて、レッツパーリィ状態!! 私も小躍りして喜んでました。


↑夜21時からは「黒鉄の魚影」地上波初放送で、全部塗りたくられたトレンド。



まあ、そういう最悪な公開初日のタイミングになってしまいまして。もしかしたらこの作品の存在自体知らない人、結構多いんじゃないかな〜。映画館に若い女の子達がそこそこ来てるなと思ったらそちらは、「ブルーロック」目当てなんですよ!!


主人公配役の微妙な感覚。


私が個人的に「どうなんだろ」と感じたのは、晴明のキャスティングが特に山崎賢人くんでなくとも良かったことかな。「ゴールデンカムイ」で杉元佐一としての彼を観たばかりだし。

博雅が染谷翔太くんなのは今回のストーリー展開的に絶対条件なんですけど(前世、ブッダだし空海なので!)

「女性のように妖艶で美しくかつ。しなやか。白櫃の肌を保つ絶世の美丈夫」である晴明を演じるのは、難しかったんじゃないかと思います。私的にお若い晴明のイメージは、SnowManのラウールさんかなあ。


なんせいまだに「安倍晴明→野村萬斎」の圧倒的なレジェンドが確立されておりますので……。あの凄まじいオーラに数年後成長する人でないとなかなか……。

ただ、晴明を超人的にではなくて「いち学生」として描いたこの作品には、背が高くてちょっと色黒な青年が良かったんかしら……。博雅の方が唇も赤いし肌真っ白だよ……。染谷翔太くん、馬の扱いがメチャクチャ上手かったです。二頭を連れて並走させるの大変なのに。


リポストのあまりの少なさ!!


一番危機感を抱いたのは、Xリポスト数が全く!! 全然少ない!! 公開前夜のタグ祭りも、「祭り」になっていないし。早速公式が「流行のキャラクターフレグランス」とか予告してるんですけど、たった370ちょいくらい。

「ガンダムSEED freedom」の香水が、アスランだけ瞬間予約完売した状況と比較すると、実に苦しそう。



私は、原作ファンとして買うんならばもっと二人に相応しい「CHANEL EGOIST platina」(晴明)とか、「ロクシタン、バーボディンコンプリート」(博雅)にします。そもそもいつも、国内のこういうオーデコロンは値段の割に長く匂わない。



さて、現地でも舞台挨拶が終わったようです。今からどんどん配信映像が流れるはずだし、今朝の「王様のブランチ」に山崎くんと染谷くんが出たので、晩御飯を食べながらでも観ます。

ビジュアルブックも一度読んだら充分な内容なんだけど、山崎賢人くんが「晴明から見た、博雅」について語っていたコメントは、とっても嬉しかったです。


「二人は初対面では対立してみえますけど、僕は、実は晴明は最初から博雅のことを好きだったんじゃないかなと、と思いました。博雅の立場や身分には興味もないし、上から目線の態度には『嫌いだ』とストレートに言う。でも『めっちゃいいやつそうだな………』と直感的に分かっていたと思うんです(笑)博雅への人間性へのリスペクトがあるんですよね。晴明は博雅と一緒に行動していく中で、彼に自分の凝り固まった頭をほどいてもらった感じがする」

「陰陽師ゼロ」ビジュアルブックにて。


晴明と博雅の会話とかコンビネーションは、本当に良かったんですよ〜!!!



身長差は、まさに理想。
とにかく、染谷将太くんの源博雅は完璧でございました。

「俺は、色んなときに笛を吹くのだ。うれしいときも、悲しいときも、不安なときも。そうすると、心が落ち着いて、色んなことがどうでも良くなってくるのだ。そうすると、全部が大丈夫になるんだ」

「陰陽師ゼロ」本編とノベライズより。





BUMP OF CHICKENの「邂逅」も、私的にはイマイチ壮大な音楽には思えず。ど〜しても「なないろ」の朝ドラ「おかえり、モネ」のイメージが定着してしまって。

そんなわけで、私の中では「Blu-rayは買わなくて良いや。Amazonの有料配信を買う」という「陰陽師ゼロ」でした。続編がもし作られたらまた、初日に観に行きます。







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