花火

初めまして。 自分が考えていることを発信していきたいです。 社会人1年目

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最近の記事

1週間後にフラれる女【日記】

彼氏にフラれそうです。 昔好きだった人に再会したことをきっかけに、私のことが好きなのかわからなくなったって。その子とどうにかなりたいわけじゃないけれど、考える時間が欲しいと。1週間。私知っている。距離を置こう、と言われる場合、ほとんどがお別れを意味すること。 好きだったから悲しいけれど、なんだか彼だけが主導権を握っていることに悔しい気持ちもあって。この出来事をテキトーーな日記にしてnoteに載せてやることが、ちっちゃな復讐のように思えた。 好きかわからないという実質的にお

    • カフェでのお隣2人組【日記】

      カフェに行ったら隣の2人組が"世界平和セミナー"の話をしていた。 マルチみたいに片方がもう片方を勧誘しているのではなく「世界平和!」「セミナー!」「サミット!」などと書かれた禍々しい配色のポスターを持ち、お互いを謎のあだ名で呼び合い、色で表すと黒という感じの笑い声を立てながら歓談していた。そのポスター、タイトルの時点で日本語の文法が破綻していたので少し笑ってしまった。 先輩後輩のよくあるような空気感で話していたのだけど、内容はちょっとずつズレていて、安部公房の短編小説やチョ

      • 小学6年生だった頃の君の幻影を見ている

        私たち兄弟にはお盆とお正月にだけ会える少し年上の従兄弟がいて、彼は長い間私たちの一歩前をゆく憧れのお兄ちゃんとして君臨していた。彼はいつも私たちに新しい世界を教えてくれた。ギャグ漫画もDSも面白いテレビ番組も、全部君が教えてくれた。 でも、今の彼は私たちの思い出のなかの彼とは少し違う。なんというか、社会のなかで色々なものを見て、大人になった。 そんなこと言ったら私だって弟だって等しく成長して、そして少しズルくなったりもしているけど、でもあまりに彼が私たちの憧れだったから、その

        • 12月31日の終末感に耐える【日記】

          12月31日の終末感に耐える 今年も紅白歌合戦のフィナーレを迎える頃に 私は物悲しさと闘っていた。こうやって刻一刻と時間が過ぎていき、ひとつひとつ終わっていく。全てのことには終わりがあり、生きているだけでベルトコンベア式にその日に近づいていく。そんなことを突きつけられる12月31日・・・年末って煌びやかさの裏にどうしようもない寂しさを感じてしまうんだよね。明るい気持ちで来る年を迎えるというのはどうも自分には向いてない。出演者たちがたくさんの紙吹雪を浴びながら「良いお年を〜」

        1週間後にフラれる女【日記】

          MATERNITY-YELLOW【短編小説】

          ゆうちゃん ゆうちゃんはね、あたしをサンタクロースにしてくれた。 先生にしてくれた。 神様にしてくれた。 1才3ヶ月のとき、ゆうちゃん、あたしのこと"ママ"って呼んだよね。それなのにすぐ"おかあさん"に直して御免なさい。あたしね、少女のときから、自分の子におかあさんって呼ばれるの夢見てたのよ。許してね。 今日はね、ゆうちゃんにひとつ言わなくちゃいけないことがある。 ゆうちゃんが小学校にあがったとき、だから2年前ね、ゆうちゃんのお父さんは、ゆうちゃんが生まれるまえに交通事

          MATERNITY-YELLOW【短編小説】

          お姉ちゃんは汽車に乗った【短編小説】

          お姉ちゃんが使ったあとの脱衣所は桃の香りがする。 扉を開けた瞬間、薄桃色の空気がくすぶり出してくるのが見えるみたいだ。 僕はいけないことをしているみたいな気持ちになったから、急いで歯ブラシを取って扉を閉めた。 僕は16でお姉ちゃんは25。 お姉ちゃんは、もうすぐ結婚する。 お姉ちゃんはいつも優しかった。僕からしたら、まるでお母さんが2人いるみたいだったんだ。 お姉ちゃんが婚約相手を家に連れてきたとき、お姉ちゃんは、僕の知らない顔で婚約相手を見上げていた。その瞬間に、僕と

          お姉ちゃんは汽車に乗った【短編小説】

          思春期を軽やかに語る

          髪を切りに美容室に行った。20cmくらいカットしたら鏡に映る自分が別人みたいで驚いた。シャンプー台に移るとき、床に落ちた自分の髪の毛を踏まなければならなかった。平気なふりしていたけど、ほんの少し前まで私を構成していたものなのだから、踏むなんて心が痛んだ。わざわざ美容師さんの前でそんなこと言っていられないのは21年生きてきて理解しているから、私の中の社会性が、笑顔で少し前まで自分の一部だった物質を踏みつぶしながら、シャンプー台まで案内されてくれた。 その美容院ではシャンプーの

          思春期を軽やかに語る

          私が運転免許を取りたくなかったのは

          私が運転免許を取りたくなかったのは、本当はね、運転が怖いからじゃないの。大人になりたくないからなの。 どういうこと?って思うでしょ?でも聞いて。私にとって運転はいつもパパかママがするもので、私と弟は後ろの席に座ってる。車内にはQueenの「Jewels」ってアルバムが流れていて、乗り物酔いをしやすい私のために、高速道路に乗る前はコンビニでハイチュウを買ってもらうの。それが私の、車の中の記憶。 だから自分が運転席に座るなんて嫌。ずっとずっと後ろの席で、エンジン音にかき消されて

          私が運転免許を取りたくなかったのは

          スーパーマーケット

          朝のスーパーが好き。 牛乳、オレンジ、キッチンペーパー、キャベツ、納豆 お客さんがレジに持ってくる商品が、いつもより”健全”なものに見える。 生ゴミの匂いさえ、退屈を彩るスパイスのよう。 だから、朝のスーパーが好き。

          スーパーマーケット

          君と一緒に見た桜がもう一度咲くころ

          初めて人を好きになった。17歳。子供の恋愛って言われるかな。でも、あれを超える恋愛はもうできないと思う。それはまるで、閃光だった。 いつも会いたかった。いつも触れていたかった。嬉しいことがあると、綺麗なものを見ると、真っ先に伝えたくなった。 だけどずっと不安だった。いつも会いたかったのは、会わないとどこかに行ってしまいそうだったからかもしれない。ふとした瞬間に、もう好きじゃないって笑顔で言われそうで怖かった。だから好き同士なのに泣いたりした。あの頃の私は、失恋ソングばかり

          君と一緒に見た桜がもう一度咲くころ