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学校改革のための手引き

こんにちは!タノ🦒です。
最近、活動場所が広がってきました。
折角のご機会をしっかり生かしたいと思います。

▼実績を参照
(サイトをもう少し親しみやすくしたい)




はじめに

今回のテーマは【学校改革のための手引き】です。

この2年半で、学校改革のための話が進み、
『誰1人取り残さない教育』という言葉が
学校外でも共通認識になってきた気がします。

肌感覚では日本の5%にいくかどうかですが、
教育ニュースのコメント欄などに書かれている言葉も変わってきました。

昔は
『子ども・先生・親・行政を単純にバッシング』
するコメントだったのが、
仕組みがおかしい、制度を変えないと
という本質的な意見が増えてきました。

そして最近は、文科省が提言も出しました。

これは偶然や自然の産物ではなく、
この前提となる中教審の話し合いが元にあります。

給特法に言及する妹尾先生や、
先生の幸せ研究所の澤田さんなど、
中教審で話し合ってきました。

そのような現場と繋がりながら活動する方々が、
声を届けてくださったことの結実だと思います。

そして、色々な教育イベントに行くと、
話されるゴールは基本的に同じです。


『多様な価値観をもつ中で、対話し、本質を問い直して、みんなで変えていく』
ということです。

最上位目標はみんな同じ。これしかない。
そして、次のフェーズに入り始めたと思います。

それは【実行】のフェーズです。

目標は分かる。でも方法は?行き方は?

対話には時間がかかります。
それは迷いながら進んでいく混沌の道です。
問い直し、自分たちで答えを見つけに行きます。

でも、道を進めば、地力がつきます。
そして気がつけば周りも変わっています。
今までよりも安心できて、力のある学校になる。

そんな学校にするために、
この2年半学んできたことを整理してお伝えします。

1.改革の構造

(1)学校の縦の構造

学校の構造を見てみましょう。

学校を取り巻く教育地図

横のつながりももちろんありますが、
学校を取り巻く全体像が見えてきます。

中央を見てみると
学校という組織の「縦の構造」が見えてきます。
学校の上部に委員会や国があります。

「当たり前じゃん!」と思いますが、
国や自治体が管理しない学校はたくさんあります。

私学やオルタナティブもそうですし、
海外だと各学校が予算等の決裁権を持っています。
学校が1つの組織のようになっているということです。

一方の日本の学校は「縦の構造」に見えます。

しかし、この構造は、
学校特有の構造ではありません。
組織であれば、日本従来の組織は当てはまります。

上司がいる、親会社がいる、上の部署がある。
業務効率化を進めるために縦割にすることで、
逆に「セクショナリズム=分断」が生まれる。

協力が失われ、対立に陥り、
忖度や根回しが必要になって
本質から離れていきます。

組織だけでなく、国や自治体だってそうです。
中枢の一部の人が決める」ように見受けられます。

でも、これは特別なことではありません。
どこでも起こる現象です。

上手くいく組織は、
・アイデアはボトムアップで声が上がる
・決定はトップダウンや権限委譲で速い
・最上位目標が全員で共通している
となります。

しかし、そうなっていないことがあります。
実際は、
・現場から声が上がらない
・誰が決めるか分からず遅い
・目標が何なのか分かっていない
となります。

それでは変化するはずがありません。
そこには「縦の構造」だけではなく、
もう1つ、日本人的な課題があります。


(2)伝統と不安(過去と未来)

そう思った時「縦の構造」はいくらでもあります。
その構造の中で「変えよう」と声を上げるとどうなるか?

「前例がない」「何かあったらどうする」
という声が返ってきます。

これはシンプルに表すと「伝統」と「不安」です。

「今」ではなく
「過去」見て忖度し、
「未来」に不安を抱えて
進めない。

改革の時の壁は「過去」と「未来」の二つの壁です。

これも学校に限りません。
ですが、学校で特に見られる現象でもあります。

それが「伝統」です。
学校は地域と共にありますし、
学校自体は移転することが少なくあり続けます。

すると「過去」が蓄積していきます。
関わる人も多く、しがらみも生まれるでしょう。

そのため、
一般の会社と比べて「変化」しづらい。

特に「子どものため」と言われると、
「変化」することが難しく感じます。

「だったら頑張ろう」と頑張り続けます。
そして疲弊しているのが今の学校です。

疲弊する学校と教師


(3)組織改革の構造

とはいえ、じゃあ変わらないのか?

そういうわけではありません。

そう言える理由はいくつかあります。

その理由とは、
①基本的な改革の構造は一般組織と同じ
②実は多くの権限が学校や校長にはある
③変革の流れや知見が蓄積してきている


この3つです。

そのため、
・企業改革のメソッドを学校に合わせて導入
・学校でできることを整理
・他の実践を参考に「やってみる」

この3つを繰り返していくことで、変化が生まれます。


組織改革のやり方は企業と同じなので、
改革のつまづきポイント」も分かりやすい。
・目標やマインドセットをせずに始める
・強引に進めて対立を生む
・他の実践を形だけ真似る
あたりです。

改革の基本

「土台」も「方針」も決まっていない中で、
いきなり「改革だぁ!」と言ってもなかなか難しいです。

その場合、
縦の力と、過去の伝統と、未来への不安の3つを戦うことになります。
では、どうすればいいのか?


(4)組織改革の基本と流れ

組織改革の基本は、
①最上位目標を定め、やりたいことを明確にする
②プロジェクトにして小さく実践し徐々に大きくする
③時間や予算を確保してプロジェクトを推進する

の3つが基本です。


冒険に出かけるのとと同じです。

いきなりの冒険は怖い


まずはゴールを決めて「目的」を定める。
途中で「こんなことをやりたい」と決める。

ただ、最初は冒険に行くのが怖い人もいる。
だからまずは小さい実践を積んで「成功体験」を重ねる

ちょっとずつ複数のプロジェクトが進むように、
「時間」と「予算」を確保するプロジェクトを行う。

少しずつプロジェクト参加者が増え、
「成功例」が蓄積していきます。

そこまですれば「プロジェクト」は「土台」になります。

改革の基本

この「緑色のプロジェクト部分」を単発で行い、
成功したら下の「青色の土台」にしていくイメージです。
すると組織が強くなっていきます。

プロジェクトなので、失敗してもいい。
トライ&エラーをしながら実施していきます。

すると、次第に、
「今後もこうしよう!」という声も上がります。

この「今後もこうしよう」までいくと、
それが文化となり、根付いていきます。

前日した通り、そのためには「時間」が必要です。
特に「推進リーダー」には負荷がかかります。
「最上位目標」の次には「時間づくり」が必須となります。

土台ができると「リーダー」も楽になります。
仕事を振ることもできるようになります。

(5)一人でやらないで

先生は真面目です。
多くの日本人は真面目と言われます。
そして子どものためになら頑張れてしまいます。

一人では限界があります。

そして、学校だけでも限界があります。

「過去の伝統への未練」と「未来への不安」から
解き放たれた時には、
学校だけではなく、みんなでやる」が
できるようになるかと思います。

これは「先生の業務を増やす」ではなく、
学校がハブになって、
①業務を減らす
②効率化する
③外注する

の3つを行っていきます。

学校の業務は1人が抱えられないレベルを、
みんなが残業しながら抱えている状態です。

まず、できる限り「減らす」。
それって本当に必要?」と問い直して、
なくしていきます。
※この言葉はプロジェクトには使わないように!


その中で、
これは絶対に必要」というものが残ります。

事務的に「やらねばならぬ」というものは、
システム化などして効率化して圧縮
する。


そして最後に、「絶対に必要」なこと。
それを
①「先生じゃなくてもいい」
②「学校じゃなくてもいい」
というレイヤーで分けていき、
「手放して第三者に託す」ことを進めていく。

もちろん人と予算が必要です。

ですので、ステージがあります。


⓪絶対必要なことを洗い出す
①自分だけでできること
②プロジェクト単位でできること
③学校だけでできること
④第三者に託すこと

をステージ/レイヤーごとに切り分けていく。


おそらく新しい仕組みが何個も生まれると思います。そうなった時が、学校が、社会が、国が変わる瞬間だと思います。

「どうなるか分からなくて不安な未来」ではなく、
どうなるか分からないワクワクする未来」になります。

2.終わりに

(1)目指す未来

私は一度学校を退職しました。
目指す未来は、
【みんなが安心し協力し合う学校で】
【本当に力の伸びる教育を行い】
【ふざけ合いながら成長していく】

そんな日常を目指したいです。

そんな未来のためには、
もう一二段階足りないものがあります。

1つは時間と拠点かと思います。

余計なことを考えずに、
そんな理想に全部を注げるようにしたいです。

今は長ーく続く準備期間。
実践を続けながらも、
まだトレーニングを続けています。

もうしばらくすると、
今までの成果が一度出揃います。

そこまでいったら、
ルーティーンを作りたいと思います。
今は、まず目の前のことを頑張ります!

(2)参考書籍

色々な本や体験をベースに描いています。
特に組織改革は以下の本に影響を受けています。


https://amzn.asia/d/5rRwXj7



それでは、より良い改革を!
タノ🦒でした!またね!


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