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記事一覧
薬の出荷調整続く。。
変わらず薬の出荷調整が続いている。
以下が2021年10月の記事。
その後も薬が出荷調整されることが続いている。
クロルプロマジンも出荷調整が続いており、現在も服用している人はなくなってしまったときに備え順次減量をしている。
クロルプロマジンのような薬を服用している人のほとんどは、長期間服用しており、この薬で安定している人が多い。
しかしクロルプロマジンのような薬価の安い薬(600㎎で1日
ルラシドン(ラツーダ)
最近 統合失調症や双極性障害の治療にルラシドン(ラツーダ)を使うことが増えている。
分類的にはリスペリドンと同じくSDA(セロトニン・ドーパミン受容体遮断薬)とされているものの、使った印象はオランザピンに似た感じがある。
詳しい薬理作用は 以下などを参照。
ラツーダ(ルラシドン)の効果と副作用 こころみ医学
最近はすっかり薬理的な作用に興味がわかなくなっている。
どんな作用があろうが効い
MCI(軽度認知障害)は治療すべきか、しないでいるほうが良いか
MCI(軽度認知障害)は治療すべきか、治療しないべきかMCI(Mild cognitive impairment)は認知機能が低下しているものの、認知症レベルにはなってはいない人たちにつけられる病名である。
以下で紹介するデータは講座精神疾患の臨床5神経認知障害群からのものである(いわゆる孫引き)。
MCIは65歳以上の15.8%、80歳以上の28.6%に極めて高頻度に見られる(Peters
多剤併用・大量投与の改善の努力をするということ
向精神病薬の多剤併用・大量投与は、諸外国と比較しても日本では多く、以前より大きな問題となっている。
多剤併用・大量投与の定義はあまり明確ではない。
3種類以上あるいは2種類でCP換算量で1000mg以上の抗精神病薬
3種類以上の抗うつ薬
2種類以上の抗不安薬
2種類以上の睡眠薬
の場合はそれぞれ多剤併用・大量投与であると言っても問題ないと思われる。
抗精神病薬・抗うつ薬は2種類を両方とも十分
アルコール依存症の治療 後編
アルコール依存症の治療 前編、中編の続き。
8.薬物治療アルコール依存症の人は、ドパミン神経系、セロトニン神経系、GABA神経系とグルタミン酸神経系の異常が指摘されている。
これらの異常を薬物治療によって改善させることを目指す。
1)抗酒薬
抗酒薬は酒を飲みたいという気持ちを減らしたり飲めない体にする薬である。
セリンクロ(ナルメフェン)
レグテクト(アカンプロサート)
シアナマイド(シ
寛解した後 減薬した方が長期予後が良くなる
統合失調症の人が寛解したあとに薬の量はどの程度続けるのが良いかは色々な意見がある。
急性期の量を続けると、
・再発・再燃のリスクを減らす
・副作用が出やすい
一方 減量すると、
・再発・再燃のリスクが上がるかもしれない
・副作用は少なくなるかもしれない
・どの程度減量するのがベストか分からない
現時点では明確な基準はなく、医師がそれぞれの判断と責任で処方をすることになる。
再発予防を最優先
多剤併用・大量投与を改善するときの医師の不安
多剤併用・大量投与の改善について考える時にいつも思い出す人がいる。
統合失調症の中年男性。
長期間入院し大量の抗精神病薬を服用していた。
ハロペリドール50mg、リスペリドン12mg 他、CP換算値は4000mgを超えていた。
いつもカーテンを閉めてベット脇に座って一日を過ごし、他人と交流はなく、話しかけても「別に・・」と答えるのみでほとんど動きのない人であった。
非常にゆっくりと時間を
抗うつ薬の併用はしない。しかし例外はある。
私は基本的に抗うつ薬を併用(=2種類以上使用)をしない。
併用することで、うつ病に対する効果が高まり、難治性のうつ病が改善する可能性がある。
しかし併用することの弊害は大きい。
併用することの弊害1)副作用が増える
薬は量が増えれば増えるほど、種類が増えれば増えるほど副作用が多くなっていく。
一つ一つの副作用は許容できる範囲だったとしても、2種類、3種類と増えるうちに、許容範囲を超えてい
スマホのアプリによる不眠症治療”補助”
以下の記事で、スマホのアプリによる精神療法の方が、普通の精神科医がする精神療法より効果的になる、ということを書いた。
早くも不眠症の治療”補助”にスマホのアプリが正式に認められそうである。
特に不眠はスマートウォッチと連動させれば、実際の睡眠状態と日中の生活状況が確認できるため、非常に適切な指導・助言ができる。
一睡もしてないと思っていても、夜に腕がずっと動いていなければ寝ている。
昼寝はし
優しく能力のない医師
害を与える医師Q1.患者にとって いいと思われる順番に並べてください
1.優しく能力のある医師
2.優しく能力のない医師
3.冷たく能力のある医師
4.冷たく能力のない医師
「1 3 2 4」と答える人が多いと思う。
優しく能力がある医師が当然ながら一番いいだろうし、冷たいだけど能力のある医師は「腕はいいんだけどね~まあ仕方ないか」と思いながら治療を受けることになる。
人によっては 「1
多剤併用・大量投与の人が減量ができるための条件
多剤併用・大量投与の減量は本人や家族にとっても少しずつ気長に取り組むべき課題である。
しかし当然ながら多剤併用・大量投与の人全てが減量できる訳ではない。
安全に減量する「どんな状態になろうが、どんな結果になろうが減ったら良い」というのであれば話は別であるものの、安全に再発させずに減量するということは極めて重要な点である。
多剤併用・大量投与の減量が可能なのは、減量することでメリットが得られる
過感受性精神病という概念
過感受性精神病という概念がある。
統合失調症の人に抗精神病薬を過剰に多く使用し続けるとドーパミン受容体が増えてしまい、
・高用量の抗精神病薬が必要となる
・抗精神病薬を少しでも減らしたり、飲み忘れたりしたときに再発・再燃しやすく、治るまでに時間がかかる
・遅発性ジスキネジアなどの副作用がでる
などの 過感受性精神病になってしまうという仮説がある。
「抗精神病薬を過剰に多く使用し続けると
2週間後に効果が無いときにどうするか
先日 統合失調症治療ガイドラインについて解説した。その補足である。
2週間後に効果がないときにどうするか統合失調症の人に治療を始めた後、順調に少しずつでも改善すれば良い。しかしなかなか治療効果がないときもある。
ガイドラインでは2-4週間で効果判定をすることが推奨されている。しかし実際に効果がない・不十分と判断したときに、どうしたら良いかは難しい。
効果判定については色々なデータが出ている。
多剤併用・大量使用が続いてしまう要因
抗精神病薬の多剤併用・大量使用は大きな問題である。
特に日本では多剤併用・大量使用が多いと言われている。
これには様々な要因がある。
医師側の要因1)医師の裁量権が強すぎる
かなりひどい処方でも認められ、保険も切られない。
この裁量権は制限の多い医療制度のなかで、適切な医療を行うためにある程度は必要なものであるものの、不適切な医療が許容されるという問題も抱えている。
2)「上手い」多剤