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書評

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「星か獣になる季節」(最果タヒ)  感想

「星か獣になる季節」(最果タヒ)  感想

「ぼく」の視点で描かれる、青春の夏。殺人の容疑をかけられたアイドルを救うため、信じがたい行動に出る森下を、じっと近くで眺めている。明らかに異常な彼らの夏に、何故か共感できてしまうのは、丁寧な筆致は勿論のこと、そこに描かれる青春の姿が、現実のそれをあまりに美しく切り取っているからに他ならない。

誰もが正しさと誤りを持ち、時にそれは両立する。誰かが悪になれば、その行いは全て悪行と解釈されるし、どんな

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「青少年のための小説入門」感想───物語の力

「青少年のための小説入門」感想───物語の力

 この小説のストーリーを一言で言い表すならば、「才がもう一つの才に着火し、やがて自身は燃え尽きる」話だ。ディスレクシアという病気によって読み書きができない、けれど卓越した記憶力と発想力を持つ田口と、平凡な学生入江が出会うことから、物語は始まる。

 読み書きができない田口は、作家を志していた。だが、彼は小説を読むことができない。文字を読もうとすると、それがどうしても「鼻くそ」のように見えてしまうの

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