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【 つみき 】

つみきを積み上げて
動物やお城を組み立てていく
そんな遊びもあの人とすれば
どんな形だって楽しめる気がする。

ある日、私が恋するあの人を
否定してしまったことがあって
罪悪感でいっぱいだった私に言った。
「ひとつひとつ、
つみきを積み上げていくようだね。」

2人の未来をつみきで作っていく過程で
今までは
どんなつみきを持っているか
どんな形をつくりたいか
どんなペースで積んでいくか
という相手のつみきを理解し合っていたけれど
今回は
2人でつみきを積んでみて
こっちのパーツのにしよう!
そこにそれ積むのはやくない?
と相談している感じだといいました。

否定したこと拒否したことに対して
そんな言い方をされるとは
思ってもみなくて、
感銘を受けました。

自分の考え、経験、知識、性格
をつみきにして、一緒に組み立てていると
あの人のつみきは
とても綺麗だと気が付きました。
真っ直ぐな正方形や長方形で
少し重厚感があるけれど
木製の温かみがあって
角も綺麗だから少しこわそうだけれど
当たっても痛くはなくって
みんなが好きだろうなぁという形でした。

それに比べて私のつみきは
形も性質もぜんぶぐちゃぐちゃで
軽過ぎたり重過ぎたり
一定の重量ではないし
取り扱ってみようとする人はいたけれど
種類がおおすぎてお手上げ状態です。

そんな私のつみきでさえ、
「遊びの幅が広がって、面白い。」
と言ってくれました。

私の考えでは思いつかなかった方法を
いとも簡単にサラっと提案してくれる、
そんな風にして何度も救ってきたから
あの人ももう私の不安要素はわかっていました。

「いまは暗い色が多くて
不安かもしれないけれど
たくさんのつみきをあつめれば
きっと、いいアクセントになるはずだよ。」

「僕のつみきと合わせれば
いいグラデーションになると思うよ。」

ほら、また
そうやって無自覚に
わたしを救ってゆく。

今日も、わたしはあなたと、
積んでは崩して積んでは崩してを繰り返す。

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