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【結局、子どもたちの成長に役立つ人でありたい】社員教育から見えた僕の話



 まもなく4月。花粉症の季節ですが…皆さんはいかがでしょうか?卒業や新年度など、新しい節目の季節でもありますね。新卒の方だと4月から勤められて、新人研修などを受けたりするのだと思います。


 不慣れなことばかりかもしれませんが、ぜひ楽しんでほしいなと思います。


 社員教育、人材(人財)育成の重要性はよく語られますね。多くの会社で取り組まれていると思いますが、当然会社によって考え方はさまざまです。新入社員のときに一日で終わるマナー研修を受けただけで、他に研修らしい研修を受けたことがない方もいるでしょうし、長期的な研修プログラムを定期的に受けて来られた方もいるでしょう。職場によって全く異なります。


 どれが良い、悪い、という話ではなく、そういった研修の実施の有無などは、やはり経営者の考え方や価値観が、表れやすいようにも思います。


 僕の会社では、3年ほど継続して幹部社員の研修を実施してきました。僕個人は、昔から心理学や脳科学、コーチングなどの分野に興味があって、随分前ですが、今もお世話になっているコンサルタントの方から学びました。その方はコーチングを学ぶためにアメリカまで渡った方で、初めて受けたときから、レベルの高さを感じていました。


 時を経てまたご縁ができ、「昔と今はまったく違うから」と聞いて、僕自身もう一度学んだところ非常に良い内容だったので、社内研修も含め多方面で関わっていただいています。


 心理学は学問になってから100年ちょっとしか経っていないそうですが、最初に学んだ当時は心理学がメインでした。しかしここ十数年で脳科学がかなり発展したようです。


 ちょっと専門的な話になりますが…
 たとえば、怒っているときに分泌される神経伝達物質は「ノルアドレナリン」です。このように、特定の感情が沸いているときにどんな神経伝達物質が分泌されているかなどが、科学的にも解明されてきています。


 先ほどの「ノルアドレナリン」などの情報をコントロールし、精神を安定させる働きを持つのが「セロトニン」です。ということは、この「セロトニン」が一番分泌する状態を意識的につくることで「ノルアドレナリン」を抑制することができるので、結果的に怒りの状態が落ち着いていく、ということです。


 このように、「怒る」のような感情を、心理学だけでなく脳科学という分野からも理解することによって、心理学だけでは取り扱いにくかった人材育成、コーチングの分野で、よりアプローチがしやすくなったようです。


 脳科学のように、生物としての人間の特徴も知識として持っていて、従来の心理学などと掛け合わせて多角的に理解された上で、「こうしなさい、ああしなさい」ではなく本当に相手のためになるようなトレーニングや研修ができる人というのは、多くはないんじゃないかと感じています。


 僕はこういった知識も含めコーチ側の勉強もしたのですが…当たり前ですが、一日や二日でできるものではないと思いました(笑)。「聴く」こと一つとっても、頭に入れたスキルだけでは実践で上手くいきませんし、コミュニケーション能力に左右される部分もあって、一筋縄ではいかないなあ…と(笑)。


 社員教育をお願いしたとき、「半年は効果が見えないから、それだけは理解しておいてください」と言われ、「そりゃそうだよなあ」と思いました。実際、社員を見ていても特段変わったと感じることは最初はありませんでしたし、税理士さんにも「これは効果があるものですか?」と聞かれたりしました。(税理士さんが悪いわけではないですよ、そういうお仕事ですし言いたくなる気持ちは理解できます(笑))。


 税理士さんが突っ込みたくなるように、社員研修などは実に効果が見えにくいものですし、「意味あるの?」と思われることも少なくないと思います。研修を始めて半年が経った頃、「自分自身に変化を感じるかどうか」社員に聞いてみましたが、「正直、わかりません」と本人も実感を持っていませんでした。


 しかし一年くらい経った頃、僕は彼らの行動や言動を見ていて、「変わってきたな」と少しずつ実感し始めました。本人たちには聞いていないので実感があるかはわかりませんが(笑)、その変化はとても嬉しいものですし、改めて人の成長というのは時間がかかるものだと思いました。


 社員の状態がより良くなってくれて、ゆくゆくは会社の業績に繋げたいと、企業としては当然考えるわけで、どうしても結果を急ぎたくなります。でもやはり教育…つまり、「人が変わる、人が成長すること」となると、ある程度の時間を要しますし、待つ姿勢も必要ですね。


 これは良い意味で、大人も子どもも同じですね(笑)。


 これからは社員の教育にしっかり取り組んでいる会社が選ばれ、伸びていく、なんてことも言われています。それは確かにそうかもしれないと思いますが、僕はそれ以前に、「人は潜在的に誰かの役に立ちたい」と思っていて、それを叶えていけるよう、成長していけたらいいと思っているんですよね。


 「人の役に立ちたい」という気持ちがなぜ潜在的にあることがわかるのか?それは子どもを見ればわかります。


 子どもは、よくお手伝いをしたがりますよね。お母さんが台所で料理をしていると、一緒に包丁で野菜を切りたがったりします。子どもであっても「人の役に立ちたい」と思うから、「お手伝いしたい!」と言うわけです。


 僕は昔から、「入ってきてくれる社員たちを、人として成長させてあげたい」と思っていて、会社をやっている目的の一つなんです。僕はたまたま運送会社ですが、縁あって来てくれた人たちが、より良い人生を送れるように何かしてあげたい。


 そういった考えもあって、社員研修にも取り組んできたのですが、先日、この話を人にしていたら、「外部の講師に丸投げじゃなくて、昔から好きとはいえご自身でも学ばれて、それで社員さんに喜んでもらいたいって、大前提、人が好きじゃないとできないですよね」と言われて、「そうかもしれない」と思いました(笑)。


 何かで上手くいっていない人から相談を受けたときに、自分の経験や考え方などを自分なりに話しをして、後で、「上手くいくようになりました」と聞かせてもらえることは、僕にとって喜びなんだという自覚があります。それは大人同士でも嬉しいですが、昔少年野球で見ていた子にアドバイスをして、あとから「上手くいった」と報告してくれたりすると、「多少なりともこの子の役に立てたのかな」と思えて、本当に嬉しいものでした。


 「人が好き」というより、「人は厄介だけど面白い」と思っているほうが表現としては近いかもしれません。


 以前にも書きましたが、僕が特に好きなのは子どもで、子どもの成長の役に立ちたいとも思っています。僕の子どもは全員成人していますので、生活の中で子育てに直接関わることはありませんが、会社には子育て世代の社員もいます。社員一人一人の成長ももちろん嬉しいですが、子どもはどうしたって親の背中を見て育つものですから、社員がより良い方向へ成長できるのなら、間接的に子どもの成長にも関われているのかなと僕自身は解釈していて、本当にそうなったら良いなと思っています。


 いろいろな考え方があると思いますが、僕は一経営者として会社の業績という意味での成長も期待していますが、ただなんとなく世間の風潮として社員研修をやっているわけではなく、結局、「人の成長に役立ちたい」、もっと言及すると、「子どもたちの成長に役立つ人でありたい」というのが、僕の根本の想いなんですよね。


 今日は珍しく、ちょっと語ってみました(笑)。


 新入社員の皆さんも、長年お勤めの方も、お一人お一人が幸せに成長され、社会で貢献されていかれることを祈っています。



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