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自分をよく見せる鎧をはずして歩み寄れたとき、人間関係は楽になる

小・中学生時代の友人と、2ヶ月ぶりに会う約束をしていた。

3日前から発生したメンタル的不調を完全に拭きれないまま、デパートの屋上にあるテラス付きのお店に向かった。ここにくるのは2回目。約束の時間の15分前に到着したので、先に入っておくことにした。その旨をラインで伝えると「予約してある」とのことだった。

予約した席に通されると、テーブルの端に「〇〇様予約席」という手書きの札があった。目の前には、セルフサービスコーナーがある。普通の水、レモンとりんごフレーバーの水があり、自分でとりにいく仕組み。人件費削減なのだろうか。

店の中央に座っているにもかかわらず、換気のために空いている窓から、足元と首筋に風がとおり抜ける。セルフサービスコーナーにあった膝掛けを2枚とった。1つは自分の膝に。もう1つは、隣の椅子の上に置いておいた。友人がきたら渡そう。

駆けよってきた店員が「注文はこちらのORコードを読み込んで、ラインからお願いします」と言った。生まれてはじめて目にする、画期的な電子機器に触れた人のように「へぇ」という、気の抜けた返事をした。

待っている時間、スマホをいじっているのはよくない気がした。特にわけもなく、店内を見回したり、周囲にいる団体客や店内の装飾品を観察する。すでに注文するものは決まっていたけど、テーブルの上にあるメニュー表をながめて時間を潰した。

仕事帰りの友人がきた。

私に会うために、おろしたてのワンピースを着てきたと服の裾を持ちながら言う。友人は、私との会話を楽しんでくれているようだった。息をつく暇もないくらい連続して話していた。私も、その話を純粋に楽しんだ。

夫婦間の問題を抱えていた彼女は、以前会った時はそのことについて延々と話していた。相当溜まっていたらしい。「その後はどうなのか」と聞くと「すっかり仲良し」と言っていた。「歩み寄りが足りなかったのかも」と言うので、私は「ずっとそう思っていたよ」と返した。気がついたら2時間も経っていた。


友人と会う1週間前、ドカンとくる心理的ストレスを負った。

翌日、翌々日までは普通に過ごせていたのでストレスへの耐久性がついたのだろうと思いきや、無気力と疲労がのしかかってきた。最終的には「友人が私と会いたがるのは、無料で話を聞いてほしいからだ」と、被害妄想を持つくらいの精神状態にまで。

何度、断りの連絡を入れようと考えたか。この状態で会っても、おしゃべり好きの友人の話が右から左へと流れていき、空返事になる可能性が高い。抑うつ的な気分から、その場に座っていられないかもしれない。

その上、メンタル的不調を食にぶつけた結果、体重が2kgも増えた。よく考えてみると「私と会いたがるのは、無料で話を聞いてもらえるからだ」という被害妄想は勝手にな決めつけで、真実ではない。ダメだ、不調のせいで認知がゆがんでいる。

「太ったね」「頼りない」「いつもと様子が違う」と思われたくない。友人と会う時は、いい状態でいないとならない。キレイでないとならない。太った状態なんか最悪だ。と考え、自分自身で人と会うハードルを高めていた。約束の日が近づくにつれて、気分のどんより感も増していくような気がした。だったら一層のこと格好つけずに、よく見せようと背伸びせずに、調子が悪いなら素直にそう伝えればいい。

前日の朝、ラインで現状を伝えた。よく見られたい、悪く思われたくない自分を素直にさらけ出して楽になりたかった。でも、それでは利己的すぎる。会ったときに「どうしたの?」と深掘りされないように、今の状態を正確に伝えすぎることなく、友人に配慮している姿勢を見せてさりげなく。

「実はいろいろと不調が続いていて、あまり元気ではない。機嫌が悪いとかそういうわけではないから、気にしないで。嫌な気持ちにさせたら私もイヤだから、あらかじめ伝えておこうと思って」と。

当日の朝、返事がきた。「調子が悪いなら延期しようか?」の返事を少し期待したが、実際の内容はこうだった。

「会うのを楽しみにしていたの。話したいことがたくさんあって。でも、辛いなら無理しないでいいんだよ? 本当にしんどかったら無理しないでね?」

肩の重荷が1つか2つ、外れたような気がした。

彼女が夫婦の問題に対して「歩み寄りが足りなかったのかも」と言っていたように、私にも歩み寄りが足りなかったのかもしれない。

自分をよく見せる数々の鎧をはずして、「〇〇だと思われたくない」というエゴやプライドを捨てて。


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