失ってから得るもの、そして許すこと
先日読んだSoarのこのインタビュー。
この一つのインタビューの中に得るものがありすぎるインタビューなのだけど、その中でも特にこの部分が心に留まった。
色んな能力を喪失してしまったわけですが、喪失した自分だからこそ気づくことがある。で、その気付きを糧に、なんらかの新しいパーソナリティや対応方法を獲得する。そういうサイクルを色んな場面で繰り返している感じです。喪失したものそれぞれに対しての、気付きと再発達。
これを見て思い出したことがある。新しいシーズンのQueer Eyeで、エピソード2に出てきたウェズリーだ(あいかわらずのQueer Eye熱)(以下ネタバレ含みます)
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ウェズリーは24歳の時、銃で撃たれ下半身不随になった。
撃たれる前の彼は"bad boy"だった(彼の昔の写真は中指を立てたポーズばかり)。ロールモデルはドラッグ・ディーラーで、最終的に自分は死ぬか、刑務所に行くかだと思っていたという。
けれど下半身不随になった後は、"Disabled But Not Really"(障害者だけど、そうでもないよ)というNPOを立ち上げ、地域社会活動家として体が不自由な人の精神、身体的健康促進を目的に活動している。
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この番組の中で、カルチャー担当カラモが射撃した相手に会いに行こうと行った時、正直それはやりすぎなのではないかと思った。
ただケンカをしたりいざこざがあった相手じゃない。自分を射撃し、自分が下半身不随になった原因である人に会わせるなんて。(カラモのインタビューでは、最後の最後までウェズリー自身は"まだ心の準備できてない"といい、相手も"こんなことはしない、俺は帰る"と言い続けていたそう)
この対面はあらゆる意味で私の想像以上のものだった。
ウェズリーと、彼を射撃した相手モーリスとの対面はとても緊張感あるものだった。ウェズリーは、モーリスになぜあの時自分を撃ったのかを聞いた。モーリスは、自分の立場で当時の状況をどう捉えていたのかを説明した。聞く限りでは射撃は自己防衛のためだったのだろう。
Queer Eyeでは5分程度の放送だったけれど、実際の対面はなんと2時間半に及ぶものだったらしい。
二人の会話が終わったあと、カラモに「彼からの謝罪はいる?」と聞かれたウェズリーはこう答えた。
** 謝罪は必要ないと思う。むしろ申し訳ないと思って欲しくない。僕をこのポジションに置いてくれてありがとう。**
ぇぇえええええええええええーー(←驚きすぎた声)
さらに彼はこう続ける。
** I'm actually empowered by the life I was given that day, I had a lot of time to grow.僕はあの日与えられた人生によってパワーをもらった。たくさん成長する時間があった。**
ウェズリーの返答に、とにかく驚くばかりだった。
どんなにひどい状況に置かれても、新しい目的を見つけ出し、それに向かって生きれるんだという驚き。
人はこんなに強く、自分自身を成長させる力があるのかという驚き。
自分を射撃した相手を許し、感謝まで伝えた驚き。
相手を許すことは、自分を自由にすることという考えに対しての驚き。
きっとカラモは、ウェズリーがこのことを受け止められるだけの器があると判断したから、彼を射撃した人に会わせたのだろう。
Queer Eyeのウェズリーのエピソードも、ウェズリーの現在の活動も、人はここまでできるんだという可能性を教えてくれるものばかり。
彼の行動や活動は、相手を許して自分を自由にすること、何かを失っても代わりに何かを得れること、目の前の経験にオープンであること、人に力を与え社会をより包括的なものにしようとすること、いろーんなことを教えてくれた。
最後に彼の笑顔を見て欲しい。What a beautiful smile!
Queer Eyeを見たら、きっと皆彼が大好きになるはず!
たくさんのインスピレーションと、素晴らしいお手本をありがとう。
ウェズリーのインスタはこちら:
https://instagram.com/iamweshamilton?igshid=1obgnyey0ywvj
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