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フラフラと生きる


昔の古い練習方法だからといって、意味がないとか悪いものと決めつけるのは少しもったいないんじゃないか。そういう話を、以前何かの本で見かけました。


例えば千本ノック。

千本ノック:野球の守備練習の一つ。打たれたボールの捕球と送球を、繰り返しひたすら続けるもの。

実際にノックを千本受けるかどうかは別として、とにかくたくさんノックを受ける練習です。

ノックを受ける選手にとっては、なかなか終わりが見えない辛い練習。次第に身体に力が入らなくなり、フラフラになってしまいます。ところが、このフラフラになった状態からが、とても上達するそうなのです。

元気に一生懸命動ける時は、ミスも多くなかなか上手くならない。だけどフラフラになってもう力が入らない状態になると、ボールの捕り方がスムーズになり、きれいな捕球動作ができるようになる。フラフラになってからグンと上達する。だから初めから力を抜いて、フラフラのような状態でノックを受ければ、上達が速い。そういう話でした。


私たちは何気なく過ごしている生活の中でも、知らず知らずのうちに意外と力が入っていたりします。字を書くとき、箸を持つとき、歯を磨くとき、などなど。もっと力を抜くこともできるのです。そしてそっちの方が美しい。きれいな字が書けたり、美しい箸の持ち方だったり。

立っている時でも、力を抜いて重力に身体を預けるように立つ。そうすると逆に力強さをまとうことができたりします。スポーツでは力強さが重要視されがちですが、本当の強さはフラフラとした柔らかさの先にあるようです。


フラフラになったつもりで動く。案外動けたりします。


フラフラしすぎてごめんなさい。







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