◯拷問投票190【第三章 〜正義と正義〜】
はじめのうちは全面的に拷問に賛成してくださいと訴えていたが、そのせいで印象が悪くなっていたらしい。リアルタイムでSNSなどの分析をしていた研究グループから指摘があった。これを受けて、長瀬たちは、直接的な表現を避けることにした。ついでに無関心層の拾い上げのほうに力点を移している。
長瀬は、宣伝カーの後部座席で、静かに目を閉じた。
瞼の裏には、ここ最近、気になっていることがいくつも浮かび上がってくる。拷問投票制度の理論的な問題、平和刑法の会の代表である川島の『なにか』、緊張