○拷問投票7【第一章 〜毒蛇の契約〜】
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佐藤龍が生まれたのは、歴史的にも変化の激しい時代だった。そこに生きる人々の生活は次々と翻弄され、社会全体さえもゆらゆらと揺れていた。
子供のとき、AIによって近い将来、多くの仕事は奪われるだろう、というテレビ番組をよく見た。実際、そうなった。保険の審査にも、公的な手続きにも、診療にも、カウンセリングにも、法律業務にも、AIの手が伸びている。もちろん、そのぶん儲けている企業があるというわけだ。
依然としてアメリカが世界の経済大国であることに変わりはなかったが、