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日記

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山本清流の日記です。日記の内容としては、範囲を限定しないつもり。限定したとしても、例外が絶対に出てくるから、あらかじめルールはつくらない。そのとき、書きたいことを書く。
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2023年5月の記事一覧

【『拷問投票』制作日記17】第三章が書き終わりました。

 こんにちは!

 着々と進行中でして、ついに第三章が書き終わりました。40×40ですでに250ページに達しました。

 最終章である第四章は、50ページ程度の予定です。投票当日の朝から始まり、拷問の実施か、拷問無しか、どっちかで終わります(作者はもうラストを決めてます)。

 けっこう壮大な感じになってきて、書くのは楽しいです。

 ちなみに、すでに、いままで僕が書いた小説の中でいちばん長い小説

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【読者感想文】夏木志朋著『二木先生』がよかったです。

 先日、三省堂へ出かけたとき、棚の一段ぶんを『二木先生』が占拠していた。

 書いたのは夏木志朋という新人作家で、これがデビュー作らしい。僕は知らなかった。

 その棚には『二木先生』の売り行き部数の表示もあり、その店舗だけですでに100冊以上売れているらしかった。

 さまざまな出版社や書店の人々からの絶賛コメントを羅列した文庫本の表紙もクールだった。

 僕は『二木先生』を手に取り、その場で冒

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【詩】呪い

むかしむかしあるところに
呪いがありました
アフリカにいたころ
呪いのお姉さんは
三人の子供を産みました
みんな呪いを受け継ぎました
それからというもの
人々は親から子へと
呪いを
その身に受け継いできました
でも
僕の呪いと
あなたの呪いは
もう違う形をしていました
だからみんな分かり合えないのでした
めでたしめでたし

【詩】キレイゴトを守る

君は戦士
キレイゴトを守る戦士
どんなに傷ついても
怒りを飲み込んでみせる
言葉の隅っこに発散を
乗せるようなこともしない

君は強い
あまりにも強い
だからみんな
君のことをいじめる
弱い人たちが
君をダメにしようと
迫ってくる
君は負けない

そして君は
弱い人たちに手を
そっと差し伸べる
それをキレイゴトだと
切り捨てる強い人たちの
嘲りにも加わらない

だけど君は
誰よりも
キレイゴトを信

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【詩】オサンポ、タノシイナ

ささやきに身を任せて、半ば自力で心臓のポンプを動かす。焦げたトーストを握り、舌に届く前に平らげる。誰かが。あるいは、自分が。呼んでいた。川沿いの歩道をイメージしながら玄関の引き戸を開けると、ゴールデンウィークの公園があった。磁石のように爪先が引っ張られ、後付けしようとする思考を検閲される。足を止めることができない。イヤホンを外すことができない。好きだったはずの音楽を、いまはただ、聞かされていた。フ

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【詩】持続可能な希望と絶望

午前七時に起きると琵琶湖に原爆が落ち
午前八時ごろに復興を誓うパレードが開かれた
午前九時に僕は死刑になってしまったけれど
午前十時ごろに感動の生きかえりを果たした
午前十一時にいったんゾンビパニックになり
正午ごろになって宇宙戦艦が助けに来た
午後一時に僕は新人賞を受賞できたが
午後二時ごろに「間違いでした」と電話が入り
午後三時にはそろそろ安楽死しようと計画し
午後四時ごろに不老不死の薬が誕生

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【『拷問投票』制作日記16】話が膨らみすぎてしまったかもしれない。

 みなさん!

 ゴールデンウィークですね。今日は、セカオワの新曲をイヤホンから流しながら川沿いを散歩しました。気持ちのいい季節です。

 みなさんは、いかがお過ごしでしょうか。予定がないという方や、とくに遊ぶ友達がいないという方には、散歩をおすすめします! (僕が散歩好きなだけだけど……)

 さて。

 僕のいまの生活にはノルマが三つあり、小説を書くことと、詩を書くことと、資料漁りをすること、

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【詩】他者との接触

(理想)
ねえ、カブトムシにも、心はあるのかな
どうだろうね。本能だけで動いている気もするけど
カブトムシに心はない派?
そうだね。どちらかといえば、ない派
それ、同感。なにも感じてないような気がするよね
でも、それは主観的なやつだから、実際はわかんないね
その心の有無について、研究してる人とかいるのかな?
たぶん、いるよ
その研究、おもしろそう。心がある可能性もあると思う?
ゼロではないよね。な

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【詩】悲劇の予感

はじめてライブに行ったとき
マイクの声がでかすぎて
ボーカルがげっぷしたら
どうしようと心配してた

げっぷをしませんようにと
祈っていたらライブは終わった

通学してる電車のなか
脱線事故を思い出し
目の前のカップルが
ぐちゃぐちゃになって
しまわないかと心配してた

荷物置き場の鉄パイプが
カップルの胸を突き刺したらと

教室にいるときには
なんとなく不審者が浮かび
数式を書く年配の先生が

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【詩】幸せ

幸せになりたくて
嫌なことを撃退したけど
完全にはなくならない

しかたなく
幸せという概念を広義にした
嫌なことも包摂したけど
定義上でしかなかった

精一杯に
さまざまな言葉を駆使した

どうも処理できない
現存する言葉の貧弱さに
寂しくなった

だから

幸せは諦めた
これは死亜和背なのだ

この概念は
僕の記憶のみによって
構成されている

どんなに僕を物語っても
誰も理解することはできな

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