見出し画像

【たびろぐ】#1 春の訪れ。湘南の海とグルメ旅。

春夏秋冬、それぞれの季節になると訪れたくなる場所があって、春になると僕は湘南の海を見たくなる。

少しずつ空気と太陽の日差しに春のかけらを感じられるようになった頃、湘南から「そろそろ暖かくなったきました。お越しになりませんか」と、お便りが来たかのように呼ばれたような気がして、今年も有給休暇を入れて湘南に行く予定を立てたのだった。

関西から馴染み深い場所とは言い難い湘南に僕が行くようになったのはいくつかきっかけがあるのだが、その1つは佐藤多佳子の小説だ。いくつか湘南を舞台にしたものがあるが、特に「黄色い目の魚」は、物語の重要なシーンに湘南の海が何度も登場する。
そこで描かれる描写は手に取るように情景が目に浮かび、たちまち行きたくなり、言ってからというものの虜になってしまった。


朝の富士山を横目に、鎌倉の海と「究極のフレンチトースト」へ。

現実から逃げるようにひたすらに東へ進み、早朝の新東名120km/h区間を快調に走り抜けていく。相棒のCIVICは直進安定性も高く、高速度域でもオンザレールで気持ちよく走ってくれる。
この日は思わず声を上げてしまうほどに富士山が雲ひとつなく美しくみえていた。

新東名厚木南JCTから圏央道、新湘南BPで茅ヶ崎西ICからR134へ。
平日朝のラッシュも終わった時間帯で交通量も少なく。快適に茅ヶ崎の海沿いを進んでいく。朝の海沿いのドライブは最高のひとこと。この日は季節を先取りした暖かさで空気も含めてとても気持ちよかった。

モーニングとして訪れたのは、鎌倉坂ノ下の「café recette」さん。少し路地を入ったところにあるロケーションが隠れ家感があって素敵。

温かい雰囲気の店員さんに迎えられ、こちらまで心が温かくなる。内装もアンティークなものが使われていて、まるで家のような居心地の良さだ。

ここでいただくのは、「究極のフレンチトースト」。お洒落な空間にキャッチーな名前のメニュー。天の邪鬼な僕は見かけだけかと疑ってしまいそうになるが、まずこの食パンが信じられないほど柔らかい。綿菓子かな?
それもそのはず、このお店は世田谷の高級パン専門店「racette」の直営カフェなのだ。このパンにしっかり真ん中まで卵が染み込んでその甘さとベーコンのしょっぱさのバランスが最高。
「食事系」という名前だが、程よく甘く、個人的にドンピシャに好みの味でした。フレンチトーストに目がない僕だが、本当に究極と言って過言ではない美味しさだった。

お腹を満たしたあとは七里ヶ浜でリラックスタイム。春でまだ人の少ない湘南の海を眺めていると少しづつ心が安らいで行くのを感じる。

窓を開けながら波の音と海の香りと春の空気を感じながらドライブする時間は、最高のリフレッシュタイムだ。CIVICのBOSEのスピーカーから流れるネバヤンがさらに最高に気分を盛り上げてくれる。

穏やかな横須賀の海に癒やされて海の幸を堪能

湘南の海沿いを進んで行くと、もう一箇所みたい海を見たくなる場所がある。横須賀・ヴェルニー公園だ。ここは鎌倉の海とはまた少し雰囲気が変わり、波がとても静かだ。温暖な気候も相まって時間の流れがとてもゆったりに感じる。いつまでもいたくなる場所だ。実際昼寝して結構な時間いた気がする。

時間に追われる日常に、関西という土地柄もあるのか、なんだか毎日がせかせかしていて、マイペースな自分には少しづつそのズレが蓄積していく。さらに冬はなんだか気持ちも暗くて塞ぎ込んでしまうし、余計に心が凝り固まっていく。
そんなときにいつ来ても穏やかに時間が流れている湘南・横須賀に来るとなんだかほっとするし、凝り固まった心が柔らかくなっていく。

海を眺めていると、海の幸も食べたくなっちゃう。三浦半島と言えばやはりマグロを代表とした海鮮。ついつい足を伸ばしてしまう。

まぐろ食堂 七兵衛丸」さんでいただく、海鮮の日替わり定食。新鮮なお刺し身は柔らかくふっくらしていて、一回一回噛み締めてしまう美味しさ。マグロはもちろんのこと、三浦で取れた白身魚もとても美味しかった。

夜の東京。贅沢な柑橘パフェを。

日帰りにしては十二分に堪能しているのだが、せっかくならばもう一食締めに食べたくなる、ということで、ディナーのかわりにディナーばりのお値段のパフェを食べに首都高を東へ進み、神田小川町までやってきてしまった。

愛知の食材を使った少し変わったレストラン「パフェ&イタリアンバルアゾート」さんは、月替りのパフェがある。今月は柑橘をメインにしたものだった。柑橘の酸味とスフレやクッキーなどの甘みが、やわらかさとサクサク・硬めの食感も含めてミルフィーユのように交互にやってきてとてもカラフルな味わいだった。ペアリングのノンアルワインもノンアルとは思えないフルーティーさだった。

春の海と空気、美味しいグルメと、心の内側からリフレッシュできた1日だった。もっとも最後に夜に東京まで来てしまい、結局帰りが時間に追われてしまったのは、ゆったりした時間を楽しむ今回のコンセプトからしたら少々皮肉だったのだが。

旅のしおり

Travel distance:1,115km


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?