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古着について

古着のリユース事業を始めて約20年が経過しました。
創業以来、古着と関わり、古着に魅了されてきました。
私達の会社にとっては必要不可欠な古着。
少し深堀りと言うか、主観も入っていますが、まとめてみました。

様々な種類が存在

輸入古着(米国古着やヨーロッパ古着等)、国内古着(デザイナーズブランド、アパレルメーカーや量販店の古着でリユースショップ等で取り扱われる)、加工された古着(リメイクや素材の一部を活用したアップサイクル等)まで、、、幅広い。
90年代前半(高校生の頃)に古着ブームがやってきた。

ヴィンテージとデッドストックと古着の違い

採用活動をしていたり、お客様との会話の中で「ヴィンテージ」「デッドストック」「古着」の違いについて質問される事があります。
このあたり、解釈も様々なようですので、ハッキリとした明確な定義は存在しないと思いますが、個人的な解釈を記載してみました。


古着とは・・・

発売されてから年数がある程度経っており、保存状態の良い一定価値のあるアイテムのこと


デッドストックとは・・・

デッドストックは、簡単に言うと「売れ残り品」です。倉庫に長期間、置かれてしまった状態で倉庫を解体する時に発見されてレアものとして話題になることもありました。ただ、「型遅れ」や「型落ち」になった品物が多数ですので、保管状態によっては難が出てしまったりするものもありますので、未着用品ですがプロパーを越えるような価格で取引される品は少ないのが現状です。


ヴィンテージとは・・・

ヴィンテージの明確な基準はありませんが、2021年現在であれば、約30年程前、1990年代以前の品物を「ヴィンテージ」と指すことが一般的です。古ければ古いほど価値がある訳ではなく、現在はあまり見ることのできない素材やデザイン、死去された人気デザイナーの作品など、価値が高まる理由が経年以外の要素として挙げられます。

古着の価値について

古着は過去の物であり、もう作られない「一点物」としての魅力、そう「出会いは一瞬」という儚さにも惹かれます。
コンディション、素材、縫製など、探求すれば探求するほど奥深い古着には魅力が沢山あります。
もちろん、最終的には歴史などの蘊蓄よりも欲しいと思われる方の予算や感性次第で目利きは決まります。
そんな古着の価値を再定義一助になれる仕事が私達の仕事であり、鑑定士(バイヤー)の魅力でもあります。

第二次古着ブーム

全国ネットのTV番組でも紹介されていましたが、2020年前半頃から現在に至るまで、「第二次古着ブーム」が起きています。
10代や20代の男女が中心のブームですが「プライス(安さ)」を始め、「ユニセックスな着回しができる」や「一点物だから」という理由で古着ブームが特集されていました。

「第二次古着ブーム」という事ですが、私の学生時代(20年以上前)に「第一次古着ブーム」がありました。たしか、モッズやパンク等のファッションの次のトレンドが古着だったと記憶しています。
※うる覚えでスミマセン。。。
私は大きな冒険は出来ずに「チノパン」に「レッドウィングのエンジニアブーツ」のスタイル。トップスは「バンドT」や「チャンピオンのリバースウィーブ」、アウターは「ショットのライダース」や「フライトジャケット」というスタイルでしたが、1995年に木村拓哉さんが出演していた「人生は上々だ」というドラマの影響もあり、アメカジブームは加速していた時代です。
その後、「アンダーカバー」や「セディショナリーズ」「ヴィアンウエストウッド」「ミルクボーイ」「ドリス・ヴァン・ノッテン」などのDCブランドが人気となり、DCブランドの古着を委託販売するリユースショップが市街地に増え始め、輸入古着以外の古着も身近となり、一層、古着にのめり込んでいった記憶があります。

話は元に戻しますが、「第二次古着ブーム」の今、「安さ」や「個性」のみならず、「希少価値」を見いだして取引されるようになっており、90年代の古着もヴィンテージ予備軍として価値が高騰しています。

買い逃せば二度手に入らない

アメカジやヨーロッパ古着に関わらず、DCブランドやアパレルメーカー等の古着だったとしても、同じデザイン、同じサイズ、同じ素材の物と出会う確率はフリマアプリ等の台頭もありますが、それでも希少な出会いだと思います。買い逃せば二度、会うことは奇跡のような物です。
私も学生時代に購入した「ヘルムートラング」のペイントデニム等、サイズアウトしたのですが、いまだに残っています。。。
着れもしないのに手放せない呪縛??
それでも、「所有する喜び」がそこにはあります。

廃棄を回避するという課題

昨今、大量生産による大量廃棄がニュースに取り上げられたり、ファッション業界の悪しき商慣習が浮き彫りになり、適正な在庫で適正な利益を追求するビジネスモデルへの転換を迫られている状況が続いています。

SDGsに対する取り組みも各社力を入れており、サステナブルなブランドを立ち上げたり、リサイクルやアップサイクル等の活用も進み始めていますが、一定量は廃棄に回る現実を回避できていません。

古着は売れ残りではない

古着は「誰がが一度、袖を通した洋服」ですので、ネガティブな印象を持たれる方も一定数は存在しています。
ただ、見方を変えれば「誰かが購入した売れ残りではない洋服」なので、弊社のお客様の中には「アウトレット(売れ残り)よりも魅力ある商品多いよね」とおっしゃっていただけたりします。
私の経営する会社は小さな会社ですが、古着に対する愛着を持ち、販売力を高める店舗づくりや接客レベルの向上を目指してきました。
古着の価値を高めるためにも必要な事業と再定義して「もう一度、愛着を持てる豊かな世の中へ」というビジョンを掲げて古着の魅力を一層、発信していきたいと思います。


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