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「なんで好き?」って自分に聞いたら、いろんな未来が見えた

皆さんは、なぜ自分の今の仕事や趣味が好きですか?

仕事についていうと、日本でも転職が当たり前になってきてますね。転職活動する時って結構、「営業が好きだから営業で応募する」「化粧品が好きだから化粧品業界にチャレンジする」みたいな感じで軸を決める人が多いんじゃないでしょうか。

でもなんで営業が、なんで化粧品が好きなのですか?と聞かれると、即答というよりは、ちょっと間を取って考えちゃいませんか。

好きで、やりたいことがあるのって、すごく素敵なことだと思います。もちろん私もそれで希望の職種・業界に就職した人は祝福したいし、応援したい。

ただ人生ってうまくいかないときも時にはありますよね。望んでた道に進めないとか、進めたのになんか不幸だとか。そういうとき、「自分にはこれしかない」と思っていると、すごく落ち込んでしまう、挫けてしまいます。極端な例だと野球一筋でやってきたプロ野球選手が戦力外通告されて途端に生気を失ってしまう、みたいなことです。でも、自分にはこれしかないとか、そういう風に思わなくたっていいんじゃないかな、ってことを最近考えていました。

自分が好きなことを、もっと突き詰めて考えたら自分が思ってる以上にいろんな選択肢があるのかもしれないと思ったんですね。


少しだけ自分の話をすると、私は仕事でマーケティングを担当しています。かたや通信制美大に在籍して、アートを追求する日々。

マーケティングとアートって、ある一面から見れば正反対のものです。

端的に言えば、マーケティングは「他人(お客様)」が起点になる。アートは「自分」が起点になる。とでも言えるでしょうか。

マーケティングというと一般的には、市場や世の中の「ニーズ」を捉えて、自社の商品そのものや商品の届け方・伝え方を改善していくことが仕事です。私みたいな一兵卒のマーケターは、メールマガジンのタイトルに○○って入れたら開封率が上がったとか、そんなことで一喜一憂する日々です。

一方、以前別の記事にも書きましたが、アートの世界では「人に受け入れられたい」という芸術家の姿勢は評価されないことが多いと思います。美大の授業でも、先生に「ここはピンクで塗ろうと思うのですが良いでしょうか?」とか聞くと、「私に聞かなくて良いです、自分が良いと思うならやってみなさい」と返されます。自分の意思を持って、貫く姿勢が後押しされるんです。

そういうわけで、マーケティングとアート。正反対なんですけど、不思議と私はどっちもほんとに面白くやっています。

なんでどっちも好きなんだろう。

そこをじっくり考えてみたら、多分、私は人と人の間に生まれる「共感」という現象が好きなんだと気付きました。

自分の言葉や表現に、「分かる」って言ってもらえたとき、私は涙が出るほど嬉しいです。でも自分と誰かだけではなくて、他人同士に共感が生まれるシーンなんかも、見てるだけで幸せな気持ちになるんですよ。共感という現象を、人生のできるだけ長い間、味わっていたい。

そういう側面で見ると、マーケティングもアートも共感をつくり出す仕事だなって思ったんです。消費者が「この商品/サービス、分かってるな〜!」って思ってくれるとき。鑑賞者が作品を見て自分に重ね合わせて泣いたり笑ったりするとき。そのどちらも、私にはたまらなく幸せなことなんですね。

それと同時に、じゃあ私が幸せを感じる仕事や趣味は、世の中にもっと沢山あるんだろうなって希望が持てたんです。今はまだ、その道を選んでいないだけで。

だから、人生の選択をするとき、最初から「私はマーケティング」「私は美術」とかって狭い決め方をしないで、まず「なんで好き?」の答えを出して選択肢を増やしてから、逆に「苦手」を排除してったらいいんじゃないかなと思います。

例えば、「共感をつくり出す」仕事っていっても山ほどありますよね。脚本家、詩人、接客…そう、営業だって「お客様からの共感」を呼ぶ仕事と考えれば私の選択肢のひとつに入ってきます。

けれど営業でいえば、私は性格的にかなり繊細な面があるので、気を許していない人と長時間一緒にいると、気を使い続けてしまって疲れてしまうんですね。だから営業の経験をしたことはありますが、向いていませんでした。「苦手」です。そういう意味では接客も、クレーマーに打ち勝てる自信がないので、ナシです。

脚本家はどうだろう?…どういう道のりを踏めば脚本家になれるのかは皆目検討もつきませんが、裏を返せばこれから知っていく価値のある道です。

もしも私が今後、マーケティングの仕事に飽きてきたと感じたり、画家としては自分の望む域にたどり着けないって悟ったり、何でも良いけどとにかく境遇を変えたい!とか思ったりしたら。

「なんでそれが好きだった?」って自分に聞き直してみます。

その答えに素直に、自分を縛らず、選択肢を考えてみたい。そこにあるのは「逃げ道」ではなくて、ただの「今とは違う未来」だと思うんです。

何かに夢中になりながらも、次は何しようかなって考えている。そんな人生を、ゆきたいものです。

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