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パーティーが終わって、中年が始まる pha さんの本

pha さんの本は過去にも「ニートの歩き方」「しないことリスト」「どこでもいいからどこかへ行きたい」など何冊か読んだことがある。

3冊も読んでいれば、どこか著者との共通性にシンパシーを感じていたのかもしれないのだが、新作は SNS 経由で以前と少し考えが変わってきているということを知り、購入に至った。

詳細な内容は差し控えるとして、一部印象に残ったところをまとめる。

そもそも pha さんは28歳の時に無職になり、その後シェアハウスを転々としたりして、間を省略すると、現在45歳のようである。

一方、僕は32歳で無職になり、実家の一室に籠城し、はや4ヶ月が過ぎたところである。

つまり、僕にとって pha さんは未来予測になる可能性を秘めていると感じたのである。

まず、「おじさん」と呼ばれる日が来るらしい。
僕はかろうじて、お兄さんと呼ばれたことしかまだない。

これが、いずれ「おじさん」に変わる日が来る。
つまり、僕はお兄さんからおじさんに変わる過渡期に差し掛かっている。

これは言い換えると、自分より年下の人間がどんどん増えていることを意味するらしい。

考えてもみなかったが、確かに野球やサッカーの中継を見ていると、自分より年下の選手を見ることが多くなった気がする。

また、「本を読んでも音楽を聴いても旅行に行ってもそんなに楽しくなくなってしまった。」となるらしい。

こういう感覚が「つかまってしまった」ということのなのだという。
これが歳を重ねるということ、つまり、老いなのだろうか...

僕の中で一種の危機感を覚えた瞬間である。
僕に残された時間は、想像しているよりも少ないのかもしれない。

以下、本文より抜粋


中年になると、ちゃんとした格好をしないと人を警戒させてしまうのは、歳をとると存在感というものが否応なく増してしまうからではないだろうか。


存在感や権力など考えたこともなかったが、確かに周りの人が僕なんかに優しくしてくれるのは、僕がまだ若く見えるというのが大きいのだろうと思う。

これが40歳を超えて、会社を辞めて家でゴロゴロしてるとでは大きく状況が違う。やはり、僕は若者から中年の過渡期に差し掛かっている。「否応なく」という言葉が衝撃である。

途中の内容も参考になる部分が多かったのだが、最後の「猫との境界線が消えていく」の部分に衝撃的な箇所を発見した。

以下、本文より抜粋


猫のいいところは人間扱いをしないでいいところだ。

(中略)

一方的にかわいがりまくって、(中略)勝手に写真を撮って SNS にあげまくったりしても何の問題もない。

(中略)

ペットと同じように一方的な愛情を受け止めてくれるものとして、アイドルがある。

(中略)

アイドルという職業に対しては、一方的に愛情を注ぎ込んで、相手の存在を一方的に消費することが許される。そんな職業が存在する理由は、人間には、相手を人間扱いせずに一方的に愛情を注ぎたいという欲望があるだろう。


過去にアイドルを推していた経験から言わせれば、一種の引いた目線で見ると、これは的を得ていると感じる。

これは、応援中の過程では気付きにくい構造になっており、ハマってしまった陶酔状態の当人からは、真っ向から否定される内容だと思う。

しかし、よくよく考えると「人間扱いしていると思っていたが、実はしていなかった。」というのがより正確だろうと思う。

それはアイドル側も「人間扱いされていない」とは思っておらず、少なくともお互い Win-Win に近い状態だと思い込んでいる。

その後、その状態から離脱すると、お互い何かのきっかけで違和感を覚えたりするのかもしれない。

僕も一方的に愛情をわがままに注ぎたかっただけで、自分側が受け入れる器がなかったのかもしれない。何か過去の出来事を反省するきっかけとなる本だった。

果たして、僕はこれからどう生きていけばいいのだろうか。

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