❝ラクスルでザワツク❞というお話
数日ほど前より、facebookのフィードを見ているととある企業のサービスが話題になっています。色んな人がシェアしてます。
そのサービスがこの「テレビCM オンラインストア」です。このページには「日本テレビのCM枠を1枠から注文可能 | ラクスル広告サービス」とも明記されています。(画像はラクスルホームぺージより引用)
「テレビCMをオンラインで買えちゃうのね。ふーん」
って、このページ見てならんワケですよね。
広告業界の中の人は特にそうかもしれません。ということで業界に関係する人が、ザワザワザワってしているのがここ数日なのかと思っています。
で、このサービスを提供している企業というのが大手広告代理店でもなく「ラクスル株式会社」だということもこのザワザワ感を助長しているものと推測されます。
ラクスルってあの「印刷会社」の?
ラクスルという会社名をご存知の人は少なくはないでしょう。アスクルではなくラクスルです。
そうこちらのCMを見たら「あー」と思うのじゃないですか。
おそらくイメージするのは「ネットで簡単に印刷できる会社」ではないでしょうか?そんなイメージがあるので今回の「テレビCM オンラインストア」についても「なんで印刷のラクスルが?」とザワついた方も中にはいるのでは、とも思います。が、実はラクスルの企業ページをみていると元々「印刷会社」ではないんですよね。
ラクスルの生業は❝シェアリングプラットフォーム❞
ラクスルはマザーズに上場しているので「決算説明会資料」にビジョンや事業の意義が明確に記載されています(画像引用)
ビジョンで示されているのが「仕組みを変えること」で、これまでの伝統的な産業をデジタル化してみんなhappyにする、といった感じです。
そんなラクスルの特徴は「印刷機の空き時間の有効活用」にあります。
日本印刷産業連合会によると全国には大小含め2万以上の印刷会社が存在しています。特に規模の小さな印刷会社にとってはいかに「空き時間」をなくし効率よく印刷機を動かすことが求められます。そこにラクスルは目を付けて「空き時間」のある印刷機を束ねて、注文に対応しています。印刷をしたい人からしても印刷会社を比較しなくてもラクスルで頼めばラクチンです(画像引用)
ラクスルのもう一つの事業である「ハコベル」もまったく同じ図式のようです。空いている運送会社と荷主をマッチングさせる。さらにピラミッド型とされる物流業界の中間マージンのカットという荷主・運送会社どちらもhappyになる仕組みを構築しています。
「印刷」からの「広告」からの…「テレビCM」
以上の通り、実は「ネット印刷」の会社というワケではなく「プラットフォーム」を運営する企業なラクスルですが、さらに特徴があります。それが今回のお話につながるんですね。
ラクスルを利用するお客さんは最初は「印刷頼むよ」とはじまりますが「デザインもお願いできないかな」となるだろうし「チラシのポスティングもお願いできないかな」となるわけですよね。で、ラクスルはその全てにこたえているのです。
だって、いちいちデザイン会社に頼んで、ポスティングを広告会社にお願いして...という手間を考えると理解できます。
その最たるものが「テレビCM制作と買付」なのかもしれません。
うん、さすがに字が汚いのでパワポで清書
果たして大手広告代理店は対応するのか?
実はこのラクスルによるテレビCMの広告サービスは最近はじまったわけではなく、すでに地方のテレビ局と一緒に取り組んでいたようです。そこで知見と実績をためた上で今回の日本テレビとのタッグを組んだように思えます。
「仕組み」を変えるラクスルが目につけた「テレビ広告」という市場。
このザワツク話題について大手広告代理店はどう対応するのか、気になります。でも、ここでポイントとなるのがラクスル経由でテレビCM施策を考えるのはおそらく「中小企業」という点。
大手代理店の顧客は発注金額も大きな大企業が中心となっているので、営業やクリエイティブなど多くの人員を担当にあてられますが、全国津々浦々の中小企業も顧客として取引が出来るのか。逆に全国の地場の広告代理店はすでに影響を受けているのかもしれないですね。
ラクスルはすでに「広告業界のプラットフォーム」と決算説明会資料で宣言していますし…(画像引用)
CMの常識を破壊する…のか?
最後にラクスルの広告サービスのコンセプトムービーがアップされていたのでリンク張っておきます。
冒頭から「CMの常識を壊しませんか?」というメッセージから始まり、動画の途中では「効果次第で投資判断変更」など、CMの制作だけでなくプロモーション戦略のサポートまで踏み込んでいることがわかります。
気になる方は以下からご覧ください。
今回は「ラクスルのザワツクお話」でしたが、いかがだったでしょうか。デジタル化による影響は色々な業界に及んでいることが取り沙汰されていますが、新参企業ともともと既存企業との関係はとても気になるので情報を今後もキャッチしていきたいところです。
ということで今回は真面目な感じになりました。以上、Twitterもやっておりますので、是非ご意見いただければ幸いです。
※ちょっと時間がなくて文字が雑過ぎて読めないところありますがお許しください😹
ホワイトボーダーズ#15 完
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