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❝コンテンツスタジオ❞でメディアは生き残れるのか?

皆さんは「コンテンツスタジオ」というものをご存知でしょうか?「ブランドスタジオ」なんていったりもするようですが、最近よく見かけるキーワードだったりします。結構、最近記事にもなってますね。今回はちょっと長い文章になっちゃいましたがその界隈を調べてみました。


「ニューヨーク・タイムズの広告提供を主導しているのは、まぎれもなくこのコンテンツスタジオだ」「パブリッシャー内で影響力増す、コンテンツスタジオの役割」/DIGIDAYJAPAN

ようするにこの「コンテンツスタジオ」ってのはメディアの広告制作部門であったけど今や広告主を自分たちで探して営業したり、メディア本体と関係ない領域にまで進出してて、すごいよ!っていう記事でした。


超クオリティ高めなコンテンツ

で実際はどうなのか?The New York TimesのT Brand Studioのホームページへ飛んでみたら…とてつもないクオリティなワケです!

ほうほう!ただこの記事ではコンテンツスタジオとは?という点がちょっとわからなかったので他の記事も探してみました。

コンテンツスタジオとは、主に広告主企業に対し、メディア企業がその専門性を活かして立ち上げる、企業のブランデッドコンテンツ(ブランドや商品などに関わるメッセージを備えたコンテンツ)やネイティブ広告(一見しただけでは広告に見えないフォーマットを持つ広告)の制作のための組織である米国で「コンテンツスタジオ」開設が相次ぐ今、企業が再考すべき若年層へのコミュニケーション/ITproマーケティング

結構アメリカでは盛んに立ち上がっているというコンテンツスタジオ。最近の流れをまとめるとこんな感じか!よしWBの出番だ!


図解:コンテンツスタジオとは!

❶もともとメディアの広告制作部門だった
❷そこで良質なコンテンツを作り実績を上げる
❸クリエイティブだけでなく自身でお客さん探しちゃう
❹作ったコンテンツをクライアントにあげちゃう
 ▶ あれ?ほぼ「エージェンシー」じゃん! ←今ここ

すごいな~。制作だけやってたのに、自分の強みを活かして商売はじめちゃっている。今回は興味ある分野だし、字が汚すぎるのでパワポにもしてみた。

日本でも誕生している!

このコンテンツスタジオについてで、アメリカではNewYorkTimesの例が出てましたが、日本でもなんとあの読売新聞も立ち上げたとリリースが出てます。こいつは日本でも流れがきたのか?って話ですね。

読売新聞東京本社(本社・東京都千代田区、代表取締役社長・山口寿一)は、企業のコンテンツマーケティングを支援するため、新たに「YOMIURI BRAND STUDIO」(YBS)を設立し、2018年1月からサービスを始めます/「YOMIURI BRAND STUDIO」設立 

また調べてみるとすでに朝日新聞と集英社とDACでコンテンツマーケの同じようなサービスを開始しているようです。そもそも The New York Timesが運営するウェブメディアの日本版をこの2社でやっていたんですね。知らなかった!

この流れ、いわゆる従来型メディアにとってはポジティブな話ではないかと。

むしろそうでもしないとやばくないっすか?とも思ったりします。
ただそれは同じメディアとしても全国紙である読売新聞と、地方で頑張っているローカルメディアとではその果たす役割は変わるんだろうとも思います。
そら、やはり「強み」が違うってのはあると思うんです。


強みを活かす&人に任す

では日本のメディアが強みを活かしてアメリカのコンテンツスタジオのようなオシャレで、素敵なUIで、高いクオリティのものを作れるのでしょうか?正直、メディア全てが出来るってワケではないっすよね…。
ということもあって、読売新聞の例のように自社の「強み」を活かせる部分以外は他に任せるというのが理想なのかと思ったりします。組んだ企業側も読売新聞の「信頼度」を得られるのは様々な面でも重要なポイントってことですし。では、実際にNYTのブランドスタジオの例をみてみましょう。

Plantation to Prison (Paid Post by Netflix | 13TH From The New York Times

これはNETFLIXオリジナルのドキュメンタリーを紹介したものですが、内容が「大量投獄」ということもあり、歴史についての詳しい記事は勿論、データもグラフでわかりやすいし、効果的。またイラストもあるしインタビュー動画もあるし、最後の予告動画まで飽きがこないような設計・配置がされています。
「記事だけ」とか「動画だけ」とかではなく、このコンテンツの「紹介ページ」を全てプロデュースしちゃってるってのが特徴ですね。
この場合は内容的にもNewYorkTimesブランドが効くのかとも思います。


フジテレビがキッチンスタジオ持ってるってよ

例に挙げているのが新聞ばかりとなりましたが、では他のメディアでもこのコンテンツスタジオというビジネスは成立するのか。
クリエイティブな感じとか、雑誌であればなんとなく想像はつきます…じゃあテレビではどうでしょう。

【遂に、テレビ局さんの空間がレンタルできる時代です】フジテレビコンテンツデザインラボ | ビデリシャスキッチンスタジオ 

このシャレオツなキッチン。実はフジテレビが持っているキッチンスタジオとのこと。知ってましたか?何故かT●Sのおひざ元(赤坂)にあるこの素敵なキッチンスタジオ。ビデリシャスという食に関するメディアの制作拠点となっている模様です。

拠点を持ってるのはすごい!「テレビの美術スタッフが作ったオシャレでクオリティの高いキッチン」というだけでなく「テレビ局が実際にコンテンツ作ってる場所」という「信頼度」がありますよね。アンチテレビの方もいるので全ての方に対する「強み」となるとは思わないけど一般的には「スゲーっ」ってなるのかと。

じゃこの信頼性の高い資源(スタジオ)を使ってテレビ局は何を作り出せばいいのか。このポイントをあぶりだすために今回はちょっとビジネススクールっぽいツールを持ち出そうかと思います。
「ERRCグリッド」という有名なフレームワークです。


ERRCグリッドで整理してみるよ

「ERRCグリッドは、業界常識から何を取り除き(Eliminate)、何を減らし(Reduce)、何を増やし(Raise) 、何を創造するか (Create) を考えるために使われる」
引用:イノベーションとマーケティングをつなぐ ―ブルー・オーシャン戦略 (2016年4月/DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー川上智子 )

テレビというメディアの強みを活かしつつ業界の常識を取り除く…なかなか難しいものですが整理してみたよ。はい、自分に当てはめれば間違いなく字の汚さを「取り除く」んだろうけど…なかなか出来ないので今回もパワポ化!

今回はフジテレビのビデリシャスをイメージしてみました。要するに「動画メディア」をあてはめ、新聞の例のように「強みを活かしつつ」足りない部分は「他社に任せる」のを理想的な座組みとして考えてみました(もうやってるし、わかってるしってところもありますが…復習ってことで)

図をみると左側はテレビ局自身の強みでもあるけど「ウェブメディア」であればちょっと考え直すべき内容で、右側は他の専門的な企業と組むべき点。
う~ん、ただなんだかんだ一番大事なとこは「ニーズ」をきちんとくみ取るところでしょうか。コンテンツスタジオでも「ハンドメイド」と説明されてましたね。広告主のニーズに沿ったコンテンツを作り出すってことか。

❝テレビのコンテンツをオーダーメイドで❞

ふむ、これは今までのテレビではあまりやってなかったことかもですね。


まとめ

本当に押し付けがましいのですが、私が勝手に思う、コンテンツマーケにおいて既存のメディアにやってほしいことをまとめてみます。

❑「自社の強みを活かす!」
・広告主とユーザーのニーズをしっかり理解
・そのためなら業界の常識を取り除いちゃおう!
❑「社外の専門家に任せる!」
・自社が出来ないことは無理しちゃダメ!
・持ってない知識や技術の分野は社外にお任せ!
<結論>
 カスタムメイドのような方法で商品開発して
 広告主もユーザーもハッピーな最適な方法で配信

こんなところでしょうか?
タイトルは「メディアは生き残れるのか」ってしましたが、今回とり上げたコンテンツスタジオは一例でしかないでしょう。

メディアにとっての「生き残り」とは国によっても違うだろうし、種類や規模、求められる存在意義によって、そら全然異なってくるでしょう。
なのでなんともいえないのですが…というか…わかんないですよね。

ということで「こんなメディアのサバイバル事例知ってるよ!」とか是非、色々とTWITTERでも、このコメント欄でも、なんでもいいので、ご意見や情報をいただけると嬉しいです!

※DMでも大丈夫です! https://twitter.com/SouthupTOKYO

以上、ホワイトボーダーズ#5でした。
(2017年もう1本、記事を書けるか頑張ってみよう)

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