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青春の後ろ姿のその先64 〜室生犀星〜

 ふるさとは遠きにありて思ふもの
 そして悲しくうたふもの
 よしや
 うらぶれて異土のかたゐとなるとても
 帰るところにあるまじや
 ひとり都のゆふぐれに
 ふるさとおもひ涙ぐむ
 そのこころもて
 遠きみやこにかへらばや
 遠きみやこにかへらばや

 藤村と同じくこの有名な詩もまた、14歳の頃、好きで覚えまして以来、ずっと記憶の中に刻まれていて、もう何十年もの間、時々、誦じてきました。
 内容がいまひとつわからないまま、響きや語呂が良くて自然と覚えたのが最初です。でも今までに幾度となく、この詩のようなことをしみじみと感じる経験をしてきました。感じるたびによくわかる、理解するというのはこういうことだとも実感してきました。


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