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本の感想リスト

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2022年10月の記事一覧

オセローを読んで

オセローを読むのは2回目になる。私はシェイクスピア作品を基本2回読むようにしている。2回読まないと作品を半端にしか理解できないからだ。それはあまりにもったいない。

オセローはシェイクスピア四大悲劇に数えられる傑作だ。オセローを恨む旗手イアーゴーの奸計によって、オセローが自分の妻の不貞を疑い、嫉妬し、破滅していく様を描いている。

この作品で語られるのは『嫉妬』である。七つの大罪の一つにも数えられ

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水滸伝120回本を読んで

水滸伝120回本を読んで

・水滸伝(上)

FGOのイベントは基本、原作を知ってるとより深く楽しめる。今回のハロウィンが水滸伝がらみと知り、それならばと原作の水滸伝に触れてみることした。中身は百二十回本である。

最初に108の魔王が世に解き放たれるくだりで、この世界の『お偉方』がどんな輩かだいたい察し。これはさぞ血湧き肉踊る物語だろうと思い、ワクワクしながらページをめくった。

読了。この本やばい。一部を除いて無頼漢と悪

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水滸伝(下)を読んで

水滸伝(下)を読んで

読んでいるうちに燕青、史進、呼延灼が出てくることがわかり、中盤までとても楽しく読むことができた。

特に燕青が活躍するシーンはとても良かった。とある山で行われた相撲の試合で、自分より遥かに大きな相手にほんの少しも臆せず、取っ組み合いのあとあっという間にひっくり返してしまうシーンはまさに『好漢』と呼ぶに相応しいものだった。

燕青は強いし顔も良いし頭も良い。だが主である盧俊義には信頼されずにぼろぼろ

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水滸伝(中)を読んで

水滸伝(中)を読んで

人肉まんじゅう!酒酒酒!カモがきたぞ!肉にも米にも痺れ薬をぶち込め!とりあえずひん剥いて縛ってからが本番!獄にぶち込まれても金ありゃ天国!暴れるぞ酒をだせ!殺しかけてすみません土下座土下座の土下座3連!梁山泊入りさせるためなら村も焼くし家族も人質だー!!!

……。

水滸伝(中)はこういう感じの内容だ。『いきなり何?』と思った方がほとんどだと思う。申し訳ない。とりあえず一変全部吐き出さないと、冷

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水滸伝(上)を読んで

水滸伝(上)を読んで

FGOのイベントは基本、原作を知ってるとより深く楽しめる。今回のハロウィンが水滸伝がらみと知り、それならばと原作の水滸伝に触れてみることした。中身は百二十回本である。

最初に108の魔王が世に解き放たれるくだりで、この世界の『お偉方』がどんな輩かだいたい察し。これはさぞ血湧き肉踊る物語だろうと思い、ワクワクしながらページをめくった。

読了。この本やばい。一部を除いて無頼漢と悪代官と任侠者と普通

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思考の9割が暴力〜凶乱令嬢ニア・リストンを読んで〜

思考の9割が暴力〜凶乱令嬢ニア・リストンを読んで〜

・私は7割の転生ものが苦手である3、4年ぐらい前からアニメ化もしだした転生ものというジャンル、私は正直これが苦手である。嫌いではない。だが好きで読みたい、見たいとは思えないという話だ。

理由はたくさんあるが、我慢できないのは2点だけだ。
一つ目は異世界人という言ってしまえば部外者が、世界の秩序とかルールをしっちゃっかめっちゃかにぶち壊して得意げになっている様が気に食わないこと。

もう一つは人を

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久しぶりに転生ものを読んでみたら面白かった話④

久しぶりに転生ものを読んでみたら面白かった話④

『これからいろんな経験をし、年月を重ね、肉を貫き、血を浴び、戦と血風に酔いしれていれば、必要なことくらいは思い出すだろう。』

これは物語の序盤、主人公が自分の記憶を思い出せないということに気づいた時のモノローグである。色々とおかしいが、前世が『英雄』らしい彼女ならそういうこともあるかも知れない。

『良心の痛まない拳とは気持ちいいものだ。
 それをふるえる相手が、あと四人もいるわけだ。
 時間は

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久しぶりに転生ものを読んでみたら面白かった話②

舞台は異世界。貴族の家の娘の体に、主人公が転生させられるところからが始まりである。

この世界には反魂術という、死者の魂を生者の体に移す技がある。主人公はその技によって、病弱で死にかけていた娘に魂を移された。詳細は省くが、主人公は1、2日経つと死んでしまう体を術で復活させ、周囲にはそれを隠したままニア・リストンとして生きることになる。

元のニアは病弱で生きているのが精一杯の4歳の幼女だった。激し

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久しぶりに転生ものを読んでみたら面白かった話①

久しぶりに転生ものを読んでみたら面白かった話①

3、4年ぐらい前からアニメ化もしだした転生ものというジャンル、私は正直これが苦手である。嫌いではない。だが好きで読みたい、見たいとは思えないという話だ。

理由はたくさんあるが、我慢できないのは2点だけだ。
一つ目は異世界人という言ってしまえば部外者が、世界の秩序とかルールをしっちゃっかめっちゃかにぶち壊して得意げになっている様が気に食わないこと。こいつ何様なのと思ってしまって嫌悪感が湧く。

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『アーネンエルベの1日』を読んで

『アーネンエルベの1日』を読んで

コミケ100で頒布された型月稿本に収録されたアーネンエルベの1日、読了しました。

さいっっっっっこうでしたね!セイバーアルク式の3人が同じ机で談笑してるという最高のシチュ!出番の多い上にギャグにも巻き込まれる七夜!ゴルゴン三姉妹にたかられるエルメロイ2世!店員ジョージ3連死に凛ちゃんバックドロップと迷場面めじろおし!ほんと終始笑いっぱなしでした🤣

それにギャグ以外のところもめちゃくちゃ良かっ

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