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【妖珈琲物語】第6話「美味しいコーヒーの淹れ方」

【妖珈琲物語】

おは妖ございます。妖店長です。
コーヒーが飲めるようになって「半年」で、自家焙煎・販売までたどり着いた「自家成分焙煎 妖珈琲店」店長の珈琲物語を連載しております。
宜しくお願い致します。

2000年頃、幼少期に飲んだインスタントコーヒー(ロブスタ)が苦く、トラウマになりブラックコーヒーを遠ざけて生きてきた妖店長

2022年11月4日「スタバ リザーブ」のバリスタさん(現役看護師)が淹れて下さったコーヒーが美味しく感動。
ドリップセットを即日購入して持ち帰り自分で淹れるも、激不味く撃沈したため、「世界一のバリスタさんを探せば何か情報が得られるだろう」と検索。

⇒粕谷バリスタ
のTwitterより「Ca、Mg、pH」というキーワードが。

第5話では「コーヒーに合う美味しい水」を追求しました。



【2023年1月】

「美味しいコーヒーの作り方」


いきなりで恐縮ですが.…
Q.「美味しいコーヒー」って、何でしょう?

浅煎り(酸味主体)が好きな人もいれば、深煎り(苦味主体)が好きな方もいらっしゃいますよね。
A.「味の好みは人それぞれ」=「美味しいに正解はない」になる。

し、か、し!
後味にいつまでも残る「雑味」「エグみ」「過度な渋み」は、誰しもが避ける味だと思います。

元々コーヒーが苦手だった妖店長の考える【理想のコーヒー】があります。
それは.…
「(誤魔化しが利かない)ブラックでも飲みやすいコーヒー」
「冷めても(時間が経っても)すっきり飲めるコーヒー」

※この時期は、まだ「良いコーヒーの定義」が分からなかったので別の記事でご紹介する予定です。

この【理想のコーヒー】を基準に追求した結果を以下にまとめました。
では、いってみましょう!



①焙煎後少し豆を寝かせる

☆焙煎する過程でガス(二酸化炭素)が出来ていきます。

・「焙煎直後」にコーヒーを淹れてしまうと、ガスとお湯ばかりがイチャイチャしはじめ、コーヒーとお湯の接触を阻害して「抽出が薄くなりやすい」と考えます。

・焙煎日を0日とした場合、「焙煎後5日~7日位から味の角が取れて丸くなってきて飲みやすい」印象が当店経験的にはあります。


Q.新鮮なコーヒーは必ず「コーヒードーム」ができるか?

焙煎の化学反応を理解されていない自家焙煎珈琲店さんはよく
×「当店の豆は、抽出時にコーヒードームが出来るから【美味しい】
△「当店の豆は、抽出時にコーヒードームができるから【新鮮】
などと記載します。

・焙煎したての珈琲豆の方がガスを多く含有するのは事実ですが…
 焙煎過程が短い「浅煎り」や、焙煎が長く豆の細胞が破壊されてガスを取り込みにくくなっている「深煎り」は、抽出した際にガスが発生しにくい事も、可能性としてあります

細挽きの方が表面積が大きくなり、膨らみやすいため
 粒度によっても変わってきます。

☞二酸化炭素の量で「抽出濃度」の話をされるのは分かりますが…
 コーヒードームの出現に、テクニック/味/美味しさは関連しません
 珈琲豆の値段と味は比例しません。

※例:ブラジルの豆が安価なのは生産量が多いから。不味いからではありませんよね?

A.コーヒードームはあくまで新鮮なコーヒーの「一つの指標に過ぎない」です。



②欠点豆の除去

前回同様、粕谷バリスタのTwitterより「Ca、Mg、pH」というキーワードの他「欠点豆」というキーワードが。

欠点豆・チャフ(薄皮)は「雑味・エグみの原因」になるので取った方が良いです。

・欠点豆を除去する事を「ピッキング」や「選別」等と言います。
 選別することで劇的に味が変わります
 トレイに少しずつ豆を出し、ピンセットで別の容器に欠点豆を除けるやり方がスムーズかと思います。
※焙煎前の生豆状態での選別+焙煎後の焙煎豆での選別(二回施行)が一番ベストです。

・チャフの除去は、
 ①豆を極粗挽きにする。
 ②チャフをカメラのブロアーで吹き飛ばす
 ③挽きたい挽き目にいつも通り挽く

 …といった感じで除去します。
※私はあまり浅煎りを飲まないのでチャフの除去はほとんどしません。


③水の選択


前回の第5話に詳細を書いていますが、「コーヒーに合う水の基準」を記載したブログを発見したため、それを自分なりに解釈したのが以下のツイートになります。


極論:天然水や精製水にMgとCaを添付して理想の味に近づける
☞莫大な時間とお金がかかるため、私は①浄水器濾過後の日本の水道水②市販の天然水で研究を終わりとしました。



④豆とお湯の比率

「ゴールドカップスタンダード」という基準があります。

上記サイト内の”Coffee Brewing Control Chart”をご覧下さい。
=1965年にアメリカの業界団体である「Coffee Brewing Center」が発表。
 「適正なコーヒーの抽出度合いのコーヒーなのかを評価」するグラフ

※前回の第5話にご紹介したTDS(濃度)が絡んできますのでそちらも合わせてご参照ください。

ゴールデンカップスタンダートの中では、多くの人が美味しいと認知する適切な抽出度合いは、使用したコーヒーの18%~22%といわれています。

一般的にコーヒーの抽出は、抽出の前半は酸味成分が多く抽出され、後半になれば苦み成分が抽出されます。

この18%~22%というのは、酸味と苦みのバランスが良く、多くの人にとって飲みやすく、コーヒーごとのキャラクターが判別できる、ちょうどいい抽出度合いなのです。

仮に18%未満の場合だと、酸味成分が強いだけでなく、全体としてバランスの悪いコーヒーに感じます。豆によっては青臭い味がしたりします。
また22%以上になってしまうと、苦みが強すぎるため、コーヒー個々の特長を感じることが難しくなります。

絶妙なバランスのコーヒーのことを「ゴールドカップ」と言う
「1Lのお湯に対して、55g~60g」が絶対の基準
になります。

Roast&Chill

「ゴールドカップ」の絶対的基準=豆55g~60g:湯1000ml
これを単純計算すると、1000÷60=16.666

お分かりでしょうか?
「ゴールドカップ」≒豆1:湯16!
ハンドドリップの豆とお湯の比率が1:15~16のレシピが多い理由です。

※TDS(濃度)計があれば一番正確ではありますが、18K万年筆が買えるお値段するので日常的に摂取するコーヒーであれば、上記目安で良いと思います。

例)飲みたい総量が250mlとすると…
 250ml÷1615.6g←基準の豆の量になります。

妖店長がコーヒーを淹れる場合、大まかに計算して…
150ml:約10g/250ml:約15g/350ml:約20g…としていきます。


比率のアレンジ
「ゴールデンカップ」の豆1:湯16(基準)で淹れて…
薄かった場合は、豆1:湯14…と湯量を少なくしていく。
濃かった場合は、豆1:湯18…と湯量を多くしていく。


⑤豆の粒の大きさ(粒度)

焙煎豆のままでは、コーヒーは適切に抽出できません
 そのため、粉砕する。ミルで挽く工程が必要になります。

手挽きミルと電動ミル(詳細は割愛)があるのですが、1~2杯であれば手挽きミルで十分かと思います。

◎評価が高い手挽きミル
 「コマンダンテ」や「タイムモア」が良いとされています。
粒が均一になる→抽出がムラなく行える→濃度も一定になりやすい。
何十段階も粒度設定があり、細かく調整が可能です。

妖店長は上記を持っておらず下記を使用しています

6段階で大まかに調節できる、セラミック製臼ミルです。
・1-2:エスプレッソマシン
・2-3:モカポット
・3-4:ドリップ式
・4-5:フレンチプレス
・5-6:水出しポット
1になる程、粒が細かい  <  6になる程、粒が大きい

☆粒度のアレンジ
ハンドドリップ基準の3-4(中挽き)で
薄かった場合は、粒度を細かくしていく。
濃かった場合は、粒度を大きくしていく。
お湯と接触する「表面積を変える」ということです。

妖店長、個人的に「各器具に合わせた粒度」に挽ければ良くな~い?
といったアバウト感覚でおります。
(理由は、後述)
こだわる方は、茶こし等でふるいにかければ粒は揃い、微粉も除去できます



⑥お湯の温度

焙煎度合いによって豆の「水分量」や「硬さ」が変わってきます。

【焙煎】
生豆→浅煎り→中煎り→深煎り→炭
焙煎度が深くなるほど、水分が蒸発して飛んでいく
焙煎度が深くなるほど、細胞壁が壊れて柔らかくなる

上記を踏まえて、
粕谷バリスタ考案「4:6メゾット」を見ていきましょう。

水は浄水で軟水(硬度30~50がおすすめ)。
沸かしたてのお湯は湯温が高すぎて雑味が出やすいので避けた方がよい。
浅煎りには93℃前後
中煎りには88℃前後
深煎りには83℃前後、が目安。
なるべく細口のケトルを使うと良い。

粕谷哲

100℃になると雑味が出やすい
浅煎りは抽出しにくいので90℃前後の高温で抽出
深煎りは抽出しやすいので80℃前後の低温で抽出
…ということになります。

☆湯温のアレンジ
大まかに上記を基準にして
薄かった場合は、湯温を高くしていく。
濃かった場合は、湯温を低くしていく。



⑦抽出

いよいよ抽出です。

👆抽出に細かくこだわりたい方は、圧倒的に「4:6メゾット」推奨

一般的にコーヒーの抽出は、抽出の前半は酸味成分が多く抽出され、後半になれば苦み成分が抽出されます。

Roast&Chill

…と「④豆とお湯の比率」で引用致しました。
つまり、あんまり時間かけて抽出していても雑味が出やすいということです。

この法則に気づき、「4:6メゾット」を超える!?と言われているのが、粕谷バリスタご本人考案の「悪魔のレシピ」です☟


「4:6メゾット」では、「3:30 ドリッパーを外す」とあります。
dripしてから3:00~3:30頃が雑味抑えて抽出できる+TDS(濃度)的にも適切な時間なのかな?と個人的には判断しています。



「妖珈琲店抽出レシピ」

①~⑦までを踏まえて、
当店専用抽出レシピいってみましょう!

イ.当店「成分焙煎珈琲」を購入。
欠点豆除去済

ロ.7日間程、豆を寝かせる

ハ.水の選択(推奨)
※前回、第5話参照。
どの焙煎度にも合う:「アルプスの天然水」
☞浄水器濾過でカルキ臭除去した日本の水道水

浅煎りに合う:「クリスタルガイザー」

深煎りに合う:「エビアン」

ニ.豆とお湯の比率
豆1:湯16

例)飲みたい総量が250mlとすると…
 250ml÷1615.6g←基準の豆の量になります。

妖店長がコーヒーを淹れる場合、大まかに計算して…
150ml:約10g/250ml:約15g/350ml:約20g…としていきます。

ホ.豆の粒の大きさ
中挽き。VKCHEFだと3~4推奨

ヘ.お湯の温度
浅煎りは90℃前後、中~深煎りは85℃前後

ト.抽出
2投、終了3:00

・1投目
☞00:00~00:30
↳細口ケトルで粉に湯をゆっくり乗せるイメージで点滴drip。
 豆をふやかして「蒸らし」、表面積を広げ抽出しやすくする。

・2投目
☞00:30~03:00
↳残りの湯を円を描きながらまんべんなく注ぐ。

3:00になったらドリッパー内に残っていても外して終了
↳残っているのは雑味の温床です。

良く攪拌して、30分以内に召し上がれ。
※ホットコーヒーは30分、アイスコーヒーは5時間が美味しく召し上がれる期限。




【結論】
最初の抽出50mlでほとんどの成分が出ているので、どんな淹れ方でもいいです。
=当店の「成分焙煎珈琲」は誰が淹れても成分を摂取できるということ。

【究極成分レシピ】
☆さっさと50ml成分抽出して、残破棄→カップにお湯入れて攪拌して飲むもあり。

コーヒーの淹れ方に正解はないのです。
50ml以降は「嗜好品の液体」
なので…。

皆さんも、自分に合うコーヒーの淹れ方を見つけてはいかがでしょうか?
面白いレシピが出来たら是非教えて下さいね!!

◎こちらをまとめたレシピを
当店「成分焙煎珈琲」購入者様限定で同梱しております。
是非ご購入下さい。

今日はここまで!
お読み頂き、ありがとうございました。

次回は、妖店長が「コーヒーの欠点豆から○○を開発した話」になります。

2023年5月20日
「自家成分焙煎 妖珈琲店」店長:外堀 妖

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