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無意識のうちに、雑な時間を過ごしていないか?

カンボジアと日本では、時間の流れる速さが違う。

カンボジアはゆっくり。
日本は素早い。東京は世界有数の素早さだと思う。

元々体感として感じていたこともあるし、よく話される話題だとも思う。

でも。
私は昨日、カンボジアに日本のスピードを持ち込んでしまったと自覚した体験があった。

そんな経験をしたので、是非書き留めておきたいと思う。


ながら行動は当たり前じゃない

日本にいると、「○○しながら○○する」ってよくやると思う。

なんなら、「ながら運動」という名目のものもある。

オフィスにいながら、テレビをみながら、料理をしながらできるエクササイズ、というわけだ。

日本では「ながら行動」は日常的だし、お得感すら覚えるような印象もある。

一方、カンボジアに「ながら行動」は、ほぼ無い。

ほぼとつけるのは、店番をしてるお兄ちゃんがスマホゲームをしているなど、「待つこと」の暇つぶしとしてのながら行動を見かけることがあるからだ。

でも、具体的に動いている最中でのながら行動は見かけたことがない。


カンボジアに持ち込んだ日本のスピード

昨日、AEONに行った。

チキンの仕込みにギリギリ間に合うくらいの時間でその日の作業を終えられた。
だから、小腹を満たすためにフードコートでご飯を食べて帰ろうと思ったのだ。

注文したのは、カツ丼。

ファーストフード的にすぐに出てくるかと思ったら、案外しっかりつくってくれたので時間が足りず、テイクアウトにしてもらった。

このツイートの後、グラブで配車してもらったトゥクトゥク内でカツ丼を食した。


日本では、移動中の飲食はマナーが悪いと言われることもある。

カツ丼ほどヘビーなものは無いけど、私は日本でもながら食べをやってしまう。
実際、タクシー内で食べたり電車内で食べたりしたことがある。

それは、「時間がないから今食べないといけない! 」という気持ちが先行しての行動だ。
(あとは、今すぐ食べたい衝動を抑えられないかのどっちかだ。)

そして今回、カンボジア人生初の「ながら食べ」をしたことで、移動も食事も、どちらも中途半端になってしまうことに気付いた。

カツ丼はおいしかったし移動はスムーズだったけど、同時進行のお陰で両方の楽しさが半減してしまったなあと思った。

カツ丼がこぼれないように、意識を集中させないといけなかったし。
いつも移動中に通りかかる市場の様子は見れなかったし。

「時間を丁寧に過ごせていない感じ」に、気持ち悪さを覚えて反省した。


ちなみにカンボジアでは、トゥクトゥク内でご飯を食べている私のことは、運転手さんを含めて誰も気にしなかった。
「人は人、自分は自分、みんな自由だ」という文化の国だから、当然かもしれない。

無意識のうちに雑な時間を過ごしていないか?

今まで全く意識していなかったけれど、そう考えていみると日本にいた私は雑な時間を過ごしまくっていた。

オフィスに出勤して、朝ご飯を食べながらメールを返して。
移動中にパンを食べて、後輩の話を聞きながら別のことを考えて。

その行為はある種複雑すぎて、心身は追い付けないことだったのかもしれない。

例えば、カツ丼をこぼさないように神経を集中させながら車に乗って、目的地に移動する。その間に同時進行でカツ丼を味わう。

同時に色んなお皿を回さなきゃ・回さないと! と思うばっかりに、本当に大切にしなきゃいけない自分の感覚はどんどん置き去りになっていく。

そんな感覚を味わった。


その感覚に気付けたのは、私が今カンボジアでシンプルに生きているからだと思う。

朝起きて、市場に行ってチキンを仕入れて、ご飯を食べて、作業をして、仕込みをして、お店をして、寝る。

私がやること・考えることの殆どはこの一連の流れのこと。

そこにはそれ以上の複雑なことはないし、それぞれの時間にそれ以外のことを考える必要があることは少ない。
そのお陰で私は、一つ一つの行為に全ての感覚を注げる。

カンボジアに住む人々は、みんなそう。

移動しながらご飯を食べる人は居ないし、カフェで話すときは携帯を触って無言の時間も無くひたすら話す。

一つ一つを丁寧に過ごす。

そうすることで、今まで見落としていた良さや有難さ、更には自分の中に感じる違和感に気付けるようになった。

日本に帰っても「丁寧な時間を過ごす感覚」を忘れなければ、カンボジアの人々のような気持ちで過ごし続けることができるだろうか。

是非そうしたい。これは帰国後の挑戦。

ご清聴、ありがとうございました。

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