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土竜のひとりごと

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エッセイです。日々考えること、共有したい笑い話、生徒へのメッセージなどを書き綴っています。
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#笑い話

第112話:方言

第112話:方言

■ そうだら・・東京に出て、初めて自分が方言を喋っていることを知った。

大学に入った4月早々、友達と話をしている時、何の気なしに
「そうだら」
と言ったら、友達がケラケラと笑い出し、
「何だ、お前、その『そうだら』っていうのは」と言い、
「『だら』だって」と更に笑いこけ、
会う奴、会う奴に、「おい、あのさあ」と言いまわり、人をさんざん侮辱し、僕の尊厳を傷つけた。

この『だら』ということば(助動

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第190話:なぞなぞ

第190話:なぞなぞ

 
授業はお互い疲れるので、時々、生徒に「なぞなぞ」を出して遊ぶことにしている。

例えば、(これはローカルな質問で静岡県東部を地元としている人でないと分からないかもしれない)

答えは二人が久しぶりに再会した時に言うであろう、「いとう」「よお、かとう」という挨拶をそのままつなげて口にすると、「イトーヨーカ堂」が正解ということになる。イトーヨーカドーは沼津にもあるので、地元の高校生なら割とすぐに答

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第30話:忘却とは忘れ去ることなり

第30話:忘却とは忘れ去ることなり

“忘却とは忘れ去ることなり”という人口に膾炙した言葉がある。

まったく当り前なことを言っているこの言葉の、しかし、ひどく単純でしかも素朴なリズムは、まさしく「なるほど」と人を納得させるだけの響きがあって、どこか高尚な何かを感じさせたりする。

自慢する訳ではないが僕は全く記憶力に優れていない。ほとんどそういう能力に欠けていると言って過言ではない。

ついこのあいだも、テレビを見ている時につまらぬ

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第91話:自販機との闘い

第91話:自販機との闘い

何だか最近缶コーヒー中毒に陥っていて、朝夕の通勤で車に乗っていると缶コーヒーが無性に飲みたくなって、ついつい自動販売機の前で車を止めてしまう。

職場に行けばインスタントながらコーヒーはあるし、朝は家で紅茶を2杯は飲んで来るので、強いて缶コーヒーを飲む必要はないのだが、気付くと自動販売機にお金を入れている。

こんなものばかり飲んでいると糖尿病になってしまうとか、120円だって僕には惜しい金だと、

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