シリーズ 【ふせんをはりたい、ことばたち。】 #6 「お母さんが幸せじゃないと、子供は幸せにはなれません」児童精神科医・佐々木正美先生のセミナーより
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もうずいぶん昔のことですが、児童精神科医である佐々木正美先生のセミナー(講演会)に通っていたことがあります。
「佐々木セミナー」はとても人気で、コンサートなども行われるような大きなホールで毎回開かれていました。
薄暗いホールには、仕事帰りの保育関係者の方々がノートを片手に集まっていて、私もその中の一人でした。
当時とてもお忙しかった佐々木先生は、多くの場合舞台袖からではなく、客席後方のドアからさっと入ってきました。
スーツ姿に重そうな書類カバンを持ち、仕事場から直行してきた、という感じでステージに上がると、
「どうも、遅れてすみません。仕事が長引いてしまいましてね…」
と、汗をふきふき、そのままお話を始めるのでした。
私は、
「北野大さん(北野武さんのお兄さん)に似てるなあ…」
とか考えながら、その心地よいお声に、仕事帰りの疲れでついつい眠気に誘われてしまったことも…!
今思い返してみても、現在では当たり前でも、当時はあまり一般的ではなかった子育てや保育に関する考え方が、たくさん詰まっていたように思います。
その中でも印象に残っていることばを紹介します。
保育者向けの言葉ですが、今でもよく思い出します。
「あいさつは大事です」
というのは社会の常識としてよく言われますが、
「大事だからするあいさつ」
となってしまうと、確かにそれだけではちょっと…という気がします。
現在、私はもう保育者ではありませんが、ふとしたきっかけで思い出しては、あいさつなどの後に何かひと言、付け加えたりしています。
(けれど根が人見知りなので、ドギマギしてうまくできないことも多々…!)
佐々木先生は、強く伝えたいことは繰り返しおっしゃっていて、
「お母さんが幸せじゃないと、子供は幸せにはなれません」
という言葉は、根気よく何度も何度も伝えられていました。
子育て中のまさに今、心に留めておきたい、大切な言葉だと思いました。
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