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シリーズ 【ふせんをはりたい、ことばたち。】 #6 「お母さんが幸せじゃないと、子供は幸せにはなれません」児童精神科医・佐々木正美先生のセミナーより

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もうずいぶん昔のことですが、児童精神科医である佐々木正美先生のセミナー(講演会)に通っていたことがあります。
「佐々木セミナー」はとても人気で、コンサートなども行われるような大きなホールで毎回開かれていました。

薄暗いホールには、仕事帰りの保育関係者の方々がノートを片手に集まっていて、私もその中の一人でした。

当時とてもお忙しかった佐々木先生は、多くの場合舞台袖からではなく、客席後方のドアからさっと入ってきました。
スーツ姿に重そうな書類カバンを持ち、仕事場から直行してきた、という感じでステージに上がると、

「どうも、遅れてすみません。仕事が長引いてしまいましてね…」

と、汗をふきふき、そのままお話を始めるのでした。


私は、

「北野まさるさん(北野武さんのお兄さん)に似てるなあ…」

とか考えながら、その心地よいお声に、仕事帰りの疲れでついつい眠気に誘われてしまったことも…!

今思い返してみても、現在では当たり前でも、当時はあまり一般的ではなかった子育てや保育に関する考え方が、たくさん詰まっていたように思います。


その中でも印象に残っていることばを紹介します。

孤立しているようなお母さんにはね、あいさつの後に必ず何かひと言、付け加えてみて下さい。

「おはようございます、今日は暑いですね!」とかね。なんでも良いんです。

そうしますと、お母さんはだんだんと、自分は受け入れられているんだな、と思えるようになるんですね。

繰り返し言いますが、お母さんが幸せじゃないと、子供は幸せになれません。

佐々木セミナーより(※数十年前の、私の記憶の中の佐々木先生の言葉です。一字一句このまま、というわけではありません。)

保育者向けの言葉ですが、今でもよく思い出します。


「あいさつは大事です」

というのは社会の常識としてよく言われますが、

「大事だからするあいさつ」

となってしまうと、確かにそれだけではちょっと…という気がします。


現在、私はもう保育者ではありませんが、ふとしたきっかけで思い出しては、あいさつなどの後に何かひと言、付け加えたりしています。
(けれど根が人見知りなので、ドギマギしてうまくできないことも多々…!)


佐々木先生は、強く伝えたいことは繰り返しおっしゃっていて、

「お母さんが幸せじゃないと、子供は幸せにはなれません」

という言葉は、根気よく何度も何度も伝えられていました。


子育て中のまさに今、心に留めておきたい、大切な言葉だと思いました。


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