ノベルゲームは一人称視点=何でもは知らないわ。主人公が知らないことは知らないもの(ノベルゲーム制作講座 35 テキスト編②)
ノベルゲームでは、主人公とユーザーが同じ視点で物語を観測する。
情景描写は、主人公の一人称視点であることを意識する。
一人称視点なので、主人公が知らないことは描写できない。
■一人称視点ってなぁに?
ノベルゲームは映画やドラマ、アニメや漫画とは違い、基本的に一人称視点でゲームが進みます。
『一人称視点』とは、物語を主観で観測すること。
主人公=物語の観測者の視点と、ユーザーの視点が一致している状態です。
FPSシューティングと同じように、
主人公は画面内に登場せず、主人公視点=ユーザーの視点となります。
なお、観客として舞台を見るように主人公を別の視点から観測することを、『三人称視点』、『客観視点』と言います。
■情景描写は、一人称視点であることを意識しよう
地の文で状況描写を行う際は、主観視点であることを意識してください。
主人公に苦悶の表情を浮かばせたい場合、主観視点なら
く、くるしい……っ。だが、ここで負けるわけには……!
と内面描写を地の文で表現します。対面者の台詞で「無様な。苦悶の表情を浮かべおって」と書いてもいいでしょう。
客観的な視点(神視点、第三者視点)なら主人公の立ち絵が出ているので、表情差分として苦悶の顔を指定したり、
主人公(く、くるしい……っ!)
だが、主人公は思った。ここで負けるわけにはいかないと。
と、心の声や内面描写を客観的に描写します。
視点がブレるとプレイしているユーザーが混乱します。
「今現在、誰視点で物語が進行しているのか」常に注意を払いましょう。
■一人称視点にも種類がある
ノベルゲームは主人公の一人称視点で物語が語られますが、一人称視点にも種類があります。
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内勤ライターとして、美少女ゲーム業界で15年以上働いてきた経験と、そこで得たノウハウを文章にまとめています。ゲーム業界特有の謎規則や技術解説、仕事に取り組む際の心構えなどもご紹介。応援してくださると定期的に記事が更新されます(人間だもの)