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「秋の彼岸に色とりどりのおはぎを」

 刷毛で伸ばしたような薄雲が広がる秋空の下、土手に並ぶ彼岸花は地元の小学生が植えたものです。小道に並んで、今年も秋の彼岸を迎えました。仕事と執筆の合間に作れるかな、どうかな・・・と思いつつ、そろそろあんこが食べたいと思います。台所で材料の在庫を確認。

もち米220gに米320g。もち米100%が好きですが在庫が無いので今日は混ぜます。はかりでグラム計算したため3合以上に。
※一合は約150g・180CCです。

あんこ・・小豆210g、三温糖100g、黒糖3かけら、塩ひとつまみ
※三温糖は毎回好みで量を調節します。甘さ控えめが好きです。

青海苔・・・適量、塩適量
※あんこも入れないで作ると箸休めの磯風味塩味おはぎができます。

そして今回は新しいお味に挑戦します。旬に入りました北海道産の九重栗南瓜が大変良い状態で店頭に並んでいました。料理に使おうと思い買っておいたのですが、おはぎにも使ってみようと思います。かぼちゃのあんこ。パイ菓子などで食べた事はありますが作るのは初めてです。

南瓜あん・・・九重栗南瓜(皮をそぎ落とした状態)400g、三温糖45g、黒糖3かけら、塩2つまみ。



仕事が終わって帰宅した深夜、もち米を洗って水に浸しておきます。ああもう、おいしいおはぎを作るしかありませんね。

翌朝、洗濯など済ませてからお台所へ。調理開始です。

残り少ない黒糖。次はいつどこで出会えるかわかりません。
南瓜はさいころ大位に切って半身浴状態で蒸し煮にします。落し蓋にはキッチンペーパー。

ごはんの鍋でもち米と白米のミックスを炊き、隣で小豆をぐつぐつことことしました。もう少し水分を飛ばした方が良いと思いつつ、取り上げて冷蔵庫で冷まします。

冷めたもち米を俵型に成形します。今回は小さめを意識して作りました。数えてみるとちょうど60個に。はだかんぼのおはぎモドキが並んでいるだけで可愛いなあと思ってしまいます。
さてそれでは三種の衣を纏わせて参ります。まず南瓜あんです。冷めて固さは出ましたが、シルクのように滑らかなあんです。これは初めての手触り、新鮮な気持ちで包んでいきました。続いて小豆あん。やはり緩めです、時間がも少しあれば良かったのですが、仕方がありません。完全に冷めれば問題ないと思います。味にも期待しています。最後に青海苔。お皿に出した時からいい匂いがしています。これだけ塩味です。もち米の大きさは他と同じなので仕上がりが小振りになります。

まずは仏様へ御供するものを仕上げました。秋らしく、愛らしい仕上がりです。


仏様にお味見して頂いている間に残りも全て仕上げに入ります。丸桶に並べてみました。南瓜の黄色が冴え冴えしく輝いて、青海苔と好いコントラストです。そこに定番の小豆が落ち着きを見せてくれます。中々良いバランスになったのではないでしょうか。まさに秋色、秋味です。

みなさまもよろしければどうぞ御一緒にいかがですか。


「美味しい秋、いただきます」

小豆餡、ちゃんと美味しい、良かったです。青海苔、塩がいい味出しています。小ぶりで食べやすいです。そして南瓜あん、本日のMVPを君にあげる。甘過ぎるかと思いましたがおはぎになると尋常な甘さでした。後は好みでしょうか。もっと素朴に作るなら三温糖半減してもいいかもしれませんが、そうすると今度は餡が緩すぎる様な気がします。又試してみたいです。いきなり挑戦しましたが、合格点です。
外はあいにくの空模様ですが、粒ぞろいの晴れやかなおはぎで秋の彼岸を堪能して幸せです。

「ごちそうさまでした」

                      文と料理と写真・いち



※こちらは昨年の秋の彼岸を味わう話です。


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