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食の風景

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「食の風景」とは、食に纏わる美味しいお話から、料理のあれこれを、時に脱線しながら、思うままに腕を揮っては語っております。レシピは無いけれど、今日も美味しいご飯を一緒に食べませんか。
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2021年1月の記事一覧

「食の風景・がやめばるの煮付け」

 今日は、毎年季節になるとスーパーへ並ぶ、お値段も手頃で美味しいがやめばるのお料理です。  私は魚介も大好物なのです。焼き魚も堪らないですけれど、煮付けも其の優しい味わい、ほぐれる身の柔らかさが思わず頬の綻ぶ程好きです。  煮付けと云ってもそれほど濃い味付けにしないのが私流です。素材の旨味が一番の味付けです。鍋の下には板昆布の切ったのと、大根の薄切りを並べます。この日は人参も入れていますね。その上に尾鰭と背鰭を洗った魚を載せます。内臓等の下処理は、スーパーで買うとき、魚屋

食の風景・牛ステーキ

 沢山運動したらこれだ。血と肉が必要な時はこれに限る。と元気よく始まった今回の食事は牛ステーキ。  煙上がるほど熱した鉄のフライパンへ、塩胡椒したステーキ肉をどんと載せる。サーロインでもヒレでも良い。わが家では国産牛かオージービーフが好評である。途端にじゅうじゅう焼け始めて、表に赤い肉汁が浮かべば引っ繰り返す合図だ。火は強めのまま、一気に表面だけ焼く。焼き色が付けば直ぐに止める。中はほんのり赤い、レストランと同じステーキの出来上がりである。肉が薄い場合は焼き色を付ける事より

食の風景・たらこと高菜のスパゲッティ

 祖母と母は食器が大層好きな人たちだった。家の台所には、和洋様々の食器が大きな食器棚二つへ所狭しと並んでいる。特別高価な物は無い。けれど屹度全てに想いが詰まっている事と思う。外で一期一会の出会いと見惚れては、少しずつ、買い求めて来たらしいそれらの食器は、古い物も多いけれども品が良く、美しく、大切に使われてきたとよく分かる。その証拠に二人はお皿が一枚割れると、欠片を両の手の平へ拾い集めては一頻り悲しむような人たちであったから。その様子は傍目に、執着と云うより愛着に見えた。これが

「食の風景・焼き鮭定食」

 今年から始めた「食の風景シリーズ」ですが、折よく味の素さんがnoteとコラボしてコンテストを開催されていますので、私も食の楽しさをどんどん発信していこうと思います。  今日は定食「ごはん・味噌汁・焼き鮭・煮物・漬物」です。わが家のご飯には雑穀やもち麦が入ります。仕上がりはほんのり柔らかな赤紫色。真白のご飯も好きですが、雑味の増すご飯の味を一度知ってしまうと、抜け出せなくなりました。栄養価も高い上に美味しいなんて、幸せではありませんか。続いて汁物、この日は赤出汁の味噌汁にし

「食の風景・牛たたき」

 今日はわが家のおせちにも登場する牛肉のたたきを御紹介します。スーパーなので売られている牛もも肉のブロックを使います。オージービーフでも十分美味しく仕上がります。私は加工の無い只の鉄のフライパンでないと上手く料理出来ません。テフロン加工のフライパンで炒め物など作っている場面に出くわすと、凄いなと思ってしまいます。火加減にもコツが在るのでしょうね。因みにホットケーキやお餅は加工の方で作ります。  火を点けて熱し始めたフライパンに油を敷きます。満遍なく塗るイメージです。肉を焼く

「食の風景・記念日」

 これは去る年の家族の誰かの誕生日パーティーでのお料理だと思われます。デジカメに残っていた十年以上昔の光景です。ケーキが見当たらない所をみると、父の時かもしれません。家族に後二人同じ月に誕生会をする子どもが居たので、ケーキはそちらに回されたのでしょう。代わりに奥にトマトの器に盛られたものがあります。私が「フォローありがとうございますキャンペーン」に使用している画像の料理です。  人数が多かった当時、膳の上がこんなに端までお料理でいっぱいになる程用意していたとは、今では遠い記

「食の風景・お雑煮」

 お正月に因んだ食の風景もそろそろ終わりでしょうか。松の内も開けてからのご紹介となりましたが、元日の朝と云えばお雑煮です。餅、大好物です。年中食しますが、年明けから暫くは家で作ったお餅が食べられるので幸せです。違う季節にも作ればよいのですが、中々そうもいきません。けれど年に一度だから一層美味しくて味わい深いという側面も在るような気がします。餅の形も、地方によって様々なんですね。県外に引っ越して、初めてその事実に気が付きました。わが家は丸餅を作ります。切り餅は市販品の事だと思っ

「食の風景・おせち」

 今日はわが家のおせちをちらり紹介します。毎年三が日はおせち中心の食事になるのがわが家のお正月です。と云って中身は長い年月を経て少しずつ変化して来ました。それから人数も減っていき、品数も今年はさらに減らしました。仕込みの関係もあったのですが。  では中身を簡単に紹介します。手前の器から時計回りに・有頭海老の酒炒りと数の子と貝の時雨・お煮しめ・伊達巻と紅白かまぼこ・紅白なますと竹の子の梅肉和え・生ハムサラダとチーズ盛り・です。中央は黒豆煮ですね。  朝ご飯仕様のおせちです。

「食の風景・年越し蕎麦」

 こちらは大晦日に頂きました一年の〆ごはん、年越し蕎麦です。私は一年中お蕎麦が好物なもので、年の瀬に好物で〆られるなんて幸せだなといつも思います。わが家の年越し蕎麦は美味しい国産牛肉と板昆布をメインにお出汁を取ります。職場で出て来る使わない部分の下仁田ネギも頂戴して一緒にことことします。  自分の作る料理の味付けは、実は母の味なんですね。隣へ立って教わる時間は無かったのですが、舌の記憶と、日常でさり気なく口にしていた言葉を思い出して、調味料を研究し、少しずつ辿り着きました。

「食の風景・朝ごはん」

 私が記事のトップに使用する写真やイラストは、自分が写っているものをのぞいて全て自作なのですが、デジカメを持ち歩かなければどれだけ良いと思った景色でも撮影することが出来ません。過去の写真を掘り起こすにもそろそろ限界と云う事もありますし、もっと色々なものを切り取りたいと思い、自分の食生活も映してみます。只の物好きが日常を切り取るだけですから、へえーと軽く御覧下されば望外の幸せ。  これは大晦日の朝ご飯でした。大体毎日米と野菜と果物と汁物、それに胡桃とカシューナッツとレーズンに