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「食の風景・がやめばるの煮付け」

 今日は、毎年季節になるとスーパーへ並ぶ、お値段も手頃で美味しいがやめばるのお料理です。

 私は魚介も大好物なのです。焼き魚も堪らないですけれど、煮付けも其の優しい味わい、ほぐれる身の柔らかさが思わず頬の綻ぶ程好きです。

 煮付けと云ってもそれほど濃い味付けにしないのが私流です。素材の旨味が一番の味付けです。鍋の下には板昆布の切ったのと、大根の薄切りを並べます。この日は人参も入れていますね。その上に尾鰭と背鰭を洗った魚を載せます。内臓等の下処理は、スーパーで買うとき、魚屋さんに声を掛けて煮付けにするからと伝えれば処理して下さいます。予め処理済みの物もよく売られています。

 調味料は酒、醤油、味醂。味付けが濃くなくても美味しいようにだしの素を少々溶かします。私は生姜を入れる事が多いです。生姜は買って来てそのまま冷凍庫で保存します。使うとき少し早めに出しておいて、表面が少し溶け出したかなと云う頃合いで、包丁で削る様にすると、薄造りのような生姜が出来ます。わが家は生姜も一緒に食べたい家族の為に、下ろすので無くて包丁で切る様になりました。スライスを刻んで入れても良いですし、後は好みですね。おろし金を使わない分洗い物が一つ少なく済みます。又おろし金ですとおろした生姜がおろし金に残ってしまいますが、スライスならば生姜にも無駄がありません。些細な量と思っても、野菜も隅々まで美味しく頂きたいのです。これも作り手さんと野菜その物への感謝と敬意から来る拘りでしょうか。

 落し蓋の代わりにキッチンペーパーを濡らして被せます。その上に鍋蓋をします。火は強火で一気に作ります。ぐつぐつなる前に鍋蓋を外します。そうしないと噴き零れます。ぐつぐつさせて、浸っていない部分にも煮汁を被せて火を入れるんだそうです。魚には案外早く火が入りますから、数分で火を止めます。其の塩梅は魚の大きさにもよりますから、様子を見ながら作れば良いと思います。ご飯を炊く時のように開けたら終わりという物でも無いですから。火を止めたら放置です。煮物でもそうですが、火を止めた後に、味が沁み込みます。美味しくなるための休息ですね。

 好きなお皿に盛りつけます。板昆布も大根も人参も生姜も、全て一緒に頂きます。お互いの旨味を出し合って、絶妙な煮汁が仕上がっている事と思います。

 この記事、深夜に書くのは失敗でした。先刻からお腹が鳴って不可ません。がやめばるの季節はもう少し先。今年も待ち遠しいです。

お読み頂きありがとうございます。「あなたに届け物語」お楽しみ頂けたなら幸いにございます。