マガジンのカバー画像

こどもの読みもの

176
こどもにおすすめの本。 かつて、こどもだった大人におすすめの本。
運営しているクリエイター

2023年3月の記事一覧

手袋を買いに

手袋を買いに

「手袋を買いに」
新美南吉 1943

・・・
寒い冬が北方から、狐の親子の棲んでいる森へもやって来ました。
・・・
・・・
こっちの手、ほらこの人間の手をさし入れてね、この手にちょうどいい手袋頂戴って言うんだよ、わかったね、決して、こっちのお手々を出しちゃ駄目よ
・・・

『新鮮な驚き』

子狐が初めて初雪を見る。雪の上を駆け回る。樅木からの落雪に驚く。

『優しい気持ち』
雪に触れ冷たくなった

もっとみる
長野電鉄殺人事件

長野電鉄殺人事件

📕『長野電鉄殺人事件』

西村京太郎 2021

・・・二十年ぶりの長野である。
当然、その時より二十歳年齢を取って、現在木本は七十歳になる。

コロナによる緊急事態宣言もなくなり、観光県ともいわれる長野県で事件が起きる。長野電鉄湯田中駅のトイレで佐藤誠の刺殺体が発見された。相談したいことがあるといわれ待ち合わせをしていた木本啓一郎は、かつて佐藤とともに松代大本営跡の調査をしたことがあった。やが

もっとみる
ノンちゃん雲に乗る

ノンちゃん雲に乗る

『ノンちゃん雲に乗る』
石井桃子 1947

・・・ノンちゃんは、小学二年生になる女の子。泣きながら神社の境内へやってきたノンちゃんはひょうたん池の上へ枝を伸ばしたモミジの木へ登り、誤って池へ落ちてしまう。・・・

物語はここから空想の世界に入ります。気が付くとノンちゃんは雲の上に乗っていて、そこには白いひげのおじいさんがいます。雲のおじいさんとのやりとりを通して、ノンちゃん一家の明るく健全な

もっとみる
枕草子

枕草子

清少納言
平安時代中期1000年頃(一条天皇の御代)成立。

🌱
第一段
「春はあけぼの」
・・・・・
春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。
・・・・・
(最も有名な一段。春夏秋冬を描く。段の最後の言葉は「わろし」)

🖌️
「枕草子」は日本人にとって馴染みのある古典作品です。作品的には随筆という括りにされますが、清少納言の意見や感想が

もっとみる
「怪談レストラン」シリーズ

「怪談レストラン」シリーズ

『怪談レストラン』シリーズ
童心社刊。怪談レストラン編集委員会編。児童向けのシリーズで「怖すぎない」ホラーを題材としたオムニバスです。「松谷みよ子」責任編集。たかいよしかず、かとうくみこ絵。1996年「幽霊屋敷レストラン」〜2007年「真夜中の学校レストラン」までシリーズ50巻です。テレビアニメやゲーム、劇場版「怪談レストラン」が制作され、世界が大きく広がりました。

『幽霊屋敷レストラン』199

もっとみる
白雪姫

白雪姫

グリム童話集(1812)にはメルヒェン201話と子供聖者伝説10話の計211話が収められているが、151番が重複して2話入っているので、正確には全210話となる。そのなかで「魔女」が登場するのは20話、「男の魔女」の話は5話あり、それを入れると魔女が登場するのは25話になる。男の魔女という表現は奇妙であるが、現実の魔女裁判では男にも子供にも「魔女罪」が適用されており、男の魔女、子供の魔女の存在が確

もっとみる