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今から20年前のリバーサルフィルムから、当時の自分の感情が見えてくる

昔、撮影した写真やフィルムを順番に見ていって、スキャンして取り込むものを選んでいる。

その中から、そんなに使ったことはないリバーサルフィルムもいくつか出てきた。
ビューワーも心当たりのあるところを探すと出てきた。
残念ながらルーペまでは出て来なかったけれど、ただ照明にかざすだけで確認するのではなく、しっかりと何が写っているのかを確認することができる。

今日、見つけたのは20年前のリバーサルフィルム。
銘柄を見てみると、富士フィルムのトレビ100だった。
今でも、富士フィルムのWEBサイトに行くと、データシートを見ることができる。こういったところは、良心的なのかもしれない。

https://www.fujifilm.com/jp/ja/consumer/support/films/negative-and-reversal/datasheet#

90年台末に発売されたフィルムだけれど、これはリバーサルフィルム初心者向けのものだったと思う。
この時代、プロカメラマンが使う印刷原稿用のフィルムはプロビアがほとんどだったはず。
トレビはプロビアと同じ粒状性を持ちながら、クリアベースのフィルムとして出てきた。
富士フィルムの宣伝も、これを使ってプリントして楽しむといったことを宣伝していたと思う。
ロールプリントというリバーサルフィルム専用のサービスもあった。
カメラ雑誌を見ても、アマチュアカメラマンでも写真の心得のある人ならばリバーサルフィルムを使おうというのが書かれていたし、カメラ雑誌のコンテストなどでも、カラースライドの部があって、カラープリントの部でもネガから焼くよりもリバーサルフィルムからプリントしたものの方が多かった様に思う。

自分の中では、リバーサルフィルムを使う勇気は結局あまりなかった。
実のところ、冷蔵庫には期限切れのトレビやコニカシンビといったリバーサルフィルムがそのまま入っている。
コニカは2006年にフィルム事業から撤退しているのだから、少なくとも冷蔵庫の中で15年前後は置いたままということになる。

リバーサルフィルムを使うことのハードルは、結局のところ露出に自信がなかったということに尽きる。
当時、メインで使っていた一眼レフのEOS55の露出が悪いというわけではない。
ただし、当時のカメラの露出というのは、リバーサルカメラを使う場合は特になんだろうが、露出補正をするのが当たり前だった。
今のデジカメでさえも露出補正をする様に、カメラ任せでシャッターを切るということは、リバーサルを使うとなると露出補正をしないということはあり得ない。
また、ネガフィルムに比べてラチチュードがとても狭いリバーサルフィルムとなると、失敗が怖くて仕方ない。
きっちりと露出が合うと、カラーネガフィルムとは違った色の表現ができるのはわかっている。
しかし、光を読み取る力など持っていない自分としては、結局普段使いのフィルムにはならなかった。
この辺から、AEで露出をカメラ任せという様な使い方しかできていない力量から、結局フィルムを買ってもあまりつかわない自分がいた。

今日見つけたフィルムは、京セラT-Proofに入れて撮影したもの。
確か、そうだったはず。
一眼レフに入れて撮ることは結局あまりしなかったはず。
結局カメラ任せ、しかもコンパクトカメラに入れて撮ったフィルム。

自分の失敗を怖がって、何かを学び取ろうとしたりチャレンジしようということから逃げていた自分が見えるフィルムだった。

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