見出し画像

海外展示会への道・準備編その5 ブース企画

海外での展示会出展を検討している企業に向けて始めたシリーズ連載、第5回。前回は展示会出展申し込みについてご紹介しました。
申し込みが終了し、ブース場所も決まった。
その後は?一緒に見ていきましょう。

1,2,3回目のおさらい

国際展示会の情報収集の方法、上海の展示会場や展示会選定の目安、ニューノーマルな展示会の視察の方法を3回にわたってお伝えしてきました。
復習はこちらから!

その1

その2

その3

その4

出展申し込みが終わりブース場所も決まりそう。ブース装飾について考える前に、知っておきたいことやオンラインを少しずつ取り入れていく方法を解説します。

パッケージ、ロースペース(空き地ブース)の違い(補足)

申し込みの前に、パッケージかロースペースかを選択します。
初めて聞く言葉に戸惑わないでくださいね。
大まかに違いを説明説明します!
家に例えてみたらわかりやすいかもしれません。
※主催によって変動はありますのでこちらでは一般的な違いです。


パッケージブース(ウィークリーマンション、家具付きアパート)
9㎡~36㎡以下の小面積が主流、ブース建屋と最低限の備品が揃っています。
ウィークリーマンションや家具付きのアパートを想像するとわかりやすいです。

メリットは、準備期間が比較的短期間、小面積、低予算、出展へのハードルが低くなること。
パネルと展示品を置くだけで、体裁が整う手軽さが人気の秘密です。
デメリットは、統一デザインブースのため没個性。会場内のメイン通りから離れていることが多く、装飾の自由が低いこと。

ブースデザインは統一、高さは2500~3000ほど。
壁、パラペット(看板)照明、受付台、商談セットなどの備品が予め用意されています。

事前申請、オプションで展示台、モニター、照明を増やすなどの対応が可能です。展示品やパネルを持ち込めばそのまま出展できます。

スーツケースに展示品、バナーを詰めて一人で準備をしている出展社さんも頻繁にお見掛けします。会期の前日、もしくは会期当日の朝に手早く準備出来るのも魅力です。

壁面はシステム素材を使用していることが多く、壁に穴をあける、パラペットをオリジナルに変更、社名ロゴを追加することは原則できないことが多く、装飾に制限があります。

ロースペース(一戸建て、注文建築)
18、36㎡以上~、展示会によっては1000㎡以上も。ブースは自社装飾、会場内の区画を抑えるのみで、土地を展示会用にレンタルしています。
一戸建て、注文建築を想像するとわかりやすいです。

メリットは、自由装飾、高さは4000以上、二階建てなど出展の目的に合わせて企画、運営が容易。デザイン、素材、色など企業色豊かにアレンジ可能です。
デメリットは、準備期間が比較的長期間、出展規模によっては年間計画、まとまった予算確保、事前に出展コンセプトを固めておく必要があります。

ブース内に、ライブ配信スタジオやイベント用の舞台、VIP商談、製品デモ、プロジェクションマッピングなどブースをショールーム、博物館、美術館にすることも!

以前は展示会ごとにデザインを変更する企業が大多数でしたが、近年では、ブランディング、統一性、視認性、親和性を高めるために、世界統一デザインにしている企業も増えています。

ブースのデザインより、ブース内の運営、イベントやライブ配信で集客数を伸ばすことに注力している企業が増加中。
オンラインと組み合わせたハイブリッド展示会を取り入れ始めています。

ブース内で何をするのかを明確にしよう

え、当たり前じゃない?と言われそうですね。
でもこの基本をあまり重視していない出展社さんが多いのが現状です。

展示会に出展→たくさんの見込み客が来場→引き合いバンバン来る!と考える人も多いのです。

新商品発表、設備のデモ、新規開拓、既存顧客との商談、名刺獲得など。優先順位をつけることでブース内に設置するもの、導線計画、イベントスペースの確保、ライブ配信、オンライン商談設備など準備するものが異なります。

一昔前は、ブースが目立ってノベリティーを配布していれば物珍しさからブースに人が集まりましたが、今は違います。

オフライン展示会にオンラインを組み込んだ事例

2020年から少しずつ増えてきています。
課題をヒアリングして、企画、施策、実施していきます。

課題
新商品発表会を展示会で行いたい。
コロナの影響で遠方から会場に来られないが出来るだけ多くの人に見てもらいたい。

企画、施策、実施
日中二か国を結んで、新商品発表会をブース内で生配信!

  • 会場内で新商品発表会をライブ配信、一部は事前に収録

  • 事前準備として媒体による新商品発表会の記事、告知

  • 新商品発表会を見てほしいターゲットにピンポイント記事、告知、広告を配信

  • 日本と中国をオンラインでつなぎ、新商品発表会を実施

  • 日本のトップ挨拶は生配信

商談メインの事例

課題
既存顧客メインに商談を多く実施したい。

企画、施策、実施
商談スペースにこだわり個室、二階建てブースに。

  • 一階には商品展示、一般顧客との商談に使用
    二階はVIP顧客専用、事前に招待状を発送し、商談は事前予約制でアポイントのバッティングを防ぎ、顧客とのまとまった商談時間を確保し、密度の濃い商談を行えるように

  • 来場した顧客のランクごとにノベリティーを配布。特別感、おもてなし感を演出

  • 出展企業スタッフには、商談に専念してもらえるよう、レセプション、給仕スタッフを別途手配

新規顧客の名刺獲得事例

課題
新規顧客の獲得、名刺を数多く収集したい。

企画、施策、実施
名刺獲得専用スタッフを手配、獲得目標数をスタッフ間でシェア

  • 名刺獲得スタッフを現地で手配、ブース内で来場者参加型のイベントを企画し名刺獲得へ

  • 製品説明スタッフ(出展社)、名刺獲得スタッフは分業制。出展社には製品説明に注力していただきました。商品説明を丁寧に行うことで企業イメージも向上、自分の仕事に専念できると評判は上々でした。

  • 5日で26,000枚の名刺獲得、展示会で表彰され、出展社の知名度も向上

ここまでお読みいただければブース内で何をしたいのかを事前に明確にすることがいかに大切か、少しでも実感していただければ幸いです。

オフライン&オンラインのハイブリッドに関しては、改めて記事にしたいと思います。

でもやっぱり、ライブな情報が欲しいなら・・・。
最新の中国展示会ビジネス情報は、SOPHIADISPLAYにご相談ください。
代理視察、出展のご相談も。

上海展示会の現地リポートはこちら。

YouTube

HP