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海外展示会への道・準備編その2     展示会選定-2

海外での展示会出展を検討している企業に向けて始めたシリーズ連載。
前回の続きです。上海の会場紹介、兄弟展示会でも開催場所で特色が違うことを説明していきます。

選定基準は?(おさらい)

星の数ほどある展示会の選定の目安にしてみるのはいかがでしょうか。
1、日本貿易振興機構(JETRO)のHPに掲載されている展示会
日本パビリオンでの共同出展、視察。
2、日本で開催している展示会の海外版、兄弟展示会
例・NEPCON、SEMICON→NEPCON CHINA、NEPCON ASIA、SEMICON CHINA など。
3、日本で開催している類似(相当)展示会
JIMTOF→CIMT、大阪・東京ミシンショー→CISMA など。

上海の主要会場、3か所

上海市内の展示会会場は8か所、大型展示会が多い3か所を紹介します。視察や出展を検討する際に、展示会の規模、交通の便利さなども考慮すると良いでしょう。

1、国家会展中心(通称・国家館、guojiaguan)
虹橋、22015年オープン。
展示可能面積60万平方メートル、展示ホール全16館、2階建て、
地下鉄2号線徐泾东駅(xujingdong、シージンドン)隣接、敷地内にオフィスビル、ホテル併設しています。
上海虹橋国際空港、上海虹橋駅からも近く、国内外から人が集まります。
四葉のクローバー型のユニークな形が特徴的で、
中国国際輸入博覧会、上海モーターショウ、中国国際工業博覧会、中国国際医療機器博覧会(CMEF)、オートメカニカ上海などが 開催されています。

2、上海新国際博覧中心 (通称・新国際、xinguoji)
浦東、2001年オープン
室内展示可能面積20万平方メートル、屋外10万平方メートル、展示ホール全17館。屋外に臨時館を作ることもあります。
地下鉄2号線龙阳路(longyanglu、ロンヤンルー)徒歩10分、7号線花木路(huamulu、ホワムールー)隣接、近くにショッピングモール、ホテルがあります。
上海浦東国際空港からモノレールで10分、国際博覧会開催の時は会場前のタクシー乗り場が大行列になります。
展示ホールは三角形で順路が分かりやすく便利です。
SEMICON CHINA、CHINAJOY(ゲームショウ)、Bauma、CISMAなどが開催されています。国家館オープン前はモーターショウ、工業博覧会なども新国際で開催されていました。

3、上海世博展覧館 (通称・世博館、shiboguan)
浦東、2010年に開催された上海万博の跡地を展示会場として使用。室内展示可能面積7万平方メートル、展示ホール全4ホール、二階建て。
地下鉄7、8号線耀华路(yaohualu、ヤオホワルー)もしくは8号线中华艺术宫(zhonghuayishugong、ジョンホワイーシューゴン)徒歩10分。近くに中国館やショッピングモールがあります。
国家館、新国際に比べると小規模な展示会が多く、
NEPCON CHINA、婚博会(ブライダル展示会、年4回)などが開催されています。

Wechat公式アカウントで情報収集

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展示会情報を調べる際に、公式HPを利用する人が多いかと思います。
中国では、情報収集にはSNSが欠かせません
ほぼ100%の主催者がWechat(微信)の公式アカウントを使って情報発信しています。
公式HPよりも情報更新が速く、セミナーなどの情報発信されています。
数年前までは、公式HPのサブとして使われていた印象のWechat、ここ数年でWechatのサブが公式HPなのではないかと思うことも多いです。
事前入場の手続きや会場での入場手続きもWechatに移行しています。
以前は、公式HPから登録をして最後のページを出力して持参していましたが、ここ数年ほとんどなくなりました。
SNSをビジネスに積極的に活用しています。
※アプリ利用者が多いからという前提なので一概にSNSをビジネスにと推奨しているわけではありません。

海外版展示会、兄弟展示会はどこで開催していても同じなの?

出展候補展示会をリストアップする際に、
選定基準おさらいの2で、日本で開催しているものをと説明しました。
じゃあ、なぜ同じ展示会が中国国内の数か所で開催されているのか?
鋭い質問です。

ここではNEPCONを例に説明していきましょう。
日本国内ではインターネプコンとして、毎年3回開催されています。公式HP内の説明から、NEPCON JAPANを国際展示会と位置付けているようです。
※異論はあると思いますがNEPCON JAPANを国際展示会とみなします。

NEPCON CHINA(上海)NEPCON ASIA(深セン)を比較していきます。
中国国内では2回開催されていますが、違いはあるのでしょうか。
上海は4月、深センは8月に概ね開催されています。
※2021年のNEPCON ASIAは10月に延期。

会期は4か月しか開きがありません。
両方に出展するメリットあるのかな?という疑問がわいてきます。
年に複数回開催する展示会は春(3、4月)と秋(10、11月)に開催することが多く、シーズンごとの新商品のお披露目などが一般的です。

自身がNEPCON ASIAの業務で出張したときに上海より華やかな印象を受けました。両展示会を比べてみると、展示会規模規模日系企業の出展者も深センの方が多く、ブース予算、ブース内の運営、プレゼンテーションなどに力を入れているように見受けられます。

深センは香港に近く1980年に深セン経済特区に指定され、いち早く中国が対外開放した地域です。半導体やドローン、loT、AIなど最先端技術を生み出すハイテク都市としてご存知の人も多いかもしれません。

そのため、機械部品などの工場も多く出展時のターゲットが多く来場するのはNEPCON ASIA(深セン)と見込んでいる企業が多いため、出展する企業が多いのだそうです。

以前主催の営業担当者さんと「特色の違い、出展を検討するなら?」をズバリ聞いたところ「深センの方が出展社、来場者共に多く、人気があるのでブースも取りにくくなっているが、出展を検討するなら、深センの方が効果がある。」ともおっしゃっていました。
同じ名称の展示会でも、地域の産業によって得意分野の展示会は特に需要があるようですね。
中国国内の産業や地域ごとの特色を調べることも大切なようです。
主催者にズバリ聞いてみるのもあり、です。

まとめ

国際展示会に出展する際は、
会場付近の様子、規模のリサーチも重要。
年間複数回開催している展示会ならば、開催地の特色、産業、発展の歴史も
調べておくとヒントがある。
プロにズバリ質問するのもあり。

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