🗼昭和っぽい情景の絵「古時計」

アクリル画

「詩・古時計」

古時計

振り子の音も

懐かしい

「エッセー・古時計(稀有の人)」

ピカソやダリも、何者かになりたいと思っていた。

そして、棟方志功は「わだばゴッホになる」と、

強く思ったことで著名な版画家になった。

しかし、世の中には自ら強く望まなくても

何者かになる人も稀にいる。

実は、僕がこの画を描いたのも、

その人の作品から影響を受けたからだった。

では、その人とは誰かと言えば。

それは、漫画家の、つげ義春先生である。

つげ先生の作品で、

老人と子供が出てくる作品があった。

資料がないので、何という作品だったかは

定かではないが。

その作品のなかで、子供が大きな時計の中に入って

眠るシーンが出てきたのだったが。

そのシーンがとても良くて、ずっと印象に残っていて、

いつか僕も、同じようなモチーフで描いてみたいと

思っていたのだった。

つげ先生といえば、月刊漫画ガロで、発表された「ねじ式」が、

大衆漫画とは違う芸術的漫画として革命的なセンセーションを

巻き起こしたが。

つげ先生自身は、閉め切りに追われて、

苦し紛れに見た夢を作品に取り入れて描いただけで。

特に漫画に革命を起こそうとか、意図して描いたのではなのだと言う。

そして、つげ先生は、ある時を境に、ぱったりと休筆してしまって。

その後は、全く筆をとらなくなってしまったが。

未だに、つげファンは多くいて。

作品の映画化などの話があっても、普通は喜ぶところを

先生は「映画化しなくてもいいよ」と言うらしく。

そこを、ご子息などが説得してやっとOKが出る

と言うことらいしのだ。

つげ先生と言えば、僕は以前、先生のサイン入り本を

持っていた事があった。

しかし、残念ながら手放してしまったのだが。

その時に中々の値で売れて、

さすが先生のサイン入り本だなと思ったものだ。

そして、つげ先生は、去年フランスのアングレーム国際漫画祭で

特別栄誉賞を授賞したのだった。

そのように、世の中には私が俺がと自ら強く思って

いなくとも。

出来れば描きたくない、やっぱり面倒だから描きたくない。

と、作品を作ることを止めてしまったとしても、

何者かになってしまう稀有な人も存在するのである。

昭和っぽい情景の絵「古時計」おわり

次週の「昭和っぽい情景の絵」の更新はお休みします。
(「オンボロ屋敷の桃色ヤモリくん」や「タンポポの詩」を
更新しようと思っているのですが中々進まないので、
そちらに時間をあてたいので・・・)

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Yukiさまは、素敵な小説を書かれていますので、
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Yukiさま　　Yukiの超短編集　1

紗希｜note

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2021.11.1　11.15加筆　11.18加筆