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騒音の神様

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連続小説、『騒音の神様』。1960年代終盤、子供の元気な音を町に響かせるために、騒音を片っ端から消してやろうとする二人の男の物語です。ヒジ討ちがたくさん出てくるアクション小説。
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(小説)騒音の神様  その1  子供の音が大好きな神様

(小説)騒音の神様 その1 子供の音が大好きな神様

昔むかしあるところに、子供の出す音が大好きな神様がいました。赤ちゃんの泣き声、子供が笑う音、走り回る音、子供の出す音全てが大好きです。

子供の音が聞こえると神様は、「元気な足音やなぁ、私まで元気になるよ。」「力強い泣き声やなあ、聴くだけで嬉しくなるわ。」「楽しそうな笑い声だ、この世で一番明るい音だ。音が輝いている。」と大きな声で言いました。わざと村の大人たちに聞こえるように言いました。
そんな神

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【騒音の神様】09 神様、喫茶店で愚痴る。(激突体育会系暴力編)

【騒音の神様】09 神様、喫茶店で愚痴る。(激突体育会系暴力編)

神様は喫茶店に入り、コーヒーを飲んだがさっぱり味が分からなかった。腹が立って腹が立って仕方がなかったのだ。
「ああ、腹立つ。なんであんなに子供を殴る必要があるんや。スポーツは面白いものちゃうんか。殴り飛ばして大人のいいなりにするためのものか。口も汚い。軍隊なんか?少年兵か?違うぞ。もう戦争は終わってるぞ。」
知らない間にコーヒーカップは空になり、神様が口をつけても何も入ってこない。
「空か。マスタ

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【騒音の神様】08 花守、教師をぶん殴る(激突体育会系暴力編)

【騒音の神様】08 花守、教師をぶん殴る(激突体育会系暴力編)

鼻血を出している生徒の後ろから教師が口を挟む。
「わかったか、お前らは邪魔なんや。さっさとどっか行かんかい。練習の邪魔して時間返してくれるんか、」
神様は食い下がる。
「何が練習や、子供らをどついてるだけやないか。」
「指導や指導。お前らが代わりに教えれるんか。俺らの代わりに出来るんか。出来へんのやったら出て行け。俺らは教えたってるんや。感謝されるべき、、」
まで言ったときに花守のパンチがとんだ。

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【騒音の神様】07 神様、グラウンドに乱入する。(激突体育会系暴力編)

【騒音の神様】07 神様、グラウンドに乱入する。(激突体育会系暴力編)

神様は、子供達がぶっ飛ばされるのを見ていてもたってもいられなくなった。
「黙ってたらあかんねや、わしは知ってるんや。黙ってたらあかんねや。」
神様はグラウンドの中へ向かう。その間にも大人の指導者の荒々しい声が飛ぶ。
「ワレら、なめとったらあかんど、おうコラ」
一人の大人が、少年にまたがり上から殴りつける。
「すいませんでした、すいませんでした、」
と少年が必死に声を出す。神様は、馬乗りになって殴る

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【騒音の神様】05 お土産を現金に変える。(激突体育会系暴力編)

【騒音の神様】05 お土産を現金に変える。(激突体育会系暴力編)

神様と花守は山道をでこぼこの山道を下る。神様はひとまず花守に居候代金がわりの品物類を渡せてほっとしていた。トラックがガタガタするのも気にならずタバコをふかす。ただ、神様にはあと一つ心配事が残っていた。
「なんぼになるんやろか、居候代くらいにはなるやろか、」
それが気が気でなかった。
「タバコはいっぱい手に入れた。しばらく困らん。酒も手に入れた。花守君と飲みたかったが、しゃあない。わしが飲もう。」

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【騒音の神様】04 神様の戦利品を運び出す (激突体育会暴力編)

【騒音の神様】04 神様の戦利品を運び出す (激突体育会暴力編)

神様は鳥居近くの石に腰かけて一服した。鳥居の奥には、古びた建物があった。花守は見てすぐに人の出入りがある建物だとわかった。
「神様、荷物はあの中ですか、」
神様は煙をふかしながら、答える。
「建物の裏にある。結構、重たいんや。ほんまは持って帰りたかったけど、出来んかった。すまんな、」
花守が建物の裏に行くと、また小屋があった。後ろから神様が声をかける。
「それや、花守君。そん中、全部や。」
花守は

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【騒音の神様】03 神様の戦利品(激突体育会暴力編)

【騒音の神様】03 神様の戦利品(激突体育会暴力編)

神様と花守は、後日一緒にトラックに乗っていた。神様は地図を広げて案内をする。花守はいつものように運転する。そしていつものように、途中でからまれ喧嘩を売られながら、すぐにぶっとばして、また運転にもどる。だんだんと山道を進み、ガタガタ道を進む。神様の体が、ゴン、ガンと音をたてながら跳ね飛ぶ。
「花守君、もうすぐや。」
花守は、何度も聞いたこの言葉にも飽きずに返事をする。
「わかりました。」
しばらく走

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【騒音の神様】02 神様、ちょっとのんびりする。(激突体育会暴力編)

【騒音の神様】02 神様、ちょっとのんびりする。(激突体育会暴力編)

神様は、相当汗臭かった。自分でも分かっていたのだろう。銭湯ではとにかく素早く臭い服を脱ぎ捨てた。急いで服を脱ぐと、ズボンのポケットから花札やサイコロがバラバラと落ちた。花守はその姿が目には入ったが、何も言わなかった。
「背中流しますよ、」
と花守は言い、神様は照れ臭そうに
「ありがとう。」
と言った。神様も、花守の背中を流した。たくましく広く分厚い背中は、いくら洗ってもあきなかった。
「わしに、若

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【騒音の神様】01 神様、稼ぎの旅から帰る。(激突体育会暴力編)

【騒音の神様】01 神様、稼ぎの旅から帰る。(激突体育会暴力編)

神様が稼ぎの旅に出ている間も、花守はよく働いた。現場仕事でよく体を使い、仕事が終わってからも体を鍛えた。ときおり仕事場でおこる喧嘩に参加しては圧勝していた。たまに、スーパーカブで大和川の河川敷を走る。そうすると、鰻谷が現れてスーパーカブを整備して綺麗にしてくれた。神様がいなくて変わったのは、神様がいたときほど大人数相手に喧嘩することが無くなったことだった。
「神様がいつ帰ってきてもええように、鍛え

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【騒音の神様】154 神様、稼ぎの旅に出る。

【騒音の神様】154 神様、稼ぎの旅に出る。

神様は酒をたらふく飲んだまま、家に帰った。真っ赤な顔をしながら、真っ暗な部屋の中でごそごそしている。
「これも、持っていこか。ああ、これも、」
とトランプや花札、サイコロをカバンに詰め込んでいく。一通り準備を終えると、枕元にカバンを置いて寝ようとした。
「朝、起きたら花守君に旅に出ようと言おうか。なんなら、花守君にカブで途中まで乗せていってもらおか、どうしよか。」
布団から体を起こし、タバコに火を

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【騒音の神様】153 神様の夜のお散歩

【騒音の神様】153 神様の夜のお散歩

神様は外に出て歩いていた。なんとなくわかっていた。
「もう、行かないかんな。もう、言わないかんな。」
神様はお酒の店に立ち寄り、またビールを飲んだ。花守の今日の戦いを思い出すたびに、お金を稼ぎに行かねばと強く感じる。
「このビール代も花守君の稼ぎや。わしは、体もはらんとビールとタバコばっかり吸うとる。せめて、自分のタバコ代と酒代くらいは払わんと。ああ、わしは何百年も存在してるのに、なんの資産もない

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【騒音の神様】152 神様の眠れない夜

【騒音の神様】152 神様の眠れない夜

神様は布団に入ってからも、眠りに落ちれないでいた。今日の花守の戦いが、何度も何度も頭の中に浮かび上がってくる。
「今日は、わしも暑い中頑張った。動き回った。音の鳴る機械を走り回って止めて回った。よう頑張ったから、はよ寝な。」
そう思いながらゆっくり呼吸をして眠りにおちようとする。しかし、また花守な戦いが目の前に浮かんでくる。何人もの逞しい男達を、一人でぶっ飛ばす花守。誰がどうみても強そうな、ハーレ

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【騒音の神様】151 二人の帰還。

【騒音の神様】151 二人の帰還。

激闘を終えた花守と神様は、スーパーカブで万博造成現場を出ていった。夏の終わり、何十人もの男達をぶっ倒した花守は汗が体に張り付いているようにベタベタしていた。そしてそれは神様ま同じだった。汗まみれの体に、造成現場の砂をまぶしたような二人が現場を出て行く。誰も追いかけてくるものはいなかった。途中、パトカーのサイレンがなり万博現場に近づいているようではあったが、二人は走り続けた。風が気持ち良かった。

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【騒音の神様】150 とうとう花盛と竹之内が戦うわい。 万博造成工事編のクライマックス。

【騒音の神様】150 とうとう花盛と竹之内が戦うわい。 万博造成工事編のクライマックス。

おしゃべり腰痛男のダンプカーが現場に到着する少し前。松原達は汗水を流し、順調に工事を進めていた。松原はときおり指示を出し、他の者は現場リーダーに従い全力で仕事に励む。竹之内工業の回りには沢山の業者、職人が働いていて大声で指示を出す者、大声で仕事のやりとりをする者、黙々と熱心に体を動かす者がいて現場には熱気がある。人の音だけでなく、ダンプカー、ショベルカー、の音が響きチェーンソーで木を切る音は遠くま

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