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営業マネージャーに昇進し、キラキラする友人と敢えての闇トーーーク


こんにちは。ライターのぽてさらです。

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※キラキラバージョンの私(原型ゼロ)とちびまる子ちゃん(写真左上)。もみ手が気になる。

今回は、仕事のどん底期と、それを乗り越えた後のキラキラ期について、友人の話をもとに書いてみたいと思います!



鬱って、身近な病気でして。

突然ですが先日、NETFLIXで「ツレがうつになりまして」という映画を見ました。

「鬱は心の風邪。だれでもかかる可能性がある。だけど、その実態はあまり知られていない」
というようなことを映画のなかで誰かが言っていまして。

うつ

…たしかに、知ってるけど詳しくは知らないなと。
読めるけど、書けないなと。
(「キカンキワ、キョウワチョワチョワチョワチョ、ヒミ~」で初めて書けました)

そんな風に思ったので、ちょっと調べてみたんです。

すると、

・タンパク質不足がきっかけに
https://news.yahoo.co.jp/articles/6879644656efa0f7b3caa573566ba6ad45d3d5df

・ほぼ全員が感染しているあるウイルスが原因かも
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000194653.html

…え、そうなん?という情報がごろごろ。
鬱っていうと、真面目で責任感が強い性格の人が…みたいなイメージでしたが、それだけではないみたい。

よくわからなくなってきたので、
「昔、鬱をやったかも」的なことを言っていた友人に、闇の体験談を聞きに行ってみました。


暗黒時代ストーリー。


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協力してくれたのはこの人!元同僚のHくん。
32歳。3児のパパ。IT企業の営業。
とにかく明るい、お客さんにかわいがられるタイプなんだけど、過去に3回やばい時期があったとか。


― 久しぶり!あのさ、ずたぼろになった時期の話聞かせて!

単刀直入だね。いいよ、なんでも聞いて。過去に3回体に異変を感じてるから(笑)。全部まるっとお話しします。

じゃあまず最初は…


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― 毎日AM2時退勤?全然寝れないじゃん!…寝れないといえば昔、「眠らなかったら100万円」ってバラエティあったよね。

そうね。寝れずに起きてたらファイティングポーズするやつ。
…あの、話していい?この頃はね、入社直後から環境がガラッと変わった時期なの。扱う商材が変わって、提案の仕方が難しくなった。
加えて上司が、完全放任主義の関西人から、メールの書き方から電話の声色までこと細かに指摘する関西人に変わった。

― 関西人率100%。その新しい上司がしんどかったの?

なんでこんなことまで言われなきゃいけないんだ、とは思ってた。それまである程度実績は出してたし。だけど、「今までと同じやり方でいけると思うな」って言われて、今までと同じやり方でやったら、本当に売れなかったから(笑)、上司の言ってることに納得はしてたよ。

全然結果が出なくて、上司と毎日数えきれないほど提案書を作って、朝から晩まで働いてたら、だんだん、つばが飲み込めなくなってきて。

― そんな、、つばがあふれちゃう…。

何その言い方。あふれはしないけど、変な腫瘍とかだったらいやだったし病院に行った。結果、何も見つからなくて、処方されたのが抗うつ剤。びっくりしたなあ。

― ここで鬱が絡んでくるとは。

だよね。薬に頼りたくなかったから、あんまり飲まなかったよ。そこで初めてストレスたまってたんだ自分って自覚して、自分のストレス発散方法について考えた。

― そのこころは?

人と話すことと、カラオケ!忙しくて全然暇はなかったけど、なるべくそれらの機会を増やすようにしてたら、数週間で症状は治まった。そこまで重くはなかったんだろうね。よかったよ。



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― すでに怖い。ホラー。

数字が上がらないから、直属の上司とさっき言った関西人上司に、毎日、朝会で怒鳴られてた頃の話です。

― 待って、上司2人出てきた。混乱するから上司にあだ名つけて。

えー。じゃあ、直属の上司は肉太郎、関西人上司は焼き鳥さんね。

― どっちも肉。

当時は何やっても怒られてた。自分がうまくいってると思えてるときでも、重箱の隅をつつくように指摘されて怒鳴られてた。
「ほっとけ!」と思うようにしたけど、そうはいかなくて、朝電車に乗れなくなってきた。
目がちかちかして貧血みたいな感じになって、途中下車しないと気絶しそうになる。何度も電車を降りながら通勤してた。
…残念なことに焼き鳥さんの家はうちの隣駅。駅のホームで見かけた日はさらに気分が最悪だったね。

― 焼き鳥さんってどっちだっけ。

あんたがあだ名がいいって言ったんでしょ。関西人上司ね。

― ごめんごめん。いや~きついな~~!


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― 今度は、寝たくても寝れないと。

そう。忙しくて体がおかしくなったパターン2。土日も含めて仕事をしてたら、スイッチをオフできなくなった。厳密にいうと、自律神経失調症ってやつのはず。

― 全然眠くならないの?

体が疲れてるのに、目がすごい冴えてて、朝まで寝れないの。毎日きつかったな~。やらなきゃいけないことが溜まってて、365日24時間仕事のことを考えてる感じ。ちょうど成果が出なくて自信がなかった時期でもあった。


闇をどうやって乗り越えたのか?


― 2回目、3回目はどうやって乗り越えたか教えて!

1回目のプチ鬱経験で自分の回復方法がわかってたから、俺は何かあればそれをひたすらやればいいんだ!って思いこんでた。だから同じ方法。数か月かかったけどそれでちゃんと治まったよ。


― 回復方法を自覚してたのがよかったのかな?

そうかもね。「オレ昨日4時に寝たんだよ~」とか「2徹した」とか、どうでもいい話を聞いてくれて、「大変だったね」って言ってくれる友人の存在がいかにありがたかったか。

― 大変だったね。

そうそうその調子。ありがとう。
ちなみに3回目は、仕事のやり方が確立してきて、成果が出るようになったのもある。


1番許せなかった、ケーキ事件


― いろいろひどい話はあるだろうけど、そのなかでも許せなかったエピソードは?

それはもう、ケーキ事件です。


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― ふふ。…あ、ごめん笑っちゃった。どういうこと?

3人目の上司が登場するから、その人はメンヘラ上司って呼ぶね。
あるとき、うちらのサービスを提供する大本のITインフラが止まってしまって、エンジニアのみんなと一緒に徹夜で緊急対応をしていたのね。
すごく大変だったけど、全員で一致団結して作業してるのが、なんかいいなとも思えたから、差し入れでコンビニのケーキを全員分買ったのよ。棒状のやつ。みんなで乗り切ろう!ってテンションだった。

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※棒状のケーキイメージ


そしたらその翌日、

「この中に、昨日ケーキを配った人がいます」ってメンヘラ上司が朝会で話し始めたの。


― 学生時代の犯人捜しの口調だね。

あっけにとられてたら、続けて「…祭りじゃねえんだぞ!」って大声上げてぶち切れた。
単純に意味が分からないし、普通に血祭りだったし、本当に辞表書こうと思ったわ。でもそのときは、焼き鳥さんがめちゃくちゃフォローしてくれた。「うんうん、わかるで」って(笑)。


たどり着いた無我の境地


― 理不尽に怒られるのが1番我慢ならないわけね。

うん。だから理不尽な説教は聞かないようにしてた。そしたら、スルースキルが高まりすぎたのか、電車で説教されてるとき、吊革につかまりながら寝てしまってさ。慣れって怖いね。

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― うわ。起きたら往復ビンタじゃん。

それが、電車の揺れで目が覚めて謝ったら、焼き鳥さんに「もうええ」って言われたよ。怒る気失ってた(笑)。ちなみに立ちながら寝るコツは、吊革をつかむんじゃなくて、輪に手首をいれて持つこと。


なぜ会社を辞めなかったのか。


― 体に症状まで出てたのに、なんで踏ん張ったの?元球児の根性?

うーん、家族を守らなきゃというのがあったからかな。負担じゃないよ、良い意味のプレッシャー。それに、家族がいてくれるだけで支えになってた。

あとは、この仕事自体は好きなんだよね。ひとつのパッケージソフトを提案する仕事なんだけど、提案次第でいろんな業界のお客様の悩みを解決できる。
きついなかでも、「考え方次第でこんなに実現できることや、営業の成果が違うんだ」っていうのが知れたときは、面白かったから。

― だとしても、会社行けなくなるくらい嫌いな人とよく働けるなあ。

あんまり好き嫌いで仕事はしたくないけど、今は、嫌なやつのいうことは聞き流すようにしてる。そうしてると、だんだん「この人もコンプレックスがあって、それで必死に怒ってるんだな、かわいいな~」とか思えるようになったよ。
こいつのためにストレス感じるのは無駄だっていう発想。そのためか、後輩に「Hさんは損得勘定で動いてる」って言われたことある。そうなんかな。

― メンタル強くなったのね。若干性格ゆがんだ気もするけど。

まあ年に数回は、思いっきり落ち込むときがあるけどね。自分がわからない…。どこか知らない土地へ行きたい…。みたいな。きもいよね。

― 急に自分探しゾーンに入ったね。きもいね。

ありがとう。でもさ、これが俺だ!ていうのがわかりきってたら、攻略本見ながらゲームするみたいなもんじゃん?そんなのつまんないから、長い時間かけて自分のことを知っていくほうが、楽しいじゃない。と、思っております。

― ちなみに転職の選択肢はなかったの?

あるある。何度も転職詐欺してる。やめるやめる言ってやめない。給料アップで引き留められたり。ある企業に転職しようとして、よく知ってる人に「そこは今じゃなくても入れるよ」って言われてタイミング逃したり。
今はここで履歴書に書けることどんどん増やそうと思ってる。小規模な会社だからいろんなことができるしね。


この経験から学んだこと


― しんどい経験を経て、変わったことは?

これ以上どん底はない、もう怖いものはないって思えるようになったこと。それと高度なスルースキル。
…あとは、部下が楽しく働けるようにフォローできるようになったかな。その人にあうやる気スイッチを押してあげる。ストレス発散方法はしっかり持ってほしいとも伝えてる。良い上司だと思うよ(笑)。
仕事はつまらない・プライベートは楽しい!なんて分けずに、楽しく働いてお金もらって、プライべートも楽しいほうがいいじゃない。

実は営業部の後輩で俺みたいに、落ちてしまった子がいて、その子は会社に来れなくなっちゃったんだけど、たくさんコミュニケーションをとって、彼が「だめだ」と思ってるところを全部肯定してあげた。それは逆に強みだよって。その子に合うポジションも一緒に考えた。そしたら、ちゃんと成果を出してくれて、仕事に復帰してくれたよ。

― なるほど。自分の強みを生かして働けたんだね。

自分の土俵で戦うことが大事。かなわないやつにはかなわん。年齢とか関係なくどこか敵わないところがあったら、そこで悩むんじゃなくて、素直にすごいなと思って一緒に働く。他人をリスペクトする。
一方で、自分の強みを生かせるところでは負ける気はしない。かわいがってもらえるとか、ちゃんと会話が成り立つとかいうレベルね。


成績トップ。マネージャーに昇進。


― 春からは、マネージャーだそうで。(もみもみ)

はい。現時点でも面接とか経営戦略とかいろいろやらせてもらってます。

― キレキレのメンバー目の前にしてよく意見出せるね。私ならイエスかノーしか言えないわ。

経営会議で口出せるようになったり、営業でトップの成績出せるようになったり、今活躍できてるのは、つらいなかでも、誰かの作った道の歩き方じゃなくて、道の作り方を学べたからだと思う!ぼろぼろになりながらも、成長につながる経験ができたことはよかった。
あ!鬱なんてするもんじゃないけど、仕事に打ち込むことはよいことだよ!って記事に書いといてよ!

― ほうほう。と、いいますと?

むかつく相槌だな。「簡単に自分には向いてない」って決めてしまわずに、思いっきり仕事に向き合うの。
頑張っても結果が出なかったり、劣等感を感じることもあるけど、自分は自分って開き直ればいい。そうすることで、ひとつ負けない分野を見つけられたり、本当に仕事が楽しいって思える瞬間がくるから!

― なるほどね。貴重なお話ありがとう~!


まとめ

鬱とか人間の闇がどんなものか聞こうと思って声をかけたけど、闇を乗り越えたH君はかなり営業として、人間として成長していたのが印象的でした。
自分なんてだめだー!っていう時期は視野がせまくなるけど、全然だめだめなんかじゃなくて。イケてる人間になるチャンスが来た!と思って、前に進みたいところです。

ただし、鬼に囲まれて、自分ではどうしようもない状態になったら、ストレス発散スイッチを押す。それでもだめなら走って逃げる!

そんな風にしながら、楽しく働いてたいですね。



【この記事を書いた人】
NAME:ぽてさら
新卒で地方のシステム会社へ入社。当時の遅刻の言い訳は、貧血・鼻血のダメウーマン。2社目のITベンチャー企業では営業や導入コンサルを経験し、現在はライターとしてテクノロジー領域の記事を担当。からあげが好き。

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