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十代の真実/ サイドA

乙女14


私は死んだ
私たちは死んだ

私たちは恋をしていた
自分の全てを捧げてしまうほどの、大きくて熱い恋

その恋は、叶わなかった
私たちの恋は、叶わなかった

私たちの恋は死に
そして、私たちの一部も死んだ

私たちの心が流した涙は、あふれ、たまり、流れ、
一つの大きな泉をつくった
死んでしまった心のカケラは、そこに棲む



私たちは生きている
生きて人生を進めている

それでも、私たちの悲しみは終わらない
一度死んだ心はかえってこない

カケラは、泉でいまだに、涙の中に沈んでいる


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