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コロナに負けないスマートワーク20選


はじめに

こんにちは。最近FaceRigでvtuberデビューしてみたランサーズ の曽根(@hsonetty)です。

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前回の記事で、アフターコロナの働き方を考えるうえで、一人 vs みんな、DOING vs BEINGというフレームワークを紹介させてもらいました。今回は、このフレームに沿って、コロナに負けないスマートワークwayを勝手に20選、紹介させていただきます。

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まず大前提として、ウィズコロナだろうと、アフターコロナだろうと、基本的な仕事のあり方の根本は変わらないと思っています。むしろ基本をより徹底することが重要。その基本を徹底したうえで、制約条件があるからこその創意工夫を重ねていくことが大切だと考えています。

今回は7,000文字近くと、だいぶ長い記事になってしまっていますが、皆さんの働き方のヒントになればと思っていますので、ぜひぜひ最後までお付き合いください!


1. 一人×DOING「一人ひとりの自立性を高める」

まずは一人×DOINGの領域からです。(※最初と最後の赤字が特にアフターコロナで大事になるwayと考えています。以下続く領域でも同じなので注目してみてください)

▼一人×DOING:自立性を高める
1. 時間の使い方を分析してみる
2. 時間の使い方を戦略的に設計する
3. ToDoやタスクは見える化する
4. その日の終了時間は自ら決める
5. 一日の終わりに自らの成果を祝う


この領域のキーワードは「自立性」。アフターコロナの世界においては、リモートが可能になった世界において、オフィスワーク・リモートワーク・モビリティワークで場所を問わない「ハイブリッドワーク」が進んでいくでしょう。しかしそれ以上にキーとなるのは、時間の使い方だと考えています。

一つ質問です。みなさん、自分のスケジュール=自分の時間の使い方って、分析してみたことありますか?

こちらの記事でも書いたのですが、自分自身、時間の使い方って、ほとんど分析したことがなかったんですよね。なんとなく忙しいんだけど、何にどう時間を使っているのか、あまり把握できていない。

「働き方改革」の目的って、投下する時間(インプット)あたりに出せる成果(アウトプット)をあげていくことだと思うのですが、みんなアウトプットとなる成果と、インプットとなる時間をまったく別のものとして分けて考えているように思うんです。残業時間だけ制限して働く時間を短くしても、時間あたりのアウトプットを意識していなければ、全体としてアウトプットが減ってしまうだけです。

個人的な感覚ですが、たとえばエンジニアであれば、けっこうこれをやれている人は多い。なぜそれができるのか?それはつまるところ、出すべき成果に対して自分のタスクを分解して、一定の標準化ができているということなんですよね。それができると、これからやる業務の工数などもある程度読めるし、時間の設計ができるようになるんですよね。

もちろん職種の違いなどもあると思いますが、だからこそエンジニアとかって、リモートワークでもあまり生産性が変わらない、いやむしろ生産性が上がるんだと思うんです。そのためにも、もしまだやったことないという方は、アフターコロナのハイブリッドワークに向けて、いちど自分の業務の棚卸しをし、時間の使い方をしっかり分析してみることをおススメします。


これらは基本の動き方としてぜひ意識すべきものだと思いますが、あわせて意識したいのは、一日の終わり。

今までは、オフィスにいたから、なんとなく周りの雰囲気にあわせて、「今日はここまでかな」と感じて仕事を終えて退社する、ということはなかったでしょうか。

これまでであれば、「お疲れ様でした」といって退社する際に、誰かから「お疲れ様でした」と返してもらえることも多かったはず。それがなくなった分、自分自身で自分のことを「お疲れ様でした」と褒め称えてあげるべきだと思うのです。これをぼくは、自分の一日の成果を自分で祝う「一人ウィンセッション」と呼ぶことにしています。

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一日の仕事の終わりを自分で決める。「〇〇時まで」といった時に、「〇〇時まで(状態として)仕事を続ける」という英語でいう「till」と、「〇〇時までに(目標として)仕事を終える」という英語でいう「by」の発想では、生産性が大きく変わります。

(時間の概念のないToDoの多くは終了されないままただ残るので)3年ほど前から自分個人のToDoリストを一切つくらないことにしているのですが、その代わりにやっているのは、自分がその一日にやるべきタスクを、すべてスケジュール表に入れてしまうということ。

スケジュールに入れたやるべきことを一日の終わりにしっかりやり遂げることができたならば、大いに自分自身のことを祝って、明日の活力につなげていくこともあわせてオススメします。


2. みんな×DOING「チームの生産性を高める」

次にみんな×DOINGの領域です。おそらく、チームや仲間をもつ多くの方が今、この領域の課題に日々向き合っていらっしゃるのではないでしょうか。

▼みんな×DOING:チームの生産性を高める
6. MTGの準備は徹底的に行う
7. MTG中にリアルタイムで編集する
8. MTG後の共有を素早く行う
9. PJTの進捗は可視化する
10. チームの目標を厳しく設定する


この領域のキーワードは「生産性」です。社内外で色々なMTGに出席させてもらう中でたまに感じるのが、リモートでのMTGや電話での会議になると、とたんに生産性が下がってしまうということ。

リアルだとなんとなくの雰囲気や空気感を察知しながら、よしなに忖度しながら目配せとかしながら進めることができていた会議やMTGが、オンラインだとなかなかうまくいかず、効率性が下がってしまう・・・というのは、誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

なぜこれが起こってしまうのか?それは一言でいうと、会議やMTGの事前準備ができていないから。これに尽きると思います。

会議の詳細なコツは、会議前(アジェンダの明確化と時間・参加者の絞り込み)、会議中(目的にあわせたルールの共有と進行の時間管理)、会議後(即時での決定事項とネクストアクションの展開)とわけて上で紹介した記事で書いているので割愛しますが、オンラインがメインになったことで、事前の準備がその成否により大きく影響するようになったと思います。


もう一つ、チームでの生産性を考えるうえでより重要性が増したのが目標設定とその進捗に関する可視化だと思います。

リモートやオンラインでの仕事がメインになると、常時オフィスで顔や膝を付き合わせるわけではなく、一緒にいる時間、話す時間は減りがちですから、一定チームメンバーに任せる必要が出てきます。それができないと、↓の「テレワーク事件簿20」でもいの一番に指摘されているような「束縛上司」問題が発生してしまいます。

これからの時代のチームマネージャーは、「なんとなくあいつ頑張ってるから」という評価がしづらくなり、立てた目標に対する成果の度合いで評価をせざるを得なくなります。必然、期初や月初に立てる目標の設定がより大事になってきます。

チームの目標やゴールの設定については、何も難しいことをする必要はなくて、こちらの記事でも書かせてもらったように、SMART(Specific=具体的で、Measurable=測定可能で、Achievable=達成可能で、Relevant=経営目標に関連した、Time-bound=時間軸が明確な目標)なものである、というのが基本になってくると思います。

ランサーズ でもまさに今、目標設定のあり方を一段踏み込んで見直しているところですが、もしこれまでの目標の立て方に少しでも不安や懸念があるというチームマネージャーは、このタイミングで一度、チームの目標を見直してみることをオススメします。


3. みんな×BEING「仲間同士の信頼関係を強くする」

ここまでのDOINGの領域は目に見えやすい部分です。もしかすると、コロナショック云々に関係なく、「今までやってきた・もうやっているよ」という方も多いかもしれません。

ここからは、より目に見えにくいBEINGの領域です。ランサーズ でも、ここに今大きな課題感を感じ始めていますが、このあたりに最近気を使い始めている経営者の方々やマネージャーの方も多いのではないでしょうか。

▼みんな×BEING:仲間同士の信頼関係を強くする
11. ミッションベースで観察する
12. 組織やチームのルールをつくる
13. 1on1を有効に活用する
14. オンライン飲み会を盛り上げる
15. オフィスを(アフターコロナで)集いたい場所にする


キーワードは「信頼関係」です。関係性の質と言い換えてもよいかもしれません。

こちらの記事にも詳しく書かせてもらいましたが、まず抑えておきたいのは、チームや組織の課題の多くは、行動や結果の質の手前にある、思考や関係の質に起因するということ。思考の質は個人のwayに、関係の質はチームのcultureにダイレクトに直結するものですが、特に後者は今、あらゆる組織にとってクリティカルな課題だと思います。

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ある意味、DOINGの領域はP/L的な要素が大きく、すぐ結果に現れてくるので対処もしやすいのですが、このBEINGの領域はB/S的な要素が大きく、短期的には数値に反映されにくい。そして放置しておくと半年〜一年後に大きな課題として立ち上がってくる。

通常は日々顔を付き合わせたり、なんだかんだで他愛もない雑談をしたり、共通の体験を目に見える形で積み重ねたりすることで蓄積していたのが、いわば「信頼貯金」。この信頼貯金が一定の残高以下になると、急にチームがギクシャクしだして、回るものも回らなくなってくる。

私見ですが、信頼関係をつくっていくうえで、ベースとなるのは、自己開示し、相互理解し、水平補完することだと思っています。仕事に関係ない雑談を積極的に仕組みにする1on1も大事ですが、チームの文化をつくっていくうえで、たとえばマッキンゼー時代の「チームラーニング」という儀式は、チームメンバー同士の関係性をつくるうえで、とても示唆的だったと思います(↓の投稿を見ると雰囲気がわかるので気になる方はぜひ)

チーム×DOINGのところで言及したような目標をしっかり設定し、そこに至る途中経過の進捗を可視化する仕組みをつくったならば、あとはチーム内の文化を意識的に醸成し、目標に向かって進むチームメンバーを「監視・管理」するのではなく、「信頼・観察」するのが理想といえます。


もう一つ。現在はオフィスへの通勤が大きく制限されていますが、アフターコロナの世界で、オフィスが完全になくなるかというと、そんなことはないと思います。今まで当たり前だったものを失ったときに、人ってその価値を再認識したり、再考したりしますよね。オフィスもまさにそうなのではないでしょうか。間違いなく、アフターコロナの世界で、オフィスの価値は大きく変化すると思います。

では、どう変化していくのか?

最近色々と話している中で一番しっくりきたのは、ビジョン=バイブル・聖書、オフィス=メッカ・巡礼地、ミーティング=ミサ・祭礼に近づいていくのではないか、というような話。宗教組織って、象徴としての教会があるけど、毎日顔を合わせているわけではないのに組織ができあがっていて、そこから学ぶことは大きいのではないか、と。

つまるところ、オフィスって物理的な空間で組織のカルチャーや文化を増幅させる装置みたいなもので、きっとこれからの時代、その文化増幅装置としての機能がより凝縮されていくのだと思っています。実際、ランサーズ でも「オフィスを博物館みたいにしようか」というような話もしています。

この在宅リモート期間を単なるオフィスからの「隔離」ではなく、オフィスの「再定義」のための期間ととらえてみると、今までと違った自分たちなりの組織やそのカルチャーのあり方が見えてくるのではないでしょうか。


4. 一人×BEING「心のレジリエンスを強くする」

最後は一人×BEINGの領域です。前回の記事でも書きましたが、実は、今からこの領域がもっとも重要な課題になってくるのではないか、と個人的には考えています。

▼一人×BEING:心のレジリエンスを強くする
16. 習慣やルーティンを変える
17. 集中できる環境をつくる
18. 強制的に休みの時間をつくる
19. 家族との生活を大事にする
20. 自分の振り返りの時間を大切にする


キーワードは「レジリエンス」です。しかし、そもそも「レジリエンスとは?」と思った方も多いかもしれません。Wikipediaの定義は↓の通りです。

▼心理学におけるレジリエンス(resilience)とは、社会的ディスアドバンテージや、己に不利な状況において、そういった状況に自身のライフタスクを対応させる個人の能力と定義される 。自己に不利な状況、あるいはストレスとは、家族、人間関係、健康問題、職場や金銭的な心配事、その他より起こり得る。
「脆弱性(vulnerability)」の反対の概念であり、自発的治癒力の意味である。「精神的回復力」「抵抗力」「復元力」「耐久力」などとも訳されるが、訳語を用いずそのままレジリエンス、またはレジリアンスと表記して用いることが多い。

まさにコロナ禍が続く中で必要な能力だと思いませんか?意訳すると、「折れない心」といったところでしょうか。

自分のまわりの友人や知人と話していても、特にプロフェッショナルとして高いパフォーマンスを出してきた人ほど、この領域に少しずつ課題感を覚える人が増えてきたように思います。なぜかというと、そういう人ほど、長い期間をかけて自分自身の習慣やルーティンをつくってきているからだと考えています。

これまで築き上げてきたものが強ければ強いほど、それを急に変えるのは大変なことだったりします。そしてそれが、これまでのオフィスへの通勤や家族との関係性など、コロナの影響で変化せざるをえない条件の中で成立してきたものであれば、なおさらのこと。

ある友人は、この状況下だからこそ、午前中は仕事をすることをきっぱりやめて、子供の勉強を教えることに時間を使おうかと考えている、というようなことを教えてくれました。ぼく自身も、ストレッチや散歩やリフレッシュ休憩や家事など小さいところから、少しずつ習慣を見直して試しています。


一方で、最近エグゼクティブコーチの方と話す機会があって、ああそうだな、と思ったのは、「外的状況がどうであったとしても、内面の美しい意識のあり方は変わらない」ということ。何もかもが変化を余儀なくされる状況だからこそ、変わらない自分の内面を見つめ直すことも大事。

経営者やマネジメントに近い立場の人は、この大きな危機に瀕して、日々状況把握につとめて決断をし、会社や組織の大変革を進めていると思います。ちなみにそんな経営者たちに対するコーチの役割の一つは「経営者に休みをとらせること」なのだそうです。

一人ひとりが、まるで経営者のように、日々の中で決断や変化を迫られていたりするこの状況下。

先ほど、一日の終わりに自分のやりとげたことを祝う「一人ウィンセッション」の話をしましたが、ToDoの時間をスケジュールに入れるのと同様、今後は、自分を振り返るためのToBeやToFeelの時間をより積極的にとっていくのが今後求められていくのではないでしょうか。

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今回のまとめ

スマートワークway勝手に20選、いかがでしたでしょうか?

長文の中、最後までお読みいただきありがとうございます。今回の記事のまとめは↓になります。

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あまりに長くなると思ったので、一つひとつのwayについてあまり詳細に書かずに省いてしまいましたが、ぜひ文中で紹介した別記事をあわせて読んでみていただければうれしい限りです(ちなみに、ランサーズでも「リモートワークway」を公開しているので、興味がある方はこちらもぜひ)。

働き方編の記事が続いていますが、次回は「採用やめよう」から「スマート経営」へ、ということで、アフターコロナの働き方の未来や今後の経営のあり方について妄想を膨らませて書いてみたいと思います。


今後、本ブログ連載シリーズは↓のマガジンに投稿していきますので、良ければぜひフォローしてみてください!


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