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アフターコロナの「スマートワーク」:セルフ・ビーイングをアップデートする

リモートワークが本格的に広がり始めて早一カ月。企業におけるリモートワークはまだまだ広がっていないという調査も出てきていますが、皆さんの働き方をめぐる環境はどのくらい変わったでしょうか?

私自身は、以前からリモートワークは一部していたものの、在宅リモートに完全移行したことをきっかけに、自宅での環境を整えるべく、憧れのセイルチェアに防災用のテントに簡易版のハンモックにと、自宅のスペースを好みにあわせてカスタマイズしていくことに最近はハマっています。


はじめに

さてさて。こんな状況だからこそ、あらためて自分の考えをまとめて発信してみようということで、シリーズものでいろいろと投稿してみることに決めました。

このタイミングだからこそじっくり考えてみたいど真ん中直球なところから、個人的な趣味丸出しのちょっとディープなところまで。働き方編、学び方編、キャリア編、カルチャー編、のテーマでいろいろと書いていきたいと思います。

・働き方編:アフターコロナを生きるスマートワークとスマート経営
・学び方編:セルフ・アップデートの「学習歴」社会
・キャリア編:ベンチャーでのチャレンジとランサーズと私
・カルチャー編:ビジネスにいかすトランス・カルチャー・スタディ

まとめて投稿していくのは↓の「そねせん」シリーズ以来ですが、ぜひしばらくお付き合いくださいませ!


ピンチはチャンス。前提条件がない中でのチャレンジ

一発目のエントリーは、「働き方編:アフターコロナのスマートワークとスマート経営」のテーマで書いていきたいと思います。

この一カ月で、なんとなく仕事の生産性が落ちたり、メンタルコントロールができなくなったり、メンバーの状況がなかなか把握できなかったり。社外の人たちと話している中で、そんな声をちらほら聞くことが増えました。

たとえば「リモートワークとメンタルヘルスケア」のテーマでいうと、今回のコロナが始まるずっと前から、産業医の大室先生なんかは↓のような記事で的確にそのリスクを指摘されていましたね。


ランサーズでも、全社フルリモートに移行してから、早いタイミングで「スマート経営5原則」なるものを定めたり、リモートワークを支える自宅環境整備の手当を制度化したり、全社集会をインタラクティブなオンラインコンテンツに変えたり、などなど色々なことを打ってきました。

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ちなみにランサーズの社内で定めたスマート経営5原則はこちらです。

・企業活動の最大化こそが唯一の社会貢献
・原則在宅勤務の中の助け合い精神
・前提にとらわれない発想ドリブン
・全社員が働き方改革OSのコミッター
・改革は危機から生まれる

どれも好きなのですが、大事だなと思っているのが4つ目の「全社員が働き方改革OSのコミッター」というところです。

ピンチはチャンス。誰もやったことがないことだからこそ、正解がないことだからこそ、チャレンジするという前提意識をもってみんなで仕組みをつくっていこうと、「スマートワーク研究会」なるものも社内で立ち上げ、日々、創意工夫&エラーのノウハウを積み重ねていってます。


アフターコロナを見据えて本格的に働き方を見直す

ここから1-2カ月で事態が収束するのであれば、この状況を一過性のものとしてやり過ごす手もあったかもしれません。ただし、さまざまな情報を総合して俯瞰するにつれ、この状況が年単位で長期化することはかなり確からしいものとなってきているように感じています。

この状況を不可逆なものととらえて、アフターコロナを見据えた未来逆引きの本格的な策を打つべき。「この状況をなんとか我慢する・やりすごす」というのはもはや無理で、「この状況の先にある未来を今からつくりなおす」、というように発想をしていく必要がある。そう考えています。

では、何からどう手をつけていくべきか?

アフターコロナを見据えて働き方を見直していくうえで、個人的にとてもしっくりきているフレームワークをひとつご紹介します。

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①自分×DOING:一人ひとりが自立的に動く(cf. 作業、提案書)
②組織×DOING:チームの生産性を高める(cf. 会議、プロジェクト)
③組織×BEING:仲間同士の関係の質をあげる(cf. 雑談、1on1、飲み会)
④自分×BEING:心のレジリエンスを高める(cf. 瞑想、散歩、サウナ)

DOINGとBEINGについては、DOING=目的性が高く直接的に仕事とかかわるもの、BEING=目的性が低く直接は仕事にかかわらないもの、というようなとらえ方をしていただくとわかりやすいかもしれません。

リモートワークが前提となったときに、DOINGの領域での変化に対する課題や対策は比較的わかりやすい。たとえば②のチーム×DOINGでいえば、リモートで協働するからこそ、会議のアジェンダ準備はこれまで以上に徹底するとか、目標やアウトプットの期待値はしっかりと明確にしておくなど。

一方でBEINGの領域は、直接は仕事にかかわらないからこそ、なかなか見えづらいし測りづらい。①>②>③>④の順で症状が見えてくるというか、潜在的な課題として表出してくると思っています。

ランサーズでも、①②の課題に対しては矢継ぎ早に色々な手を打ってきたうえで、直近はより③④のようなBEINGに近い領域での課題が出始めてきているのを感じます。なんとなく雑談や飲み会なんかでつくられていた関係の質をいかにして高めていくか。

たとえば↓の記事の「テレワークは信頼貯金をすり減らす」なんてのはまさにそうで、③のみんな×BEINGの領域は、ビジョンとかカルチャーを軸に、どれだけこれまで関係の質を高めチームで信頼関係や築いてこれたかの「貯金」がものをいうし、それを今後どうオンライン・リモートの前提条件でも継続的につくっていけるかがとても重要になってくると思います。


自らのセルフ・ビーイングをアップデートする

最後に、深い部分で課題が潜っていて、ふとした時に現れるのが④のセルフ・ビーイングの領域なんじゃないかな、と。

ここについては、セルフマネジメントができるプロフェッショナルな人でも、通勤がなくなってオンオフの切り替えができないとか、ずっと家族と一緒で集中できないとか、逆に一人でいると時間の感覚を失って仕事をエンドレスにしてしまうとか、オフィスワークをしてきた中でいつの間にかできあがっていた習慣が損なわれて仕事や生活のリズムが保てない、といったようなケースをまま聞きます。

さらにいうと、↓の記事でも言及されているように、人はある程度以上のストレッサーに晒され続けたときに、警告反応期、抵抗期を経て、3カ月後くらいから疲憊期に入り、いったん消えていたストレスの症状が再び現れてくる、という話もあります。いちがいに全て「あと一ヶ月後が危険」というわけでもないでしょうが、一度そのストレスから回復することにより、自分にかかっているストレスに気づかなくなる、ということです。

私自身も、リモートワークが続く中で自分のリズムの変化を感じて、自分の仕事のスタイルやBEINGを一度整理して、ルーティンの棚卸しをしました。たとえば以下のような感じです。

■あたらしく始めたルーティンの例
・朝、入念にストレッチ。夕方にもストレッチする。
・ランチの前後に必ず散歩に出て20分くらい歩く。近くの公園まで。
・意識的に休憩時間をつくる。休憩時は場所を変える(cf. テント)
・日中、ちょっとしたすき間の時間で家事をやり家族を手伝う。
■変えずに続けているルーティンの例
・外に出なくても、朝、髪はセットし服も着替える。
・集中するときはイヤホンをし、スラックアプリを落とす。
・一日のタスクはToDoリストでなくすべてスケジュールに入れる。

いろいろと考えている中であらためて気づいたのが、自分たちが普段ユーザーとして接している、リモートを前提とした在宅ワーカーなどは、はなからこの④のセルフ・ビーイングの課題に向き合っているということ。つまりフリーランスはスマートワークの先駆者であるということ(※このあたりは別の記事にて詳細をご紹介します)。

フリーランスの本質は、「Be Your Own Boss」というような言葉に代表されるような自己選択や自由と責任にそのエッセンスがあると思いますが、自身のセルフ・ビーイングを見つめなおし、アフターコロナの働き方を考えるうえで、「フリーランス的」なスタイルには、あらためて学ぶところが大きいだと考えています。


まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!今回の記事のまとめは↓になります。

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最近思うのは、コロナはもはや戦時ではなく「新しい平時」だということ。早くこの状況を新しい当たり前として受け入れて、未来を考えていかないといけないんだ、と。

アフターコロナのオフィスはもはやコミュニティスペース、もっというとある種の「メッカ」になるのではないか(ビジョン=聖書、オフィス=聖地)、というような話も最近はしたりしています。

インターネットやスマホが広がったことによって働き方や価値観さえもが変わったように、この状況も、5年10年先の未来から見たときに、間違いなく大きなパラダイムシフト・転換点になっているはず。だったら、この未来を自分たちでつくっていってやろうじゃないか、と思うのです。

次回の働き方編では、今日ご紹介したフレームワークをベースにした「スマートワークtips 20選」をご紹介したいと思います(と言いながら、とんで学び方編かカルチャー編の投稿をするかもしれませんが悪しからず)。引き続きご笑覧くださいませ!!


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