そろんつ

2016年からソロツーリングを開始。 年2回、1週間のツーリングに行き、2022年に4…

そろんつ

2016年からソロツーリングを開始。 年2回、1週間のツーリングに行き、2022年に47都道府県を制覇。 最初から書き溜めていたツーレポがまとまったので、ほぼ毎日、少しずつ公開中。 観光地の情報はブログで発信。 https://mantravolty.blogspot.com/

マガジン

  • おじさんの大冒険再び

    いつもより長めに北海道をツーリングした時の話です

  • おじさん、リゾート地に行く

    バイクであっちこっち行くのも、ついに沖縄上陸です。青い海、白い砂、どうでもいいことをダラダラと考えるバイクに乗った人。

  • おじさんの交遊録

    関西をツーリングしながら、20年ぶりくらいに大学の友達を訪ねるツーリングの話です。

  • おじさんクリエイター

    たまたま見たテレビ番組に簡単に触発されて、自分でも何か作ってみよう、と思い立ったけど、やっていることはツーリング、という話です。

  • おじさんの2回目

    東北に2回目のツーリングに行った時のツーレポです

最近の記事

ヌグフール・キルヤム現象

白神岬の手前で、雨が止んだ。空は、相変わらず厚い雲に覆われているけれど、雨は止んだ。 この天気だと、レインウェアを脱ぐのは、まだ早い気がするけれど、グローブくらいは、変えてもいいような気がした。ボルティには、ナックルガードもつけてあった。白神岬で、レイングローブを、皮のグローブに変えた。 15分後、雨が降り出した。そのうち、雨が止むだろう、と、しばらく、そのまま走った。雨は、止みそうになかった。バイクを止めて、グローブを、レイングローブに変えた。30分後、雨が止んだ。皮のグロ

    • 天気予報の通りに雨が降る

      ホテルを出発するときには、もう雨は降っていた。 雨が降るのは、知っていた。ツーリングの二週間前から、天気予報は、一貫して、そう主張していた。天気予報は、当たる。たまに外れると腹が立つくらいに、いつも当たる。だから、ツーリングに来るまで、雨マークが並んだ天気予報を、二週間、毎日見るのは、つらかった。せっかくの、北海道ツーリングなのに。だから、雨マークの方は、なかったことにして、降水確率を見た。10%下がっては喜び、上がっては悲しんだ。 そして、現在に至る。雨は、普通に降っていて

      • 憧れのあの人

        今回のツーリングでは大きな街には寄らないつもりだったけど、函館は、たまたま、泊まるのに都合のいいところにあった。大きな街には寄らないつもりだったけど、無理に避けることもない。せっかく泊まるなら、おいしいものくらいは食べたかった。マップルを開いたら、朝市の特集があった。一番有名なのは、きくよ食堂の三食巴丼。きくよ食堂は、朝5時からやっているので、ツーリングの出発を遅らせなくてもよくて、都合がよかった。あと、マップルには、函館は、イカが有名だと書いてあった。活けイカの刺身の写真が

        • 親切とサービス

          昭和新山の駐車場にバイクを止めた。係のおじさんがやってきて、200円です、と言った。おじさんは、どこから来たの、と言いながら、バイクのナンバープレートを見た。そして、今年の北海道は、天気が悪くて残念だね、とつけ加えた。 今回のツーリングも、今までと同じように、ツーリングの2週間前から、現地の週間天気予報を毎日見ていた。確かに、北海道は、2週間前から、ずっと天気が悪かった。北海道には梅雨がないって聞いてたのに。北海道では、今年みたいに天気の悪い日が続くのは珍しいみたいで、この後

        ヌグフール・キルヤム現象

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        • おじさんの大冒険再び
          7本
        • おじさん、リゾート地に行く
          35本
        • おじさんの交遊録
          13本
        • おじさんクリエイター
          12本
        • おじさんの2回目
          35本
        • おじさんの新しい生活様式
          22本

        記事

          俺は、こいつと旅に出る

          苫小牧のホテルで、朝の5時に目が覚めた。前の日は、フェリーの中で、やることがなくてダラダラしていたわりに、しっかり眠れた。 北海道の第一歩は、マルトマ食堂で、ホッキカレーの朝食の予定だった。カーテンを開けて外を見た。天気予報は良くなかったけど、雨は降っていなかった。 マルトマ食堂には、早朝の5時半に着いた。駐車場は、ほぼ満車で、交通整理のおじさんがいた。店に行くと、入口に行列ができていた。薄暗い店の前で、全員、退屈そうに、スマホの画面をひっかいていた。行列には並ばずに、駐車場

          俺は、こいつと旅に出る

          コロナの幻

          コロナ禍は、私たちの日常から、いろんなものを奪っていって、本当に憎いけれど、今まで当たり前だったものが、当たり前じゃなくなってしまって、この先どうすればいいんだろう、ということもある。 例えば、在宅勤務。 通勤時間を自分の時間にできて、どうでもいい用事で気軽に呼びつけられて邪魔されることもなく、無駄な雑談に付き合わされることもない。建前で出席させられている会議なんて、実際に会議場で着席しているだけ、と、オンライン会議に出席しているだけ、では、快適さが、全然違う。こんなの、知っ

          コロナの幻

          待ってろ、北海道

          毎年、有休を5日連続で取って一週間のロングツーリングに行く、というジャパニーズサラリーマンにあるまじき所業を重ねて6年目。今年は、北海道に行く。これは、2年前から決まっていた。2年前のロングツーリングが終わったとき、もう、行っていないところは、沖縄と、北海道しか、残っていなかった。ロングツーリングと言えば、北海道だ。フィナーレは、北海道だろう。だから、去年は沖縄に行った。そして、今年は、北海道。ついに、北海道。ついに、47都道府県制覇。6年前、四国に一週間のソロツーリングに行

          待ってろ、北海道

          相棒

          自分のバイクのことを、相棒と呼ぶのは、なんだかしっくりこない。そう言っている人を見ると、恥ずかしくなる。バイクは、しょせん道具でしょ、と割り切っているわけではない。ボルティとは、六年間、一緒にツーリングして、その間、大きな故障もしないで、無事に走ってくれて、感謝している。 相棒、というと、お互い支えあって、というもののはずなのに、バイクのことを、そう呼ぶ人を見ると、バイクに対して、上から目線みたいに見える。俺に乗ってもらって、バイクも喜んでいる、という、持ち主の勝手な思い込み

          のんびりと残り時間

          はての浜ツアーが終わって、ホテルに帰ってきた。バイクに荷物を積んで、時計を見た。このままフェリー乗り場に行くと、時間が余ってしまうけれど、どこかに寄り道するほどの時間はなかった。グーグルマップで、ホテルとフェリー乗り場の間の観光地を探した。アーラ浜が見つかった。ネット検索は禁じ手なので、アーラ浜に関しては、場所のことしか、わからなかった。でも、久米島のビーチなら、景色が悪いわけがない。フェリーが出るまでの時間をのんびりと待つなら、こういうところの方がいいだろう。とりあえず、行

          のんびりと残り時間

          はての浜

          はての浜は、とてもきれいなところでした。おわり。 で、終わってもいいくらいに、きれいなところでした。どうきれいだったか、言葉で説明しても、私のつたない文章力では、腹が立つくらいに伝わらないし、かえって、変な印象をつけてしまうかもしれないから、書かない。観光旅行の作文を趣味で書いているのに、観光地の良さを説明するのをあきらめてどうする、と言われたら、むしろ、この姿勢を、潔いと褒めてほしい、と答えよう。どんな景色か知りたかったら、写真を見てくれ。どれも、大した写真じゃないから、興

          苦労をすれば報われる

          鳥の口、というのは、変わった形をした岩のことで、それだけ、といえば、それだけ。でも、それだけでも、行く時間があったら、見に行く。それが、観光というものだ。 トクジム自然公園の小さな駐車場に、バイクを止めた。鳥の口に向かって、遊歩道を歩いた。遊歩道は、海沿いの、崖の稜線に沿って続いていた。道は、背の高い草に囲まれていた。景色は、あまり見えなかった。ところどころ、草が生えていないところがあって、そこから、時々、海が見えた。海の向こうに、鳥の口も見えた。鳥の口は、その、変わった形の

          苦労をすれば報われる

          離島ツーリング

          久米島は、小さな島なので、主な観光地を全部回って、島を一周しても、走行距離は50kmくらいしかなかった。距離は短いけれど、とても楽しいツーリングだった。 フェリーを下りて、まずは、北に向かった。サトウキビ畑の間を通って、海沿いの道に出た。海沿いの道の左側に、岩場と、遠浅の海が見えた。右側には、小高い丘が、向こうの方まで続いていた。海面とほとんど同じ高さの平らな道が、海岸に沿って、緩やかに曲がっていた。その道が、先の方まで続いていた。屋根も窓もない、バイクという乗り物だと、

          離島ツーリング

          吐きそう

          久米島行きのフェリーは9時出航なので、ホテルを8時に出れば、十分間に合う。出航or欠航の発表は7時半で、朝食も7時からなので、7時に起きれば、何の問題もない。 それなのに、朝5時に目が覚めてしまった。もう一回寝ようと思ったけれど、眠れなかった。フェリーが欠航した場合の、飛行機の予約のことを考えると、緊張した。昨夜考えた、フェリーがだめなら飛行機があるじゃない作戦が、プランAも、プランBも、うまく行く気が、全然しなかった。改めて、自分の才能が憎かった。なんで、飛行機のことなんか

          久米島は遠い

          沖縄ツーリングが始まる一週間前に、久米島フェリーのサイトを見たら、シケで、フェリーが欠航していた。 そういうのは、考えてなかった。それからは、毎日、フェリーの運航状況を確認するようになった。しばらくは、普通に出航していた。欠航したのはたまたまだったのか、と思っていたら、つい3日前にも、欠航した。けっこう、欠航する。いや、ダジャレじゃなくて。3日前は、もう沖縄に来ていたので、欠航したのは、けっこうショックだった。あ、すみません。今のは、ダジャレです。それはそうと、久米島行きのフ

          久米島は遠い

          パワースポットがわからない

          斎場御嶽は、沖縄でもトップクラスのパワースポットとされている。太古の昔から、神聖な場所として扱われている、由緒正しき場所だ。入場するときにも、ちょっとした説明を聞いてからじゃないと入れない。気安く立ち入って、場を乱すことがあってはならない、という雰囲気があった。これは、相当なパワースポットなのだろう。 でもね、わからないんだ。パワーって、何? ツーリング中は、いろんなところでパワースポットに行きますが、正直に申しまして、パワーというものを感じたことがございません。これだとちょ

          パワースポットがわからない

          何もない砂浜

          海沿いの細い道を進んで、道が行き止まりになったところが、百名ビーチの入口だった。周りには、何もなかった。お店も、駐車場すらなかった。 そんな、何もない百名ビーチに来て、何をするのか。 できることは、海を眺めるか、乗馬ぐらいだ。 百名ビーチの入口の、行き止まりになった道路の先には、車では入れない細い山道が続いていた。バイクを止めて、ヘルメットを脱いでいたら、その山道の方から、ガサガサ、と大きな音が聞こえた。振り向くと、山道から、馬が二頭現れた。 予想できないところから馬が突然出

          何もない砂浜