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役所のFAX使用は遅れている?

ダイアモンドオンラインの以下の記事のタイトルをみて、『役所に残る「メールよりFAX」信仰』と書かれていたので、そんな信仰が役所にあるのか考えてみました。
また、この記事にDX(デジタルトランスフォーメーション:Digital X(trans)formation=デジタルを用いた仕組みへの移行・再構築ぐらいの意味)について、触れられていましたので、それについても考えてみました。

1.役所のFAXは時代遅れか

これに関しては、役所単体であればFAXを辞めることができます。一部の事業者に合わせないといけないので、役所は仕方なくFAXを使用しています。
私が介護保険の仕事をしていたときに、一部の事業者は「メールは見ていないので、メールではなく、FAXで送ってほしい」と言われます。
また、消耗品発注等の事業者も同じような状況です。
役所単体ではFAXを廃止できず、事業者の都合によりFAXが残っていると解すべきで、役所が時代遅れというわけではないと考えています。

2.役所のDXが進まない理由

自治体のDXを妨げる要因をかなり抽象化すると、大きく以下の4つに分けられそうだ。
(1)前時代的なIT環境(予算や政策との兼ね合いもある)
(2)失敗を恐れる文化(4の原因となる場合もある)
(3)年功序列・終身雇用(長い下積みや人材流動性の低さ)
(4)意思決定と事業推進の遅さ(3による中間管理職層の厚さもその理由)

役所に残る「メールよりFAX」信仰、時代錯誤な住民の行政批判もDXの壁に
酒井 真弓

以上のように、DXが進まない理由が指摘されていますが、これはおおむねそのとおりでしょう。
(1)について、ITインフラにお金をかけても政治的にパフォーマンスができません。費用負担だけが目立って予算が削られます。(経験有)
(2)について、役所は減点方式です。仕事量を少なくキープし、ミスをしないことが出世への近道です。
(3)について、これは言うまでもありません。実力のある若い人がいたとしても、年数を経過するまでは登用されません
(4)について、意思決定を理由なく遅らせる方、多くいらっしゃいます。
これらは、私の役所の中の嫌いな部分です。中身のある仕事をしようと思えばこうはならないはずです。
私はDX推進をミッションとして採用されたIT採用の職員なのですが、DXを遂行するには、これらははっきりいって邪魔です。DXを推進したければ、上が変わらないと変わりません。(人を代えるのか、マインドを変えるのかは必要です。)
そのような覚悟は問われています。

3.住民は役所を批判すべきか

行政のDXが進まない原因は、適切な時代認識を持たない一部の住民やメディアにもある。民間企業なら無視できることも、行政では難しい。自己流の正義を振りかざす人たちは、自分たちの声で進化が止まってしまう可能性を考えたことがあるだろうか。どうか仕事の邪魔をしないであげてほしい。

役所に残る「メールよりFAX」信仰、時代錯誤な住民の行政批判もDXの壁に
酒井 真弓

明らかに理不尽なことは役所に対して批判をしてもよいが、冒頭のように「FAXを使っている」という批判は短絡的かと思います。
こちらの記事にも「職務中にスマートフォンを使用していた」ことを批判していた記載がありましたが、私もパソコン、タブレット、スマートフォン(テザリング用)を使いながら仕事をしています。
役所の変革を求めるなら、変革的な働き方は認めていただけると嬉しいです。

4.まとめ

FAX使用といった時代遅れと思われるものも使われている理由はあります。批判の前にはその裏側を想像していただけると嬉しいなと思います。
ただ、役所の古い悪しき体質がDXを阻害しているのは紛れもない事実です。この体質に一石を投じる動きは私は大歓迎です。

私の好きなものは、この記事で紹介したものの逆です。以下のようになります。
(1)十分なITインフラの整備(仮想化基盤、端末、ネットワーク)
(2)評価は加点方式
(3)実力主義・移籍歓迎
(4)意思決定は迅速

私もDXを推進できるよう細々と活動していきます。


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