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コミュニティマーケティングは、目的設計が成功の肝。熱狂的なファンをつくり事業成長を。|コミューン

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先日、オンラインコミュニティの企画・構築・運用を一気通貫でサポートするコミューン株式会社@commmunejp)から大村 康平おおむら こうへい氏(@kohei_omu)をゲストにお迎えし、“ファンマーケティング戦略談義【2023年】- 重要ポイントを成果事例から紐解く -”をテーマに、ディスカッション形式でウェビナーを開催しました。

【無料で資料ダウンロード】も可能です。ぜひ!

*ファンマーケティングとは
商品やサービス、ブランドに対して強い愛着を持った”ファン”を増やすことで、中長期的に安定した売り上げ基盤を構築するマーケティング手法。

*登壇者
コミューン株式会社パートナーアライアンス部:大村 康平氏(@kohei_omu
執行役員COO:浅見 剛(@goasami

ファンマーケティングは世界的トレンド

お客さま一人を増やすよりも、ファンを大切にするほうが事業インパクトが大きい

─── 昨今、注目度が高まっているファンマーケティングについて教えてください!どうして重視すべきなのでしょうか?

大村:世界的なトレンドであり、企業が今後真剣に取り組まないとユーザーに取り残されてしまう恐れがあるほど、必須のものです。

有名な「2:8の法則」では、20%の熱狂的なファンが80%の売上を占めるといわれています。比率は絶対的なものではなく、あくまで集中する傾向を示すものではありますが、おそらく直感的にご理解いただける通り、ファンは購買価格が高いです。

このことを踏まえると、一人でも多くのファンを増やすことは、ファンではないお客さまを一人増やすことよりも大きな売上インパクトを生むのは間違いありません。

また、ファンは次の新しいお客さまを呼んできてくれます。そしてそのお客さまをファンに育てていくというサイクルを回していく。これがファンマーケティングの考え方です。

浅見:私自身は一消費者として、ファンマーケティングの重要性を感じています。

以前、娘の学習塾を決める際、ネットでいくつか探していたのですが、妻のママ友からおすすめしてもらった塾に決めました。先ほど大村さんがおっしゃったように、一部の熱狂的なファンから伝播されて新しいお客さまが生まれる。こういったサイクルができると、強い事業・サービスになっていくと思います。

国内でみると人口減少や少子高齢化が加速度的に進んでおり、ターゲットとなる顧客の母数も縮小しています。少ないパイの中で広告一辺倒になってしまうと、獲得効率が下がることは目に見えていますから、商圏内でいかにしてシェアを伸ばしていくか検討しないといけないですよね。

─── ファンマーケティングを実践しようとすると、具体的にはどのような施策が考えられますか?

大村取り組んでいる企業が最も多いのは、SNS運用です。例えばTwitterの場合、会社の中の人がユーザーさんに向けて情報を発信するとか、リツイートして親近感が湧き、嬉しい気持ちにさせるとか。

ほかにも、私たちコミューンが展開しているコミュニティ運営やオウンドメディアなども施策の一つです。

浅見:ファンになってもらうという意味では、店舗をおもちの企業であれば、店頭での接客もファンマーケティングの一つだといえそうです。

しかし、店頭接客は一時的な接点にしかならないので、LINE公式アカウントやSNSを活用して、オンライン上でもアプローチし続けるのもいいと思います。

コミュニティの立ち上げは設計が非常に重要

SNSとコミュニティは相互補完。併用がおすすめ

─── SNS運用とコミュニティ運営の二つの施策には、どういった違いがあるのでしょうか?

大村:SNSとコミュニティは、両方の良さを生かして使い分けることで、相互作用が生まれます。

SNSは、認知を広げたり新しいお客さまを増やしたりしていくことに強みをもっています。実際、私たちが目にする機会は圧倒的に多く、拡散性もかなり強いです。一方、コミュニティは、お客さまの満足度を高め、お客さま同士や企業とお客さまとの関係を築いていくときに有効です。

また、最近コミュニティで注目されているのが、データの蓄積ができることです。SNSでは、一次情報を保有するのはSNSの運営企業ですが、自社のコミュニティサイトであれば、自社だけで情報を貯めることができます。

コミュニティは手段であり目的ではない

─── では、コミュニティ運営において陥りやすい罠を教えてください!

大村:SNS運用にも共通しますが、場所だけつくってもうまくいくわけではない、ということです。

コミュニティサイトをオープンしたり、Twitterアカウントを開設したりして、突然ファンが増えるわけではありません。これは論理が飛躍してしまった幻想です。

浅見:私たちもファンをつくるための施策に挑戦してきました。しかし正直失敗だらけというか(笑)。KPIがあやふやな状態でスタートしてしまう、結果が可視化できない、などといった問題で、施策が成功したのか失敗したのかがわからず、優先順位が下がってしまい、形骸化してしまうんです。

例えばSNS運用。アカウントを開設したけれど、結局何もしないアカウントになってしまう。するとそれがマイナスのブランディングになってしまうんですよね。その失敗を踏まえると、何も考えずにとりあえずやろう、というのは危険です。

コミュニティは手段であり、目的ではないことを肝に銘じる必要がありますね。

─── コミュニティを立ち上げる前の設計が重要そうです。

大村:私たちの提供するコミュニティプラットフォーム「commmune」では、まず最初にコミュニティの目的を明確にします。図の右下です。全体設計は、最大で2〜3か月程度かけてじっくり行なうこともあります。

KPIには「ユーザー軸」と「コミュニティ軸」がある

浅見:KPIの話を大村さんに伺っていきたいです。

私たちは、直近2年ほどでSNS運用やnoteを本格的に活用し始めましたが、まずは行動優先で進行してしまっていました。今思えば、届けたい相手や、伝えたいことの優先順位を決めた上でKPIを定め、適切な場を選択すべきだったと反省しています。

私たちのようなBtoBかつ無形商材であった場合、施策の目的は「商談化」「お問い合わせ件数の増加」とおいていました。ですが、すぐそこに結びつけることは難しいと感じており、現在は、最終地点の手前にあるPV数やシェア数といったリアクション数をKPIにおいて運用しています。

コミュニティ運営の場合、KPIはどのように設定すればいいのでしょうか?

大村成果測定では、「ユーザー軸」「コンテンツ軸」の大きく二つがあり、どちらか一方、または両方を用いることが多いです。

ユーザー軸は、ユーザーの満足度や、コミュニティへのログイン率などを測定します。コンテンツ軸は、コミュニティ内でのリアクション数やコメント数などを測定します。

浅見:オウンドメディアだと、コンテンツ軸でしか計測できませんが、ユーザー軸の測定ができるのはコミュニティ運営の大きなメリットでもありますね。

大村:コミュニティ運営の成果もすぐに出るものではありません。計測は数年スパンでみていく必要がありますね。

情理的なインセンティブの設計を

─── コミュニティを活性化させていくためにどのような方法が考えられるのでしょうか。どうやってユーザーを増やしていくとよいのでしょうか?

大村参加のインセンティブとしては、合理的なものと情理的なものの二つがあると考えています。

合理的なものとは、Amazonギフト券や、サービスの会員ポイントなど、直接の経済的な利益になるもの。情理的なものとは、このコミュニティに所属できることが嬉しい、企業の中の人や運営者と距離が近くなれるといった、感情に働きかけるものです。

前者が有効になる場合がもちろん多いですが、毎日のログインや投稿などの行動に対してうまくインセンティブ設計を考え、後者のインセンティブによってコミュニティを盛り上げていくことが重要です。

コミュニティマーケティングは「やるなら今」

社内の理解を得て、社内を巻き込む

─── では、コミュニティ運営の成功事例を教えてください!

大村:サブスクリプションを中心に完全栄養の主食を開発・販売しているベースフード株式会社の事例です。「BASE FOOD Labo」という名前でコミュニティを運営されています。

ベースフードを定期購入しているお客さまを「研究員」と位置付け、心身ともに「健康をあたりまえに」を実現していくためのコミュニティ、というコンセプトをおいています。お客さま同士が情報交換をしたり、お客さまと社員が交流して商品開発・サービス改善をしたりしています。

コミュニティ自体は、マーケ部門が中心となって推進しています。大きなニュースがある際には、代表取締役が直接コミュニティ内のお客さまに対してメッセージを届けることもありますし、新商品開発にはロイヤルユーザーの声を活用されています。

このコミュニティでの投稿はTwitterとも連携でき、ユーザー発信のコンテンツ「UGC」が生まれ、新しいお客さまが増えるきっかけにもなっています。

浅見:CRM部門やマーケティング部門といった特定の部門だけではなく、社内を巻き込んでお客さまとの距離を縮めているんですね。素晴らしいと思います。

また、お客さま自身「研究員」として参加していると、会社の中の人のような感覚になると思います。商品に、より愛着が湧いてきそうです。

─── おもしろいですね。よくある活用法を教えてください!

大村:そうですね。最近のBtoC業界だと、商品の継続率向上を目的に使われることが多いです。

食品のほかに美容系の商材も多く、共通点は長く使うことで効果を感じられるもの。なので企業としては、毎日使い続けてほしい、長く使ってほしいという思いがあります。

そしてこういった商材では、商材の効果を感じてもらうために、運動や睡眠、食事に気を付ける、といった生活のあらゆる側面でもモチベートしていく必要があります。ユーザーの生活と密接に関わっており、コミュニティ運営と相性がいいです。

BtoB業界では、代理店も多いです。営業が実施しているコミュニケーションを、人や場所に関わらず一定の品質を保った上で実現できるように、お客さまからの質問への回答集を作成しておいたり、製品情報やビジネストレンドなどの情報共有をしたりしている企業があります。営業側としても、問い合わせの工数を削減して、ほかのお客さまへ対応する時間を増やすことができます。

コミュニティは企業とユーザーの接点をつくる貴重な場

─── コミュニティ内でユーザーさんの活動が活発になってくると、ネガティブな発言をする方も出てくるのではないでしょうか。

大村:批判する内容は、大きく二つです。一つは、オペレーション部分に改善を求める批判。もう一つは、ほかのユーザーに迷惑をかけるような批判。

前者は、企業にとって嬉しいものです。企業側とユーザーが接点をもてる場は少ないのが現状で、ユーザーの声を聞くために、お金と時間をかけてモニター調査を行なう企業が多いです。しかし、コミュニティでアンケートを取る方法であれば、速く情報を得られますし、追加で質問すれば、より具体的な内容が得られることもあります。

─── 後者の、不適切な投稿に対してはどのような対応をすべきなのでしょうか。「commmune」では、どのような対応をしていますか?

大村:「commmune」では、24時間365日対応できる体制を構築しています。投稿やコメントをモニタリングしており、サービス開始から5年ほどが経ちますが、一切炎上が起きたことはありません。

万が一、不適切な投稿を見つければ、非表示にするなどの対応をしています。ですが、滅多にコミュニティ内でそのような投稿はされないですね。前提として、わざわざコミュニティに書き込んでくれるのは、商材を好きな方たちだからです。

浅見:たしかに、野球やサッカーでも、熱狂的なファンほど意見している様子を見かけます。企業の真摯な対応が大切そうですね。

先行投資がコミュニティマーケティングの成功のカギ

─── コミュニティ運営では、すぐに結果が出にくいので、重要だとわかっていてもスムーズに取り組める企業は少ないのではないでしょうか。

大村:そうですね。現場でお客さまに日々向き合っている社員には、課題感をもっていて、すぐにでも取り組みたい方が多い印象です。しかし、経営層に上申する際、費用対効果や回収できるのかなどを迫られて伝えきれず、合意を取れずに実現できない場合もあります。

コミュニティをつくるには時間がかかるので、「やるなら今」と、優先度を高めてもらう必要があります。1、2年ではまだ効果が小さいかもしれませんが、3年、5年と経っていくと差別化されたブランドとして選ばれるようになるはずです。先行投資をした企業こそが、ブランドの価値を高めていくことができます。

─── コミュニティマーケティングは「やるなら今」ですね!

大村:冒頭にも話しましたが、これから必須になってくる手法であることは間違いありません。国内ではまだまだ本格的に取り組む企業が多くはなく定着していないものなので、今後どんどん広まっていく段階にあり、試行錯誤をされている企業も多いと思います。だからこそ、悩んでいる企業のご担当者の方はコミューンへ気軽にお問い合わせいただきたいです。

また、一消費者としても、コミュニティマーケティングやファンマーケティングの考え方が広がっている世界が好きですし、おもしろさを感じています。ユーザーが開発背景や企業の思いに共感した上で使っているような商材は、ユーザーの満足度も高く、自分も使ってみたいと感じますね。そしてそれを誰かに勧めて使ってもらえるようになれば、嬉しい気持ちになります。

皆が「好き」と思うブランドや企業が残っていく社会になるといいな、と思いますね!


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  • コミュニティマーケティングの重要性

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【執筆・編集:みやたけ(@udon_miyatake)】

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