ダジャレ族【短編】
司令部の弘中大佐が言うには、第13飛行師団の飛行第44戦隊の中の1機が、朝鮮海峡の未知の島に不時着したらしい。
「そこで急遽、この第13飛行師団からその小島に調査団を派遣することになった。」
馬鹿な、と俺は思った。
この敗戦ムーブが立ち込める中で、貴重な人材をその訳も分からぬ島に飛ばすなど、正気の沙汰とは思えないような愚行だ。
弘中大佐は大本営発表を間に受けているようなノータリンの国民とは違う。無論、真実に基づいた大日本帝国の戦果は耳にしているはずだ。それなりの地位を持ってい