体のメリハリ ~締める&緩める~
気圧と姿勢
気圧によって体調が変化する方は多いと思います。特に低気圧だと調子が悪い方が多いですね。高気圧だと調子が悪くなる、というのはなかなか聞かないです…
最近では気象病とも言いますね。
気圧は自律神経や血管の伸縮など色々と体に影響を与えます。
そもそも気圧というものは空気の重さです。空気にも重さがあり地球の重力に引っ張られています。その圧力が強い(高い)or弱い(低い)ということです。
単純に「圧力が強い」というとあまり良い印象は受けません。寧ろ圧が強いのは嫌われてしまいます。とは言え体にとって圧力は弱い(低い)方が良いわけではありません。もちろん限度はありますが(笑)
低気圧=圧力が弱い状態で調子を崩すということは圧力が強い(高い)方が体にとっては良いことなのです。
実際に圧力とはどれぐらいのものなのか?圧力を示す数値でよく聞くのが「ヘクトパスカル」です。「ヘクト」は「100倍」という意味なので「1パスカル」がどれぐらいの重さかというと…
分からなくはないのですがピンと来ないですね。。。分かりやすく言うと…
因みに以下が東京の平均値です。
冬より夏の方が低いです。(もちろん気圧なので日によっても変わります。)季節によって体にかかる圧力が変わるんですね。
高い圧力は体を引き締めてくれます。気圧に負けないように同じ圧力の力で跳ね返しているからです。良い緊張感を与えてくれるといっても良いです。
実は服も同じような役割があり圧をかけた方が体は動きやすくなります。気圧が低く何となくだるい日は鉢巻や何かで体を締めるとそれだけでも体は楽になります。
圧をかける事の重要性
昔の日本では圧をかけて、体を引き締めて活動を助けていました。
鉢巻き
襷掛け
帯
脚絆
褌
草鞋 etc.
今は洋服になってしまったのでなかなか上記の物はしなくなりましたね。昔と比べ生活での肉体労働は圧倒的に減りました。動かない率が高くなったのに体は疲れ、ストレスは溜まる一方です。
動ける人、動いてスッキリする人はまだ良いのですが、動けない人もいるし下手に動いていれば体を痛めてしまいます。
動く、動かないを問わず「体を締める」ということは生きているうえでとても重要な事なのです。
帯やコルセットが長い間なくならなかったのはそれなりの身体的メリットがあったからだと思います。
体のメリハリと日本の稲作
締める⇔緩めるというこのメリハリが特に日本の文化では大事でした。気候と稲作がそうさせたとも言えます。
稲作は縄文時代(約1万2,000年前~2,500年前)に中国大陸から伝わったとされています。稲は春に種を撒き秋に収穫します。なので暑い夏を越さないといけないんですね。夏は雑草も育ちますし虫も発生します。これらと戦わないと米を収穫できないわけです。
米は「八十八」と書いて「米」となります。育てるのに88の手間がかかるという事です。もちろんこれは後付けの理由ですがそれだけ手間がかかっているということです。(本当は「垂れた一本の棒に6粒の米が実っている」という象形文字です。)
夏場に手間のかかる重労働はあまりしたくないんです、、、暑いですからね。それは今も昔も変わらないと思いますがそんなこと言っていたら餓死してしまいますから。。。
それでも日本人の農業に関しては
と言われた通りかなり真面目に丁寧に作業をしていました。
現在、世界の8割はインディカ米です。インディカ米はジャポニカ米よりも草の丈が高く、物によっては2メートルはあるそうで日本人の稲の感覚とはちょっと違う稲です。これも身体に影響を及ぼします。
上の写真の通り日本の稲の高さは腰よりも低い位置です。もちろん品種によって変わってくると思います。
下は日本にとってはあまりなじみのない外国のお米。
東南アジアではインディカ米が主流です。日本の稲と高さが2,3倍は違いますね。田植え時の姿勢はどの国もそこまで変わらないのですが、収穫時になると、この稲の高さが身体の使い方の違いを生むと思います。
因みに西洋の場合は主に小麦ですがこれは秋に種を撒き春に収穫と言うのが一般的だったそうです。
冬は雑草もそこまで生えませんので、米のような手間のかかる作業があまりないのです。稲作は同じ土地でも水がある限り半永久的に収穫が可能です。なので田んぼが痩せていく事はあまりありませんが西洋の場合は土地を休ませる必要があったため三圃式農業という土地のローテーションを組む必要がありました。
日本の場合、暑い時期に地面に近い作業を強いられるわけです。基本的に暑い時期は緩みますので作業がしたくなくなるんです。しかし生死が関わっていますのでそうも言っていられません。だから強制的に体のスイッチを「ON」にしないといけない、、、
そのためにも「締める力」が必要になりました。
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