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体のメリハリ ~締める&緩める~

気圧と姿勢

気圧によって体調が変化する方は多いと思います。特に低気圧だと調子が悪い方が多いですね。高気圧だと調子が悪くなる、というのはなかなか聞かないです…

最近では気象病とも言いますね。
気圧は自律神経や血管の伸縮など色々と体に影響を与えます。

そもそも気圧というものは空気の重さです。空気にも重さがあり地球の重力に引っ張られています。その圧力が強い(高い)or弱い(低い)ということです。

単純に「圧力が強い」というとあまり良い印象は受けません。寧ろ圧が強いのは嫌われてしまいます。とは言え体にとって圧力は弱い(低い)方が良いわけではありません。もちろん限度はありますが(笑)

低気圧=圧力が弱い状態で調子を崩すということは圧力が強い(高い)方が体にとっては良いことなのです。

実際に圧力とはどれぐらいのものなのか?圧力を示す数値でよく聞くのが「ヘクトパスカル」です。「ヘクト」は「100倍」という意味なので「1パスカル」がどれぐらいの重さかというと…

1パスカル(Pa)は、1m2の床の上に約100g〔1ニュートン(N)〕のものを置いたときの圧力です。

https://kids.gakken.co.jp/kagaku/eco110/ecology0041/からの引用

分からなくはないのですがピンと来ないですね。。。分かりやすく言うと…

1円玉を手のひらに乗せたときの圧力は約31Paなので、1hPaは「手のひらに1円玉を30枚乗せたときくらいの圧力」ともいえます。

https://kids.gakken.co.jp/kagaku/eco110/ecology0041/からの引用

1気圧(1013 hPa)はとても大きな圧力です。(中略)
今もあなたは、1m² に約101300N (1万kg, 10トン)の空気の重みを受けています。
手のひらが 100cm² だとすると、そこには約100kg の空気が乗っています!

https://menon.network/air-pressure/#toc5からの引用

因みに以下が東京の平均値です。

東京 気圧 平均 
気象庁からの画像

冬より夏の方が低いです。(もちろん気圧なので日によっても変わります。)季節によって体にかかる圧力が変わるんですね。

高い圧力は体を引き締めてくれます。気圧に負けないように同じ圧力の力で跳ね返しているからです。良い緊張感を与えてくれるといっても良いです。

実は服も同じような役割があり圧をかけた方が体は動きやすくなります。気圧が低く何となくだるい日は鉢巻や何かで体を締めるとそれだけでも体は楽になります。


圧をかける事の重要性

昔の日本では圧をかけて、体を引き締めて活動を助けていました。

  • 鉢巻きはちまき

  • 襷掛けたすきがけ

  • おび

  • 脚絆きゃはん

  • ふんどし

  • 草鞋わらじ etc.

今は洋服になってしまったのでなかなか上記の物はしなくなりましたね。昔と比べ生活での肉体労働は圧倒的に減りました。動かない率が高くなったのに体は疲れ、ストレスは溜まる一方です。

動ける人、動いてスッキリする人はまだ良いのですが、動けない人もいるし下手に動いていれば体を痛めてしまいます。

動く、動かないを問わず「体を締める」ということは生きているうえでとても重要な事なのです。

帯やコルセットが長い間なくならなかったのはそれなりの身体的メリットがあったからだと思います。


体のメリハリと日本の稲作

める⇔ゆるめるというこのメリハリが特に日本の文化では大事でした。気候と稲作がそうさせたとも言えます。

稲作は縄文時代(約1万2,000年前~2,500年前)に中国大陸から伝わったとされています。稲は春に種をき秋に収穫します。なので暑い夏を越さないといけないんですね。夏は雑草も育ちますし虫も発生します。これらと戦わないと米を収穫できないわけです。

米は「八十八」と書いて「米」となります。育てるのに88の手間がかかるという事です。もちろんこれは後付けの理由ですがそれだけ手間がかかっているということです。(本当は「垂れた一本の棒に6粒の米が実っている」という象形文字です。)

夏場に手間のかかる重労働はあまりしたくないんです、、、暑いですからね。それは今も昔も変わらないと思いますがそんなこと言っていたら餓死してしまいますから。。。

それでも日本人の農業に関しては

たとえばスウェーデン人のツュンベリーは、次のように述べている。
「耕地には一本の雑草すら見つけることができなかった。(略)このありさまでは、旅人は日本には雑草は生えないのだと容易に想像してしまうであろう」

日本人は外国人にどう見られていたか】(三笠書房)からの引用

と言われた通りかなり真面目に丁寧に作業をしていました。

現在、世界の8割はインディカ米です。インディカ米はジャポニカ米よりも草の丈が高く、物によっては2メートルはあるそうで日本人の稲の感覚とはちょっと違う稲です。これも身体に影響を及ぼします。

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http://www.3284rice.com/fun/chishiki/quest1/から画像
稲 日本
http://www.s-coop.or.jp/HpContents/ActiveReportDetailDisp?id=116からの画像
稲 日本2
http://oishii.iijan.or.jp/products/post-2349からの画像

上の写真の通り日本の稲の高さは腰よりも低い位置です。もちろん品種によって変わってくると思います。

下は日本にとってはあまりなじみのない外国のお米。

稲 アジア
 https://katsuyou.yayoiken.jp/kodaimai.htmからの画像
稲 ラオス
https://sites.google.com/site/nayanglaos/cunno-murashi/agriからの画像

東南アジアではインディカ米が主流です。日本の稲と高さが2,3倍は違いますね。田植え時の姿勢はどの国もそこまで変わらないのですが、収穫時になると、この稲の高さが身体の使い方の違いを生むと思います。

因みに西洋の場合は主に小麦ですがこれは秋に種を撒き春に収穫と言うのが一般的だったそうです。

麦は10月頃から土を作り、11月上旬に種籾を撒き、翌年6月上旬に刈り入れる。6月頃に麦畑が黄金色に色づくことから、麦秋と言えば初夏のこと。
手入れは主に草むしりや(現代になって主に日本で行われるようになった)麦踏みと呼ばれる作業で、刈り入れまでに4、5回行う。冬の気候が暖かい土地では麦踏みはほとんど行われない。

https://ncode.syosetu.com/n7099x/からの引用

冬は雑草もそこまで生えませんので、米のような手間のかかる作業があまりないのです。稲作は同じ土地でも水がある限り半永久的に収穫が可能です。なので田んぼが痩せていく事はあまりありませんが西洋の場合は土地を休ませる必要があったため三圃式農業さんぽしきのうぎょうという土地のローテーションを組む必要がありました。

日本の場合、暑い時期に地面に近い作業を強いられるわけです。基本的に暑い時期は緩みますので作業がしたくなくなるんです。しかし生死が関わっていますのでそうも言っていられません。だから強制的に体のスイッチを「ON」にしないといけない、、、
そのためにも「締める力」が必要になりました。



鉢巻はちまき

さて、身体を締める代表的な物に「鉢巻はちまき」があります。鉢巻は平安時代にはすでにあったそうです。その頃は抹額まっこうと言われていたそうです。

東洲斎写楽画『四代目松本幸四郎の肴屋五郞兵衞』
東洲斎写楽とうしゅうさいしゃらく『四代目松本幸四郎の肴屋五郞兵衞さかなやごろべえ

やる気を出す時などに頭に巻きます。頭の鉢に巻くので鉢巻と言います。

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https://kamitohada.net/bad-shape-of-the-head/からの画像

なぜ「頭を締める=やる気」なのかというとこれは頭蓋骨ずがいこつと呼吸が関係しています。
呼吸をする事によって体の色々なところが動きます。肋骨ろっこつはもちろんですが微細に骨盤や頭蓋骨も動きます。

頭蓋骨 呼吸
https://body-expert.net/からの画像

頭蓋は、15種22個の骨から構成されていて呼吸でそのつなぎ目が動くんです。呼吸することによって上図の矢印ように動く場合もありますし、下の図のように上の画像とは逆に動く場合もあります。これは姿勢によって変わってくるからです。

呼吸
https://eigon.hatenablog.com/entry/20140709/1404863231からの画像

何れにせよ呼吸で頭蓋骨は動きます。これが「ブレる」ということに繋がります。頭は自分の体重のおよそ10%の重さ。体重が60kgだったら頭の重さは約6kg。2リットルのペットボトルが約3本分ということになります。

ボーリングをやったことのある方なら分かると思いますがボーリングの球は男性向けの一番重いもので14ポンドです。14ポンドはキログラムで直すと6.350kgとなります。あのボーリングの球位の重さが首から上に乗っかています。なのでこれがブレると疲れます。

だから頭が動かないように鉢巻をしていたんです。強制的にやる気を出させるにはブレをなくしてあげた方が良いんです。


病鉢巻やまいはちまき

病鉢巻やまいはちまきというものもありました。時代劇で病で床に伏せている将軍様がよく頭に鉢巻をしています。

頭 はちまき
Quoraからの画像
頭 はちまき2
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/8933441.htmlからの画像

病気の時にする紫色の鉢巻です。これは紫根しこんという薬草で染めたためで、紫は身分の高い人の色でした。因みに今でも「紫根」を使った薬が【紫雲膏しうんこう】という軟膏で一般薬として発売されています。

『紫雲膏』は、江戸時代末期の名医・華岡青洲が創方した漢方の軟膏です。

https://www.kracie.co.jp/hint/shiritai/vol89.htmlからの引用
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https://www.kracie.co.jp/products/ph/1201871_2220.htmlからの画像

韓国では今でも調子が悪いと鉢巻をする習慣があります。

韓国のドラマや映画を観ていると希に頭に白いハチマキを巻いているシーンが出てくる。特に病んでいるシーンで巻いていることが多い。あのハチマキは何の意味があるのだろうか。
簡単に調べて見たところ、頭痛を和らげるためにハチマキで締め付けて痛みを和らげているのだとか。皆も頭が痛い際に頭を抑えたりするだろう。

https://getnews.jp/archives/572403からの引用
鉢巻 韓国
https://getnews.jp/archives/572403からの画像

病気の場合も鉢巻をする事によって、ブレをなくし血液の巡りを良くし代謝を促していると思われます。頭の位置が定まれば体も丈夫になります。

身体も大きくバランスを崩せば病気としての認識しやすくなりますが、微細に、分からないぐらいのバランスの崩し方は自覚しようにも出来るものではありません。こういう場合は鉢巻で締めてしまった方が手っ取り早いですね。


鉢巻の実践

では実際に紐を使って締めていきましょう。ひもの締め方の強弱がかなり大きく体に影響します。その時の調子にもよります。強ければ気持ち良いと思う時もありますし、弱い方が気持ちいい場合もあります。その都度つど、体調に合わせて調節して見てください。

恐らく紐の幅や、材質、色によっても変わってくるでしょう。何れにしても正しい巻き方はないので調子に合わせて思うままに巻いて締めてみてください。



襷掛たすきが

締める代表的な物に襷掛たすきがけがあります。襷掛けも歴史がかなり古いです。群馬県にて6世紀ごろに作られた襷掛けをした埴輪はにわが見つかっています。

腰かける巫女1
腰かける巫女2
埴輪はにわ 腰かける巫女みこ
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/506231/1からの画像

襷掛けは神事的な意味合いも強かったようです。

田植えは本来聖なる行事であったことから、襷を身につけ穢れを除くためと考えられている。こういった神事や祭礼による襷の遺風は、現代でも神社の祭祀・行事、伝統芸能などで見ることが出来る。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%9F%E3%81%99%E3%81%8Dからの引用
月次風俗図屏風(つきなみ ふうぞく ずびょうぶ) 田植えの様子
月次風俗図屏風 室町時代(16世紀)
月次風俗図屏風 拡大4
その一部拡大図

ほとんどの人が襷掛けをして作業をしています。
しかしこの頃の他の絵を見ても襷掛けがあまりありません。普段はしていなかったように推測できます。

儀式のための衣装、ということもあったのでしょうがその後、江戸時代に入ると袖が長くなったので、(儀式的な用途はもちろん)日常の作業する上で襷掛けは日常生活で欠かせないものになっていきました。

洗濯 襷掛け
洗濯をする女性たち(年代不明、恐らく江戸後期~明治初期)
http://oldphoto.lb.nagasaki-u.ac.jp/search/jp_detail.php?id=4306からの画像

今は和服を着なくなったので襷掛けをする機会はほとんどありません。学生の応援団がしてますね(笑)



ジブリの襷掛けたすきが

因みにジブリの映画作品【もののけ姫】(1997年公開)の時代は室町時代(後期)だとされています。16世紀頃ですね。日常での仕事では襷掛けはしないので出てくる人々は襷掛けをしていません。

もののけ姫1
もののけ姫2
https://www.ghibli.jp/works/mononoke/からの画像

2001年に公開された【千と千尋の神隠し】の異世界の設定年代ははっきりしていませんが服装そのものは【もののけ姫】より時代が古く平安時代かと思います(9,10世紀)。千尋が働く油屋あぶらや湯屋ゆや)は八百万やおよろずの神々が疲れを癒しにくる所で神様のお世話をするのが従業員の仕事です。なのである意味では神事であり神聖なことなので【もののけ姫】よりも服装が古いにもかかわらず襷掛けをしているんですね。

千と千尋の神隠し
千と千尋の神隠し2
https://www.ghibli.jp/works/chihiro/#frameからの画像 

 https://www.youtube.com/watch?v=etiQRSOkOIg

宮崎駿の作品へのこだわりが衣装の細部までいきわたっていますね。他にも何気なく見ていると見落としてしまいますが色々とおもしろい所作や仕草もありますね。これはまた別の記事で書きたいと思います。



前と後

では襷掛けをする事で身体的にはどういう効果があるのか?

後ろの意識が強くなるのです。

人間は前への意識はもの凄い強いです。目が前に付いて前が見れるようになっています。鼻も口も前に付いていますし、耳は穴は横ですが耳介じかい(貝殻のようになっている部分)は前の音がキャッチしやすいようになっています。

後ろ歩きもできますが、基本的に前に向かって歩きますし走ります。腕も後ろにも動きますがやはり前で作業することがほとんどです。

よもや現在の人生というものは前のめりになり過ぎるんです。
背中を忘れがちなんです。

この前のめりが体も壊しますし心も壊す原因になります。前の意識は強いのに後ろの意識は弱いのでバランスがもの凄く悪い。姿勢を正せばいいのか?という話ではありません。人によって正しい姿勢の定義が違いますし、何より動いている時にまで良い姿勢は無理ですね。それこそ動いている時はより複雑にバランスをとっているので様々な姿勢があるのです。



後日と先日~言葉と意識~

今、普通に使う言葉で「前」と「後」があります。
「目の前にあるよ!」とか「後に並んでください。」など実際に物事としての前後と言う意味で普通に使います。

ただ「前後」は物事ではなく心の向きを表現する時も使います。
「前を向かなきゃ!」とか「そんな後ろ向きにならないで…」とかですね。

前はポジティブ&未来
後ろはネガティブ&過去

という考えが一般的にはあります。
しかし日本の中世頃はこの考え方は逆だった説があります。

見えない未来は後ろにあり、過去の物事は目の前にある、ということです。

勝俣鎮夫さんという日本中世史の先生が論文に書かれていることなんですが、戦国時代ぐらいまでの日本人にとっては、未来は「未だ来らず」ですから、見えないものだったんです。過去は過ぎ去った景色として、目の前に見えるんです。当然、「サキ=前」の過去は手に取って見ることができるけど、「アト=後ろ」の未来は予測できない。

https://honz.jp/articles/-/41700からの引用

これが「先日」や「後日」という漢字に表されています。過去のことなのに「先日」、先の話なのに「後日」という現代ではちょっと考えられない時間の捉え方なんです。

先は見えていたことなので「過去のこと」
後は見えないことなので「未来のこと」

勝俣さんの論文によると、過去が前にあって未来は後ろにあるという認識は、世界各地の多くの民族がかつて共通してもっていたみたいなんです。

https://honz.jp/articles/-/41700からの引用

多くの民族が昔はこういう考えだったそうです。これは姿勢にも大いに関係します。16世紀以降には「先」とか「後」は今と同じような捉え方になってきたので「先々で」や「後ろを振り返る」の今と通じるような言葉が出てきたようです。

実際、日本の手話では、「過去」は「後ろ」を指すしぐさで、「未来」は「前」のしぐさで表す。
 しかし、外国の手話では、日本と逆に「過去」は「前」を指すしぐさで、「未来」は「後ろ」のしぐさで表す国もある。その理由は「過去のことはわかるから、目の前にある。未来のことは見えないから、頭の後ろにある」。

https://www.isc.meiji.ac.jp/~katotoru/m-chuskys08.htmlからの引用

後ろ向きの人生も実はもの凄く大事なんです。今はアメリカ的な「前へ前へ」という強迫概念とも言える前方アクティブ思考があります。しかしそればかりでは体は前のめりになりバランスが悪くなり調子を崩してしまうんです。



前向きを直す。

前向きは体を壊します。なので襷掛けなのです。前と後ろとのバランスを取ってくれるのが襷掛けの役割なんです。紐で前に「×バツ」を作るのではなく、後ろで「×バツ」を作るのも後ろの焦点(意識)の表れなんです。それが肩甲骨の間に位置することがとても大事です。

肩甲骨は上下左右、斜め、開閉等ができる自由度の高い部位なのですが、故に遊びがちなのです。この遊び過ぎが呼吸を多くし日常の疲れを引き起こし、パフォーマンス低下させる原因にもあります。襷掛けすることによって肩甲骨の動きを強制的に制限して遊びを減らすんです。

肩甲骨の動きとして特に大事なのが肩甲骨同士の開閉の動きです。菱形筋と言う場所の意識が大事になります。

菱形筋
https://nawa.co.jp/topics/kenkoutaisou/ryoukeikinからの画像

元々猫背気質の日本人からするとこの菱形筋りょうけいきん周辺の筋肉は使いにくい筋肉です。肩甲骨が開いてしまっている状態です。それは気候や日常の作業等からそうなりやすい体遣いでした。

横隔膜が高いポジションにあれば菱形筋も働くのですが日本の風土では意外と難しいんです。この肩甲骨のポジションは腕の話だけでなく脚の使い方の話なので肩甲骨だけ見ていてもなかなか直らないのです。なので手っ取り早く襷掛けをした方が楽ですし早いのです。


猫背の誕生

前の項目で「元々猫背気質」と書きましたがこれは江戸時代に入ってから徐々に猫背が目立つようになってきたと予想されます。

恐らく江戸時代に入るまでは日本人の姿勢はそんなに極端に猫背ではありませんでした。江戸時代前も宣教師が多く来日していましたが(私が探した範囲では)そのような記述はありません。

ヨーロッパ人は概して身長が高く体格が良い。日本人は概して身長も体格もわれわれに劣っているという。

ヨーロッパ文化と日本文化』(岩波文庫)ルイス・フロイス著 岡田章雄訳注からの引用

例えば上記のような体格についての記述はあるのですが猫背については何もありません。もし猫背だったらそのような姿勢については必ず触れていると思います。

そして通りで見かける小柄で、親切そうで、しなびていて、がに股で、猫背で、胸のへこんだ貧相な人々には…

イザベラ・バードの日本紀行(上)』(講談社学術文庫)イザベラ・バード著 時岡敬子訳

1878年(明治11年)に日本の横浜に来たイザベラ・バード。日本に着いた5月21日から日記を書いていますがその日記の初日に上記のように日本人の容姿の特徴を書いています。

イザベラが初日からこのように書いているということはよほど日本人の姿勢が気になったのでしょう。

日本の気候や土地、農業、稲作は猫背になりやすい姿勢だったのですが、江戸時代までは争いごとが多かったのであまり猫背になれない環境でした。なのであまり襷掛けは日常的にはしていませんでした。襷掛けをする必要がなかったのです。

しかし江戸時代という争いのない時代が猫背を育てていったとも言えます。この猫背を防ぐために襷掛けは一役買っていたのでしょう。


襷掛けの実践

では襷掛けをしてみましょう。長い紐だったらどんなものでもかまいません。紐があまり細すぎると食い込んで痛いかもしれませんのであまり細くない紐の方がいいかもしれません。細くても厚手の服を着れば大丈夫です(笑)

そしてまず多くの方が「あれ?どうやるの?」となります。それはそれで良い頭の体操になりますからがんばってください(笑)

分からない方のために↓

 https://www.youtube.com/watch?v=pGXnA91muac

日常的に無理に姿勢を正そうとしないことが大事です。無理な姿勢はただ疲れるだけです。襷掛けのように紐に頼ってしまった方が日本人の体にとっては良いと思います。

減息トレーニング
レッスン(マンツーマン[約45分])
初回 15,000円(税込)
2回目~ 12,000円(税込)

レッスンチケット3回分
35,000円(税込)

レッスンチケット5回分
​55,000円(税込)

西武池袋線「大泉学園駅」より徒歩5分
出張も行っております。(別途交通費、場所代)
​オンラインでも指導可能です。


SokuRyoku lab 息力研究所
https://instabio.cc/3110713StvjPm
お問い合わせ先:hurahura.balance@gmail.com


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